それとなく手の甲で?よろけたテイで?大胆すぎる手口も…義父の「セクハラ」に逆襲した結果

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本人がこの上なく不快で、自身の尊厳が傷つけられたと感じたら、やはりそれはセクハラなのだ。ある女性は、「前から気になることがあったんです」として義父の行動を振り返り語ってくれた。
セクハラはどこにでも転がっている。たとえ相手に「そういう意図」がなくても、された本人がこの上なく不快で、自身の尊厳が傷つけられたと感じたら、やはりそれはセクハラなのだ。ハラスメントは、人権や人の尊厳に関わる問題でもある。

それとなく触れてくる義父

結婚して5年たち、3歳の娘を共働きで育てているナルミさん(37歳)。夫の実家には両親が姉一家と住んでいるため、結婚以来、あまり行く機会はなかった。だが、子どもが生まれてからはときおり孫の顔を見せにいくようになった。

「義姉のところは男の子がふたりなんです。だから娘が産まれたとき、義父母は大喜び。1歳を過ぎたころから、『やっぱり女の子はいいわね、かわいいわね』と義母が目を細めるので、たまには連れて行こうという気持ちになりました」

共働きで忙しいが、夫が家事万端できる人なので、ふたりで協力しあって月に1度は義父母の家に行っている。

「ただ、前から気になることがあったんです。義父母の家は二世帯住宅で、義姉一家は二階に住んでいます。私たちが行っても、義姉は用がないと降りてこない。『私がいるとナルミさんが気を遣うでしょ』と言ってくれて。それでも食事のときは上からみんな降りてきてにぎやかになるんですが」

義父母しかいないとき、そして義母がちょっと席をはずしたとき、さらにナルミさんの夫が見ていないときなど、義父がナルミさんのそばを通るふりをしてお尻を触るのだ。それとなく、手の甲で。

「最初はたまたま当たっただけだと思っていました。その後も偶然だろうとか私の勘違いだろうとか、いいほうに解釈していたんです。ただあるとき、義父がよろけたふりをして私に抱きついた。しかも手で胸をしっかり揉んだんですよ。本当によろけたのなら、そこまでの余裕はないはず。おかしいなと思いました」

つまずいたふりをして、足首を握られたこともある。本当につまずいたわけではないとすぐにわかった。

逆襲やむなしの事態に……

夫にも話してみたが、「勘違いだろ」と言われる始末。自分の父親にセクハラ疑惑がかけられたことを不快に思っている雰囲気だった。

「1年ほど前、義父が暴走したんですよ。義母がトイレに行き、夫が娘を連れてコンビニに行ってしまったとき、義父が『指にトゲがささっている。ナルミさん、見てくれない?』と言い出して。私はポケットに携帯を忍ばせていたので録音を押しました。義父がすぐ側に座って指を出してきたので見ようとしたら、いきなり押し倒された。

『お義父さん、何するの、やめてください』『ナルミさんが好きなんだ』というやりとりが、しっかり録音されていました。そのときは義父を突き飛ばし、帰宅した夫にその録音を聞かせたんです」

夫は激怒し、家族の前で父親を罵倒した。やっと夫がわかってくれたのはホッとしたが、そこまで怒らなくても、とさえ思うくらい夫は怒りまくっていたという。

「あとから夫に謝られました。本気にしなくてごめん、と。夫はいつか父親が娘にも変な目を向けるのではないかと不安にかられたそうです」

その後は義実家に行く頻度も減ったが、それでもお正月には久しぶりに行くことにした。義父は最初はおとなしくしていたが、お酒が入ると『ナルミさんはいい女だよな』と言いだし、夫と義母に叱られた。

「まあでも、その程度ですめば問題なかったんです。でも深夜、私がひとりでお風呂に入っていると、なんだか外で音がする。シャワーを全開にしておいて、ドアをパッと開けたら義父が覗いていたんです。ドアが義父のおでこに当たって流血騒ぎになりましたが、覗くほうが悪い。

なのに義父は『ナルミさんがオレを誘惑した』と言い張るんですよ。夫がまたも激怒してくれたんですが、事情を知らない義姉夫婦は、一瞬、義父の言い分を信じて『確かにナルミさんは男を簡単に誘惑しそうだもんね』と。傷つきました」

この家にいると、自分の尊厳が傷つけられる。ナルミさんはそう感じ、「悪いけど帰る」と夫に言った。オレも帰ると夫は言ってくれ、寝ている娘を抱き上げて3人で車に乗って帰宅した。

以来1年以上、ナルミさんも夫も、夫の実家には近づいていない。

「義父も男性ですから、よそから来た女性が珍しいのかもしれません。だけどやっていいことといけないことの区別はつくでしょ。しかも息子に何度も怒られているのに。恥ずべきことをしているのに私のほうが傷ついてしまうのは理不尽。夫がわかってくれるのが救いですが、これで夫に知らん顔されたら耐えられないと思います」

夫は義姉との関係も絶っている。それでも夫にとっては実の両親であり、実の姉だ。いつかはまたつきあわざるを得なくなるだろう。

「息子と結婚した女性は、息子の妻です。義父とは無関係の人間に、女だから触ってしまうというのは人としてどうかと思います」

このまま義実家とは縁を切りたい。ナルミさんは切実にそう感じているという。

◆ 亀山 早苗プロフィール
フリーライター。明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(恋愛ガイド))

当記事はAll Aboutの提供記事です。