竹内涼真が語る『六本木クラス』への思い「プレッシャーよりも楽しさが勝っている」

日刊SPA!

 日本でも一大ブームを巻き起こした韓国の大ヒットドラマ『梨泰院クラス』が、舞台を日本の六本木に移し、『六本木クラス』(テレビ朝日系列、7月スタート)としてリメイクされる。主演は実力派として数々の話題作に出演してきた竹内涼真。新たに担う大役への意気込みと心境を聞いた。

◆強い信念で六本木クラスを「新」たに演じきる

──原作『梨泰院クラス』にはどんな感想を抱きましたか?

竹内:率直に面白かったですし、感動しました。ドラマ好きの間では『梨泰院クラス』の話題で持ちきりでしたし、僕もそうでした。

Netflixで配信が始まったときは別の作品の撮影中だったので、クランクアップ後すぐに見ましたが、何と言っても、親子の絆が強く描かれた復讐劇であり、一本のストーリーのなかに、たくさんの人の人生が絡み合って群像劇として調和しているのがすごい。

登場人物それぞれに主役的な要素があって、誰かしらに感情移入できる素晴らしい作品だと感じました。

◆大作リメイクは重圧より、楽しさのほうが大きい

──その大ヒット作のリメイクに挑むにあたって、一番に心がけたことは何ですか?

竹内:原作者であるチョ・グァンジンさんの作るストーリーが魅力的なんです。だから、ストーリーを変えたり、原作から大きく逸脱することはないと思います。

日本を舞台に、日本人キャストが演じたらどうなるのか? 素晴らしい原作をもう一度読み直し、僕たちでイチから取り組んだ作品を、視聴者の方に楽しんでもらいたい──それだけを考えて今は挑戦しています。

──『六本木クラス』の制作が発表されると、SNSではものすごい反響がありましたね。

竹内:知り合いからたくさんの連絡がありました。放送前から話題にしていただけるのは、うれしいです。でも、作品に臨む前はSNSなどの反応はあまり耳に入れないようにしているんです。皆さんの声を聞いてしまうと、気持ちが揺らいだり新のことをどこか客観視してしまいそうな気がするんです。

◆「なぜ自分なんだろう?」とも思ったが…

──不安やプレッシャーを感じたことはありませんでしたか?

竹内:もちろんありました。最初に主演のお話をいただいたときは驚きましたし、「こんなに早くリメイクするんだ」「なぜ自分なんだろう?」といろいろ考えました。でも、こんなに大きなチャンスを目の前にして、「やりたい!」という思いのほうが強かったんです。

クランクインした今は、プレッシャーよりも撮影の楽しさがはるかに勝っています。共演者やスタッフさんを含め、本当にすごくいいチームなんです。しかも、六本木のど真ん中で朝から夜までずっと撮影なんて、なかなかありませんからね。これまで見ることができなかった光景もたくさんお見せできるはずです。

◆役作りで「難しかった作業」

──パク・ソジュンさんが演じたパク・セロイの日本版キャラクター・宮部新役は、どのような役作りをしましたか?

竹内:セロイには「信念と気合の男」という印象を持ちました。でも僕が演じる新は、そんなに強い人間ではないかなと。弱さも正直にさらけ出せてしまう人間性が、人を惹きつけるんだと思います。強い男に見えるのは、逆境とか困難に自ら飛び込んでいく勇気があるからだと思います。

しかも、新は自分とは関係ないことも「それは間違っている!」と正そうとしてしまう。その理由を深く考えると、僕は母親の存在が大きいからではないかって感じたんです。

──ドラマでは父親との強い絆は描かれますが、母親は登場しませんよね。

竹内:そうなんです。幼い頃にすでに母親を亡くしている設定ですし、父親と語り合うシーンで「きっと天国のお母さんも『間違っていない』と言うはずだ」というセリフがあるだけです。でも、僕はこのセリフがキーになると思ったんです。

例えば、新は小さい頃、何かについて見て見ぬふりをしたことがあって、母親に叱られたことがあったのではないか。「あのとき、行動していればよかった……」と心の奥底で悔やんでいるのかもしれないし、それが信念になって、自分に嘘がつけないのではないかって。

