“ギャル”と“ぴえん系”、正反対のようで実は似ている?共通点は「好きなものを突き詰める」

日刊SPA!

台頭する「ぴえん」に、ブーム再燃の「ギャル」。内面、外見とも相反するような両者だが、令和のガールズカルチャーの覇権争いはどっちが制すのか? ぴえん系、ギャル、それぞれに支持される専門誌編集長の対談が実現した。メディアとして「ぴえん」や「ギャル」についてそれぞれ発信する3誌が集まれば、全面衝突が勃発かと思いきや、行われたのはまさかの和平交渉だった――?

◆ぴえん系とギャル。それぞれに支持される専門誌編集長

・『LARME』編集長・中郡暖菜氏

地雷系や量産型ファッションについて雑誌メディアとしていち早く発信。ぴえん系から支持を受ける数少ない媒体の一つ

・ギャル誌『egg』元編集長・赤荻 瞳氏

’95年に創刊の伝説的ギャル誌。’14年に一度は休刊となるも、’18年にWeb版として復活。翌年には雑誌も復刊を果たした

・姉ギャル系雑誌『nuts』編集長・片岡まり氏

’04年に創刊。正式名称は『Happienuts』。『egg』同様、休刊を経て、’20年に復活。大人な要素を感じるギャルがテーマ

◆ギャルは“陽キャ”、ぴえんは“陰キャ”

――正直、「ぴえん」は「ギャル」をどう思っていますか?

中郡:ギャルは“陽キャ”ですよね。ぴえんは“陰キャ”が多い。だからこそ、ギャルの明るさや元気さに対して憧れがあるし、一日入れ替わってみたいと思うコは多そう。よく雑誌やYouTubeの企画でも、ギャルのコがぴえん系メイクをしてみたり、ぴえん系のコがギャルメイクをしたりってありますしね。敵対するとかは全然なくて、お互いを認め合っている気がします。実際、LARMEのモデルで、eggモデルやnutsモデルと仲の良いコもいますし。

――そうなんですか!? 反対に、ギャルはぴえんをどう思っているのでしょうか?

赤荻:ぴえんとギャル、「みんなと違うことがしたい」という精神性が似てると思います。

片岡:ぴえん系もギャルも、周りを気にせず、自分の好きなファッションを貫いているところは同じですよね。ギャルの定義づけは人それぞれですが、見た目よりも、マインドがギャルであれば、その人はもうギャルだと思うんです。自分の好きなものを突き詰められる芯を持った人であれば、ギャル。なので、ぴえん系もそういう意味では「ギャル」ですよね。

赤荻:マインドがギャルというのは、前向きでポジティブな精神っていう意味合い以外にも、「自由と個性を愛すること」みたいな意味があると思っていて。平成に比べギャルの見た目は変わっていても、「自分らが一番いけてるよね」っていう精神だけは’90年代から変わらない気がします。

◆ギャルは「夏の間はずっと海」

――外見や根本的な内面の資質が真逆だからこそ、共通する精神性があるのですね。

中郡:ぴえんは肌や髪の色で統一感を出しにくいので、“ぴえんらしい”統一的な服装やアイテムに身を包まないと、「ぴえん系」っぽくなくなってしまう制服的な一面があるのかなと思います。でも、ギャルも肌を焼いていたり、髪が明るかったりすることで、「ギャル」と判断しやすくなるところは異なるというより、むしろ似ているかもしれません。

――明らかに異なって見える外見でさえも、共通する部分が……。ならば、会える場所はさすがに相容れないのではないでしょうか?

赤荻:夏の間はずっと海にいます。これも平成から変わらずですね(笑)。SNSが主戦場となった令和のギャルといえども、とにかく海の家に行けば会えます!

中郡:たしかに夏のギャルは海の家のイメージです(笑)。ぴえん系は頑張って海に行けたとしても、一回で悶絶すると思います。肌を焼きたくないし、暑いのも寒いのも苦手なコが多いので、昼間ではなく深夜に出没しますね。ぴえん系に会いたい場合は、24時以降、ホストの営業が終わった時間帯にトー横で待機かな。

◆ギャルは「楽しい」とき、ぴえんは「病んだ」ときにSNSを投稿

――ギャルは、いつの世も本当に陽キャですね。海の写真ばかり並ぶSNSのアカウントが目に浮かぶようです。

片岡:ギャルはSNS映えを重視しているので、海で撮った写真以外にも、派手な明るい色の彩度高めな投稿はたしかに多いと思います。ストーリー(インスタグラムの24時間で消える投稿)は、「今〇〇してる」みたいに、その場その場で楽しんでいることを適当に更新していますね。

中郡:ぴえん系の場合、特に地雷系ですが、パッと見たときに沈んだSNSだと思います。基本的に室内の投稿が多いですし、屋外に行くよりも、自分の部屋が好き。ストーリーでは病んでる投稿をするコが多いように思います。

◆「尽くしたい」ギャルと「尽くされたい」ぴえん

――どちらもいわゆる“男性ウケ”はしないと言われていますが、タイプの男性像みたいなものはありますか?

片岡:飲み歩いてるような“超”がつくギャルは、イケイケギラギラで、見た目は圧倒的にLDH系が人気ですね。あとはバーをいくつも経営してるとか、肩書がある人も好き。

赤荻:みんなから人気のある目立った人が好きですね。ギャルは目立ちたがり屋なんで!(笑) 誰から見ても、明らかにイケてる男性が好きです。

中郡:ギャルは男性の年齢には意外と寛容そうですよね。

片岡:イケてたら年齢はあんまり関係ないですね。親を超えてなければOKってコは多いんじゃないかな。若い頃は喧嘩が強い人に惹かれていたけど、20歳を超えてきたら「お金を持ってる=イケてる」という価値観に変わっていくギャルが多いように感じます。だから、いくら外見がイケてても、お金持ってないならイケてない男認定されます。

赤荻:お金持ってないなら、飲み会来るなよと思いますね。お金を持っていて、グループのリーダー的存在で、みんなをまとめあげている主人公っぽい人に惹かれるコが多い。

◆マインドは似てても、男の趣味は正反対

――イケメンだとしても、ダメなんですね……。ぴえんはいかがですか?

中郡:まずは友達含めて遊んで、という流れはぴえん系にはなくて、一対一で出会って付き合う流れが多いです。「なんでも願いを叶えてあげるよ!」という人を好きになるコも多い。「靴下だってはかせてあげる!」みたいな。ヒモ系紳士ですね。

赤荻:すごい! ギャルは男性に染まりたいコが多い。見た目も好きな男に合わせるためにギャルを卒業するコもいるし、クラブに毎晩行っていたようなコが「彼氏が嫌がるから」とパタリと行かなくなることも。彼氏に尽くしたいという傾向はあると思いますね。

中郡:一途! 浮気しなさそうですよね! あとギャルは料理とかもちゃんとしてくれそう(笑)。ぴえん系のコはマイペースなので、人に合わせるのが苦手なコが多い。ホストにハマるのも「お金を払ってでも、自分都合に合わせてほしい」というのが理由のひとつだと思います。

ぴえんとギャルは敵対する関係ではなく、この没個性が推奨される時代に、「誰にどう思われても、自分を貫く!」という精神を同じくする「同志」なのかもしれない――。

取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/尾藤能暢

※週刊SPA!8月9日発売号の特集「[ぴえんVSギャル]大解剖」より

―[[ぴえんVSギャル]大解剖]―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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