世界的辞書の会社が「心理的虐待(Gaslighting)」を今年を象徴する言葉に選んだ理由

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Gaslightingは、フェイクニュース、そして直接的に個人間でも起きる心理的虐待です。

メンタルヘルスについて話すことが以前よりも少しずつ、一般化しつつあるような気がしています。そんな風潮もあってか、参考図書や辞書の出版で有名なメリアム=ウェブスター社が発表した2022年の言葉は、「Gaslighting」でした。日本語だと「精神的・心理的虐待」のような訳になります。相手に自分が間違ったことをしていると誤解させるような嫌がらせを続け、心理的に操作し追い詰める精神的虐待のことです。

『ガス燈』に由来


もともとこの言葉は1938年の『ガス燈』という舞台劇に由来します。

劇中では、ある男が家の明かりを小細工して暗くします。奥さんが明かりが暗いというと、自分の仕業であるにもかかわらず男は「そんなことはない、お前の勘違いだ」とずっと言い続けます。奥さんは自分がおかしくなってしまったと勘違いさせられるという精神的DVを受けるというストーリーから来ている言葉なのです。

メリアム=ウェブスター社によると、Gaslightingという言葉は2022年に検索が1740%も上昇したそう。フェイクニュースで溢れる情報社会で、自分が間違っているのか、騙されているのか?と心配になっている人が多いことを表している結果のようです。

新しい意味も生まれてきている


メリアム=ウェブスター社は、Gaslightingには「自分の利益のために人を陥れる行為」という新しい意味も付加されていると説明しています。同社は以下のようにGaslightingを定義しています。

長期に渡る心理的虐待で、被害者が自身の考え、認識、記憶を疑うよう仕向け、自信や自己肯定感を失くさせ、自分の感情やメンタルの安定を疑うようになり、加害者に依存させる行為のこと。

また、Gaslightingと同じように「ナルシシスト」「トキシック」「トラウマ」などのメンタルヘルスに関係する言葉が多く検索されるようになっているそうです。

トラウマセラピストのShannon Thomas氏は、メンタルに関係する言葉がこれだけ興味を持たれているのは、ある意味諸刃の剣であり、こういった虐待やメンタルヘルスの問題が増加していることを周知する一方で、よくある言葉として本当の問題自体がネットの中で埋もれていってしまうと危惧しているとInsider誌に語っています。

またロヨラ大学のマーケティング学教授のJenna Drenten氏は、「これはメンタルヘルスに関する問題をもっと一般的にするということではなく、すべてはネットへの興味をどのようにいい方向で維持するかどうかにかかっているのです」と意見を述べています。

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。

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