日本製品もけっこうある。2002年創刊年に米Gizmodoを飾った変てこガジェット13

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Image: Gizmodo

米国で米Gizmodoが生まれて20年。

20年前というとドットコムバブル崩壊でリストラの嵐でしたが、泥から蓮の花が生まれるようにガジェット界では新たなルネサンスが沸き起こっていました。

第2世代iPodがWindowsからの音楽転送に対応し、ゲームの世界ではソニーとMicrosoft(マイクロソフト)がPS2後の覇権をめぐるコンソール戦争に突入。WebではWikipediaとGoogle(グーグル)検索が生まれ、USBフラッシュドライブの登場で小型ポータブル端末にいろいろ保存して持ち歩けるようになって、Bluetoothはまだ普及前夜だったあの頃。

20周年を機に、創刊年に米Gizmodoの誌面をにぎわせたへんてこガジェットを13まとめてみました!

犬語翻訳機「バウリンガル」(タカラ)



2002年、日本のタカラ(現在はタカラトミー)がリリースした「バウリンガル(Bowlingual)」は犬語翻訳マシン。

ワンワンいう鳴き声をフィードすると、動物行動心理学の専門家が考えた解読データベースと照合し、6つの感情に分類しながら適訳を表示してくれます。ま~さか~と思いきや。日本では結構な売れ行きで、1年後には欧米上陸を果たし、ついには猫語バージョン「ミャウリンガル(Meow-lingual)」も出たんですが、惜しまれながら廃盤になりました。

今もメルカリなどで愛犬家の渡っいます。動画を見る限りでは想像以上に当たってるような…。

レアな犬種のAibo「ERS-31L」(SONY)



ソニーはもちろん犬型ロボットAiboです。

1999年に出た初代Aibo ERS-110はかわいいビーグル犬でしたが、数年後にはさらに3つの犬種が出ました。そのうち一番「ん?」となるのがこちら。パグ犬モチーフのAibo ERS-31Lです。

ほかの犬種と同じように、うなったり、飼い主の音声を認識したりできるんですが、目元になんとも言えない物悲しさが漂いますよね。もっともレアかつ微妙な見た目のAibo犬と言えるでしょう。

iMac G4(Apple)

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Image: Karolis Kavolelis / Shutterstock.com

20年後のいま見ても個性的で、冒険できた昔が懐かしくさえあります。

イノベーティブなデザインとフラットなLCDで、歴代Macの最高傑作に数えられるiMac G4。土台と15インチモニターがクロームのカンチレバーでつながってる姿は、Apple復帰前にジョブズが立ち上げたPixarの電気スタンドを思わせます。

捻りの効いたデザインでありながら実用性は損なわれてなくて、かっこいいアームで画面は好きな角度に調整できるし、本体にはポートもたくさんついてて、RAMのアップグレードもめちゃ簡単です(今のAppleに聞かせてやりたい)。土台にはSuperDriveも装備されていて、CDやDVDへのデータの書き込みも自由。

実在したんです。Xybernaut Poma(日立+ザイブナー)

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Image: BE AMAZED / YouTube

Google Glassの前にHitachiあり。

ヘッドマウントディスプレイのウェアラブルデバイス「Xybernaut Poma」はハンズフリーでネットができるすぐれもの。キーボードを二の腕に巻き付けて、ベルトで本体を装着し、ディスプレイを頭に固定するだけで使えます。片目ディスプレイが海賊の眼帯に見えなくもありませんけどね。

Windows CRベースで、Hitachi 129MHz RISCプロセッサ内蔵、RAM32MB。ミニ画面の解像度はわずか800×600ピクセル。

スペックだけ見るとスマホを無用にする未来のデバイスですが、遅くてかさばるし、1,500ドルというのも当時としては高すぎました。今となっては幻の製品。

プロジェクターキーボード(Canesta)



ライトを照らすとフルサイズのキーボードがこつ然と現れて、どこでも打ち込めるプロジェクターキーボードです。

これさえあればもうPDAや携帯電話のちっこい画面に縛られることはない! ということでメディアには注目されたけど問題が多くて、あんまり売れずじまいでした。

光が赤色というもの見づらかったし、押したときのクリック感がないので目が画面じゃなくてキーボードに行ってしまって。今のバーチャルキーボードも目が行っちゃうのは同じだけど、プロジェクターほど画面と距離感ありませんものね。

