【ちむどんどん】ニーチェを持ち出す脚本に危惧される「暢子の復讐」とは!

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 なぜいきなりニーチェなのか。その裏には暢子を待ち受ける残酷な運命が見え隠れしているのかもしれない。

7月1日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第60回では、酔っぱらったヒロインの比嘉暢子(黒島結菜)がウザ絡みする姿が描かれた。

東京・銀座のイタリア料理店「アッラ・フォンターナ」にて、料理人として7年目を迎えた暢子。上京生活も長くなり、24歳となっていたが、どうやら未だに一度も恋をしたことがない様子だ。

ところが、さほど意識していなかった友人で東洋新聞記者の青柳和彦(宮沢氷魚)がいよいよ恋人の大野愛(飯豊まりえ)と結婚すると知り、急に心がわじわじしてきた暢子。それは和彦も同じようで、どうやら二人は密かに惹かれ合っているようだ。

「店で酔いつぶれた兄の賢秀(竜星涼)を引き取るよう、オーナーの大城房子(原田美枝子)から呼び出され、夜中にフォンターナへと戻った暢子。そこで彼女はオーナーから『私に付き合いなさい』と古酒(クース)を勧められ、いつの間にか酔っぱらいモードへと突入していました。普段は太陽のように明るい暢子ですが、この場面では実は絡み酒タイプだったことが判明。いつのまにやら和彦に対する複雑な気持ちを口にしていたのです」(テレビ誌ライター)

大城オーナーは暢子の大叔母。かつて甥の賢三(大森南朋)が沖縄に戻ってしまい、いつの間にか優子(仲間由紀恵)と結婚していた経緯があることから、賢三の娘である暢子の恋愛には何かとアドバイスしたい様子だ。

 オーナーに勧められた古酒をくいくいとあおる暢子。ウチナンチューの魂がアルコールで刺激されたのか。(C)NHK

オーナーに勧められた古酒をくいくいとあおる暢子。ウチナンチューの魂がアルコールで刺激されたのか。(C)NHK

酔っぱらった暢子は「なんで今のままでいられないんですか?」と、和彦や愛の名前は伏せながら、自らの悩みを吐露。「みんな結婚とか考えないで、何もかも全部いまのままでいいじゃないですか!?」との思いをぶちまけていた。しかもオーナーに「質問に答えて!」と命令口調で迫る始末だ。

そんな暢子にオーナーは「愛が恐れているのは愛の破滅よりも愛の変化である」という、哲学者ニーチェの格言を授けることに。この名言だが、多くの視聴者には大野愛の「愛」が主語だと勘違いされてしまい、オーナーの真意が伝わりづらかったのはご愛敬か。

「正直なところ、どれだけの視聴者に『ニーチェの格言』が刺さるのかは微妙なところ。脚本を手掛ける羽原大介氏は57歳で、その年代以上じゃないとニーチェという名前にはピンとこないかもしれません。ちなみに大城オーナーはニーチェを愛読しているという設定で、オフィスにある白電話の横には名著『ツァラトゥストラはこう言った』が置かれているのです」(前出・テレビ誌ライター)

 白電話の横にある青い本が「ツァラトゥストラはこう言った」。書名が「~かく語りき」ではないことから、岩波版だと思われる。(C)NHK

白電話の横にある青い本が「ツァラトゥストラはこう言った」。書名が「~かく語りき」ではないことから、岩波版だと思われる。(C)NHK

令和4年の朝ドラマでニーチェを持ち出すおじさん思考には恐れ入るばかりだが、ニーチェのことを一切知らない視聴者には意外なことに「恐れているのは愛の破滅よりも愛の変化」という言葉が刺さっていたようだ。

その格言に従えば、暢子は恋愛に無関心だった自分の気持ちが変わっていくことを恐れているはず。和彦は大野愛に向けていた愛情が暢子へと移り変わっていくことを恐れ、大野愛は和彦への愛情が薄まっていく変化を恐れているのかもしれない。

三者三様に変化していく愛の形。さらには昔から暢子のことが好きだった幼馴染の砂川智(前田公輝)まで絡んでくるのだから、次週以降の展開は視聴者にも予想のつかないところだろう。さらには、急に飛び出してきた「ニーチェ」が今後の展開に影響を及ぼす可能性もあるというのだ。

「ニーチェが遺した恋愛に関する格言では『復讐と恋愛においては、女は男よりも野蛮である』という言葉も知られています。ニーチェ好きの大城オーナーなら“愛の変化”のあとには“女の野蛮”が待ち受けていることも予想しているはず。はたして野蛮に振る舞うのは暢子か、それとも大野愛なのか。次週、どんなドロドロな愛憎劇が繰り広げられるのか、無責任ですが楽しみでなりません」(前出・テレビ誌ライター)

第12週ではそれまでと打って変わって、暢子を巡る恋愛模様が繰り広げられた「ちむどんどん」。一部の視聴者からは不満の声もあがっているが、<やっと朝ドラらしくなってきた>との期待も高まっているようだ。

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