実際に母親の存在ってすごく大きかったりするじゃないですか。だから、役作りのうえでは劇中には出てこない母親の存在もすごく大事にしています。もちろん父親の存在も重要です。今まで両親とどんな関係を築いてきたのか? ずっと2人で暮らしてきた父親を突然失うってどんなに苦しいことなのか? と掘り下げて考えました。

僕は両親が健在なので、親を亡くす感情を想像するのは難しい作業でした。その他にも、どうして新はコミュニケーションを取るのが下手なのか? 感情表現が苦手なのはなぜか? 本当は怖いのではないか? そのように僕の中でしっかり落とし込んでから、役に挑んでいます。

◆「新」は愛に飢えているけど、“人たらし”でもある

──新というキャラクターの魅力とは?

竹内:頑固で不器用なんですけど、実は人たらしなんですよね。一発目から六本木に店を出す人ってなかなかいないと思います(笑)。でも、新は長屋をつぶして復讐したいから、あえて長屋の本拠地がある六本木に「二代目みやべ」という店を構えます。そんな不安定な居酒屋に、なぜか仲間が集まる。

それは彼が人たらしだからと思うんです。人一倍愛情に飢えていたからこそ仲間を大切にして、一緒に夢を追いかけてくれる人たちを無意識に求めている気がするんです。そして、頑固ではあるけど、年下のマネージャー・麻宮葵(平手友梨奈)たちの若いアイデアを受け入れることもできる。

新は仲間を引っ張っていくのではなく、自分が強く生きるために仲間を必要としている気がしていて。そして、彼らも新のことを必要としている。なぜか、この人と一緒にいたいと思われる人望が新にはあるんですよ。不器用だけど、新は人に愛されたい人間なんだと思います。少なくとも、そういう魅力的な男だと思って演じています。

◆困難は壁ではなく、成功のために必要なもの

──竹内さんは以前、「仮面ライダー役をつかむ」「大好きな医療ドラマに出演する」「国民的な俳優になる」と宣言して、どれも実現しました。信念を持って有言実行する姿は新と重なる気がします。

竹内:僕はそんなに強い人間ではないですよ(笑)。でも、強くありたいとは思っています。自分の夢をつかむため、少しでも目標に近づくために苦しいと分かっていても飛び込むようにしています。そこは新と似ているかもしれません。

──新は長屋という絶対的な権力者、強大な敵と対峙します。竹内さん自身は大きな壁に立ち向かった経験はありますか?

竹内:何だろうな……。自分にとって何が大きな壁だったかは、意外と結果論なのかもしれません。

高校時代は東京ヴェルディユースに所属してプロサッカー選手を目指していたんです。スポーツに例えるなら、同じ練習メニューでも「目の前の厳しい練習をどうこなすのか?」と考えている選手と、「日本代表になって世界のトップランナーたちに並びたい」と目標を持っている選手だったら、2、3年後には絶対に差が開いているじゃないですか。

それと一緒で、俳優としても毎日の撮影だけではなく、その準備過程も含めて、どれだけ真摯に向き合えたかが大事だと思うんです。

◆いつどんな役にも対応できる状況であり続けたい

──現在29歳ですが、俳優として、30代を見据えて考えていることはありますか?

竹内:20代最後のタイミングで、素敵な役柄とチャンスが来たと感じています。でも、その先を見据えるという考え方はしたくなくて。今やるべきことに全力で取り組んでいれば、30歳になって、そのときの自分に適した役と巡り合えるはずだと思っています。そのためにも、いつどんな役にも対応できる状況であり続けたいですね。

真っすぐな瞳には、リメイクへの挑戦を通じ、一段と飛躍する覚悟が映し出されていた。今作は間違いなく、俳優・竹内涼真のターニングポイントになるはずだ。

【Ryoma Takeuchi】

1993年4月26日、東京都生まれ、185㎝。2013年、ドラマ『車家の人々』(フジテレビ)にてデビュー。『仮面ライダードライブ』を経て数々の作品に主演し、実力派俳優として地位を築く。最新主演映画『アキラとあきら』が8月26日に公開予定

取材・文/中野龍 構成/安英玉(本誌) 撮影/A-jun.Kim

―[インタビュー連載『エッジな人々』]―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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