ハーフ・キーボード(Matias)

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Image: Amazon

指よりキーが多い問題をなんとかしようと、Matias社がつくったのがハーフ・キーボード。半分にぶった斬ったキーボードで、残りの半分はスペースキーを長押しすると現れます。

これなら片手がふさがってるときも大丈夫。書類をペラペラめくりながら、空いてるほうの手で誤字脱字を直したりできますし、キーボードとマウスの間を行ったり来たりする必要もありません。片手が不自由な人にはうれしいデバイスですけど、「片手でPDA操作しながらでもキーが打てる」というのは今から思うと目まいが。片手用キーボードは今もありますが、ゲーマー向けになってますよね。

当時の記事には「1分最大64ワード入力が可能とのこと。主にPDAユーザー向けだが、どれだけ入力が簡単でも見た目でひるんでしまうので手にとってもらうのはたいへんそうだ」とあります。

早すぎたビデオ通話マシン「Beamer」(Vialta)

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Image: Amazon

ビデオ通話の普及を加速するため、Vialtaが開発したのが「Beamer」。

固定電話と電話線の間に設営すると、あら不思議。音声通話がビデオ通話に様変わりします。追加料金もアカウント作成も不要。お値段300ドルは今の水準だと割高に感じるけど、当時のほかの通信オプションに比べたらずっと良心的でした。

電話の向こうの人が見えるなんて2002年当時は魔法のような話だったけど、NY Timesのレビューを読むと結構辛口で、音と像にラグがあって、映像もカクカクだったと書かれています。うまいたとえだな、と思ったところを抜粋しておきますね。

通話がはじまると、ビデオ通話がまだユビキタスになっていない大きな理由がすぐわかる。普通の電話回線は”大容量”じゃないので、音声だけならともかく、それ以上の重いデータは送れないのだ。映像と音声を全部こんな細いパイプに詰め込もうとするのは、トースターで七面鳥を焼くようなものだろう。


静脈認証マウス(富士通)

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Image: Fujitsu

USB指紋スキャナが登場したのは2000年代初期ですが、もっと別の認証方法を模索する富士通が目をつけたのが血管です。

パームレストの静脈スキャナで血管の複雑なパターンを読み取って個人を識別する技術を開発し、内蔵PCで決済認証などへの活用を目指していました。

静脈認証というと少し不気味に感じる人もいるかもだけど、実際に血管のパターンでの識別は可能で、実験ではテスター700人すべての血管マッチングに成功し、エラー発生率0.5%以下達成も夢ではないというお話でしたが、こちらのマウスはお蔵入りになってしまいました。2002年当時の記事はこちらで読めます。

なお、手のひら静脈認証のテクノロジー自体は「PalmSecure」という名前で今も存続しています。詳細は富士通で

時に忘れ去られた未来のCD「DataPlay」(DataPlay)



2000年初頭のCD後継争いのあだ花。

CDをちっちゃくしたDataPlayは直径わずか32mmで「CDの穴ほども小さい」(NYT)サイズ。PCで開くと楽曲はもちろん、アーティストのインタビューやMVまで視聴できるのがCDにはない強みです。

2001年CESベスト・オブ・ショーを受賞し、翌2002年リリースとなり、堅牢なデジタル著作権管理システムでアーティストやレコーディングスタジオをたちまち味方につけ、序盤ではブリットニー・スピアーズのアルバム「Britney」をはじめ、 NSYNC 、Pink、Usher、OutKast、Sarah McLachlan、Brooks & Dunnの楽曲がDataPlayディスクで発売になりましたが、けっきょくは戦いに敗れて忘れ去られていきます。

価格が高すぎたこと、プレイヤーを新しく買わないと再生できなかったこと、コンテンツロックの手法が当時あまり広く受け入れられていなかったことが原因です。リリースされたときには、もうデジタルメディアが盛り上がりを見せていたことも痛かった…。

