今でも印象に残るテックとゲームの斬新なCMたち

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Image: Nintendo,Gif: Sony

短いからこそできる、このクオリティー。

ハリウッド映画の予告編であれば、数分の長さがあり、観客はスクリーンを見るしかないので、近日公開作を見てみようかという気にもなります。一方、テレビCMは30秒。おまけに視聴者はじっとテレビを見たりしてはいないので、CMを見てもらうハードルはずっと高くなります。ですが、そういう制約は逆にクリエイティビティを刺激するよう。

最近では、それほど長くないテレビCMでさえ、最後まで見ることがなくなりましたが、かつてテレビCMの存在は大きかったです。特に、私が大人になる前、今のように、CMのないストリーミング配信が地上波やケーブルテレビより当たり前になる前は。当時の強烈な30秒CMがいまだに印象に残っているのは、80年代、90年代、00年代のテレビCM制作に勢いがあったことの証です。私の場合、最新のテクノロジーやゲームのスゴさを訴えたCMが特に忘れられないですね。

コモドール64




コモドール64は、最初期のホームコンピューターのひとつで、グレイがかったベージュの筐体に収まり、ワープロとしても使えるのが売りでした。もちろんメインはゲーム、ただこのCMはいまだに頭にこびりついています。両親に電話して確認してみたところ、わが家のコモドール64で遊ぼうとして、友だちがドアを破ってなだれ込んできたりしたことはなかったようです。

任天堂「スーパーマリオブラザーズ3」


https://youtu.be/HU80R7jGanE

1988年10月の「スーパーマリオブラザーズ3」発売に先立って、初めてこのCMが流れたとき、家族の誰かがこんな意見を口にしました。「マリオ! マリオ!」、このシュプレヒコールは、カルト教団のやり方そのまんまだ、と。今考えると、それも、テレビゲームは悪だというおなじみの論法のひとつだったのだろうと思います。そんな意見を押し付けられたところで、このCMをクールだと思う気持ちが萎えることはありませんでしたが。なにしろ、ゲームを盛り上げるために、国じゅうから何万もの人が集まって、北米大陸に巨大なマリオの顔を作るんです。もっとも、これがすべてCGだと誰でもわかる今となっては、当時の興奮はだいぶ冷めているんですけど。

任天堂「ゲームボーイ」




振り返ってみると、異星人のロボットが指先から光線を出して、ゲームボーイを持った少年を出現させるというこのCMがなんで企画を通ったのか、理由はよく分かりません。多くはなかったローンチタイトルにも、ロボットをテーマにしたゲームはありませんでした。それでも、少年が「テトリス」の対戦モードで異星人(だよね?)をやっつけて消滅させるというのは、早くもゲームボーイが気になっていた私を夢中にさせるには十分でした。

ソニー「ブラビア」:ペンキ打ち上げ編




ブラウン管テレビの時代、ソニーのテレビ「ブラビア」は、憧れの的。そんな優れたハードウェア製品について、どうしても気になったのは、ソニーが制作したCMでした。なかでも忘れられないCMは2つ。1つ目は、使われなくなって取り壊しが決まっている住宅団地で撮影されたもので、解体と整地を前に、建ち並ぶ家々や建物が、昼間の花火のような一大ショーの舞台になるんです。カラフルなペンキが窓から噴き出し、地面から間欠泉のように吹き上がり、公園の遊具に降り注ぐ。いきなり登場したピエロは何をしたかったのか今でもよくわからないけれど、ごくシンプルなアイデアを、巧みな技術力で実際にやり切ったところがスゴい。そう、CGはいっさい使っていないんです。

ソニー「ブラビア」:スーパーボール編




ブラビアで忘れられないCMの2つ目は、廃団地でペンキを打ち上げるよりさらに単純なアイデアなのに、今でも繰り返し見てしまうくらい面白い作品。サンフランシスコの一角にある閑静な住宅街の急坂道に、鮮やかな色のスーパーボール数十万個を投げ放ち、跳ねて転がっていくのを高速度撮影した映像です。私は、この通りに住んでいる人が今でもこのときのスーパーボールをあちこちで発見するんじゃないかと思っていますが、撮影後にソニーの人たちが1つ残らず探し出して回収していったと考えるのも楽しいですね。

Appleの「iPod」とiTunes




「iPod」に付属するシンプルな白いイヤホンは、たちまちステータスシンボルに。当然Appleは、iPodのCMでもそれをフルに活用しました。なかでも印象的だったのは、明るい原色を背景に人のシルエットが踊るバージョンで、ノリのいい曲は、ライセンス料だけでもかなりかかったはず。今でも私は、その曲「アー・ユー・ゴナ・ビー・マイ・ガール」を聴くと必ず、iPodのイヤホンコードが跳ね回っていた映像を思い出します。

任天堂「ゼルダの伝説」シリーズ




私が「ゼルダの伝説」シリーズにハマったのは、ゲームボーイで「ゼルダの伝説 夢をみる島」をプレイしてから。リンクと同様、私も夢の中にいるような気分でした。それまでなんで敬遠していたかというと、それは100%、ファミコン版初代「ゼルダの伝説」のこのCMのせい。ゲーム画面の動画クリップと交互に、タートルネック姿の男性がこのゲームと作中のモンスターの名前を叫びまくる。まるで、地元のお祭りで披露されるしろうと作品レベルなんです(各地のお祭りの主催者さん、ごめんなさい)。どう見ても、任天堂のマーケティングチームとしては大失敗作でしたね。

「ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ」




どこの子どももそうだったと思うけれど、私も映画やテレビ、テレビゲームにやたらと出てくる暴力シーンを見せたくないという親とは衝突しました。ゲーム機で悪い影響は受けないと納得してもらうのはひと苦労だったけれど、そんなところに登場したNintendo 64版初代スマブラのこのCMは最悪でした。おなじみの任天堂キャラクターたちが楽しそうに画面に現れたかと思うと、いきなり殴り合いを始めるんです。忘れられないCMですが、多くの親が子どもにゲーム機を与えない一因にも、きっとなったんじゃないかな…。

ホンダ・アコード―壮大なピタゴラ装置




私自身は、今までクルマ好きを自認したことは一度もなく、クルマの営業マンが来ても、たいていは帰ってもらうしかない。けれど、当時も大好きで、その後も数え切れないくらい繰り返し再生しているのが、ホンダ・アコードのこのCM。発想は単純ながら、考えられないほど複雑きわまる「ピタゴラ装置」のような仕掛けを、ホンダ・アコードの部品だけで作っています。アコードについて具体的には何も語らず、ただ、装置の仕掛けが最後まで動いて、「すごいですよね、モノが動くって?」という決め台詞だけが流れます。ホンダの信頼性が強く印象に残る作りです。

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。

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