自宅での不倫現場を妻に見られた夫のヒドい言い分。あきれた浮気論とは

女子SPA!

会社の若い女性社員と自宅で関係を持っているところを妻のユミコさんに見られた経験のあるショウタさん(46歳)。11年前のことだ。

現在、長女が13歳、長男が11歳になった。ユミコさんは葛藤(かっとう)を続け、自分の気持ちに蓋をして生活を続けてきた。だが、今年の夏休み明けに長女が「友だちの両親が離婚した」と言ったのを機に、封印してきた過去が目の前に再現されたという。

夫のショウタさんは、あのときのこと、そしてその後のユミコさんとの関係をどう思っているのだろう。筆者が夫妻両方を知っているとはいえ、ショウタさんはなかなか話してくれなかった。だが、どうしても気持ちを聞きたいと懇願し、ようやく口を開いてくれた。

◆自宅不倫の夜をよく覚えていない

「あの日のことは、本当によく覚えていないんですよ。けっこうたくさんの人が来ていて、僕も楽しくていつもより飲んでしまったから。気づいたら、女性が僕の上に乗っていた。いや、その前からいちゃいちゃしていたのかもしれません。妻に見られていることもまったくわからなかった」

ショウタさんは恥じ入るようにそう言った。自宅で若い部下といちゃいちゃすることじたいがどうなのかと思われるが、彼はそれも「酒の上でのことで、彼女の誘惑があったとはいえ、善悪の判断力を失っていた」と苦しい言い訳に終始した。

その彼女は「仕事ができる優秀な人材」だったにもかかわらず、年明けに辞表を提出して故郷に帰ったそうだ。専務の不適切な関係から、優秀な人材が失われたのは確かなようだ。

◆妻の気持ちもだんだん元に戻っていったはず

「ユミコには本当に申し訳ないことをしたと思っています。だから謝り倒した。子どももいるし、僕は子どもとは離れたくない。どうしても離婚するなら子どもは置いていってほしいと言ったかもしれない。彼女もよく考えたはずです。僕はユミコを愛していました」

愛しているのに浮気はする。それが本音なのかもしれないが。

「その後しばらくはギクシャクしましたが、徐々に以前と同じような生活に戻っていったと記憶しています。僕も仕事が忙しかったけど、なるべく早く帰って家事や育児も積極的にやった。まあ、人が来るとか僕が忙しくてどうにもならないときは、家事を代行してくれる人を頼んだりもしていましたから、ユミコは家事育児に忙殺されることはなかったと思う」

子どもを見てくれる人がいるときは、夫婦でデートをしたりもしたとショウタさんは言う。それが彼の贖罪(しょくざい)の表れでもあった。妻の気持ちもだんだん元に戻っていったはずだと彼は自信ありげに言った。

◆悪かったと思っているが他にも不倫を…

「よく覚えていないこととはいえ」、悪いことをしたという認識はあるとショウタさんは言う。

「目の前で配偶者が別の異性と関係をもっている。僕だって想像したら、パニックになりそうですから。いくら記憶が曖昧(あいまい)だと言っても、妻が実際に見たのは確かなんだから、どれだけ謝っても足りない。だから今まで努力してきたんです」

彼はもうすっかり、ユミコさんが当時のことを「許して」いると信じている。自分たち夫婦は固い絆で結ばれているとも言った。

そう簡単に傷は癒えていないはず、と水を向けると彼は首を横に振った。

「ユミコはそんなことで悩んだりしないと思います。あのときのことはあのときのこと、あれから10年以上もたっている。この10年のふたりの積み重ねた時間を考えれば、あの数分間のできごとは水に流していると思う」

前編で聞いたユミコさんの本心を聞かせてやりたいが、彼女からは自分が話したことを伝えないでほしいと言われている。

「ユミコは本当にいい妻で、いい母親だと思います。しっかり者だし、家庭を任せて何の不満もありません」

なんとなくショウタさんは、その後も不倫をしたことがあるのではないかと思えてならなかったが、ストレートに尋ねるわけにもいかない。

だがあれこれ話しているうちに、やはり彼が何度かよその女性と関係をもっていることがわかった。

◆浮気はやむなし。ダメな自分を妻は受け止めてくれている

「続かないんですよ。だからただの浮気。恋愛でもない。ちょっとだけよそ見することは誰にでもあるんじゃないかな。ユミコには言わないでください。

ただ、ユミコが完璧すぎるから、ときどきフラッと他に目が行くのかもしれない。ユミコのせいというわけではありません。僕がいいかげんな人間なんだと思う。もちろん浮気していることなんて知らないと思うけど、どうしようもない僕をユミコは受け止めてくれている」

予想外の展開である。「継続的でなければ」浮気はやむなしと考えていること、自分自身はダメな人間だが、それも含めて妻は自分をまるごと受け止めてくれていること。ユミコさん自身は、おそらくそんなふうには考えていないはずだ。

「せっかく縁があったのだからユミコとは添い遂げたい。僕は子どもたちに会社を継いでほしいなんてまったく思っていないから、好きなことを見つけて羽ばたいてほしい。そしてそれ以降はユミコとふたりで旅行したり、何か一緒にできることを始めたりしたいと思っているんです」

あと10年で、ユミコさんは離婚したいと考えている。だが夫はそんなことはまったく予想もしていないようだ。

ショウタさんはとらえどころのないタイプ。人当たりはいいが、たとえば「浮気」そのものへの罪悪感はまったくなさそうだし、それを隠そうとするところもない。一般的に浮気はいけないことになっているという事実も、ぬらりとくぐり抜ける非常識感がある。

だが、そういうところがこの人らしさなのかもしれないと思わせてしまう感じなのだ。不思議な人ではある。

10年後のユミコさんとショウタさんがどうなっているのか、あるいはそれが前倒しとなるのかはわからない。ただ、このままだとふたりの間の見えない溝はますます深くなっていくだろうことは想像にかたくない。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio

当記事は女子SPA!の提供記事です。

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