Gizmodoの記事も厳しい見通しに終始していますよ。

「CDより高くて、コピーしづらくて、サウンドはCDと似たり寄ったりで、再生には新しいプレイヤーが必要で、しかも対応プレイヤーがまだ「iRiver IDP-100 」(写真右)1種類しかない。こりゃヒット間違いなしだね。

カメラ携帯「Veo Photo Traveler」(Veo)

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Image: Veo

カメラ携帯が日韓から米国に広まる前は、こんなのをPDAに差し込んでカメラ化してました。

これは2002年に米Gizmodoが紹介したVeo Photo Traveler(99ドル)。「ポケットPCがデジカメに早変わり」する製品です。SDIOポートで接続し、Palm OS 4-5.0対応。640x480、24ビットのカラー写真を撮ることができ、「PDA用カメラとしてはかなりいい」と米Gizmodoには評されています。

生涯サブスクTiVo(TiVo)

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Image: J silvia tech/Wikimedia

「Netflix月額2ドル値上げ」と聞くと、あ~あ、まるまる買って月払いにサヨナラしたい…と思ったりしますが、ちょっと前まではそれが可能でした。

TiVoなんて2002年には「生涯サブスクリプション」でしたもん。生涯といってもボックスが壊れるまでって意味であって、視聴者が死ぬまでって意味じゃないですけどね。299ドル先に払えば、もう1セントも払わなくても、TiVoが壊れて動かなくなるまで見放題できたのです。

それが2003年3月には50ドル値上げになってしまいました。一括を高くすれば、みんな月払いに流れてくれるから。その流れで米Gizmodoも「無料で配って月々29ドルの3年契約プランにすればもっと売れるだろう」と書いたりしてましたが、結局はストリーミングが全盛になってDVRは過渡期のサービスで終わってしまいました。

2002年のスマウォ「Fossil Wrist PDA」(Fossil)

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Fossil Wrist PDA最終バージョン
Photo: Danski14/Wikimedia (Fair Use)

Fossilが2000年代初期に出したスマートウォッチ、です。対応OSはPocket PC 2000/2002とPalm OSの2通りで、007映画から抜け出たみたいなレトロ感があります。PDA(Personal Digital Assistant)がスマホ代わりだった当時は、こういうのを手首に巻き付けて、連絡先やメモ、基本アプリを呼び出していたのですね~はい~。

米Gizmodoのログを見ると、レアな初期バージョン「Fossil Wrist PDA-PC FX2002」の短い紹介記事があって、Geek.comのポジティブなレビューにリンクがはられてます。こんなに巨大で、こんなに画面が小さいのに、反応はおおむね良好だったのです。ただFossilは市販化で苦労し、やっと発売になったときには反応が冷め切っていました。わずか数年でディスコンに…。

Palm OSタブレット「Dana」(AlphaSmart)

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Image: Amazon

世紀の変わり目にMicrosoft(マイクロソフト)が発表した「Tablet PC」。ご記憶の方もいるのでは?

Windows XP TabletというOSを搭載したPCですね。今のタブレットみたいにペン操作が可能で、一部の機種は着脱式キーボード。2in1の走りとも言うべきものでした。

これに対抗して独自路線を目指す教育用PCメーカーのAlphaSmartが出したのが、Palm OS対応ノートPC「Dana」です。 560×160ピクセル・モノクロ・2 ×7.5インチの画面に、フルサイズのキーボード。手ごろな399ドルで学校用PCにぴったりでしたが、Windowsに比べるとPalm OSは制約が多くて、独特なスペックの画面で正常に機能しないアプリもありました。

それでも米Gizmodoの過去ログにはこうポジティブに書かれていて、ポータブルはPalmという時代があったんだなあ…と。

画面を少しちっちゃくして、ラップトップみたいに上部に置くっていうのはどうだろう? Palmなら独自のポータブルコンピュータの製品ラインナップもあるし、これでTablet PCに対抗できるのではないだろうか。それならTablet PCよりずっと安くできるし、Palm OSを使い慣れてる層を簡単に訴求できるはずだ。

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。