ボーナスは「全額貯金していれば安心」に潜むリスク。お金を“守る”ためには?

日刊SPA!

―[ライオン兄さん連載コラム「米国株FIREの流儀」]―

株式会社バイアンドホールド 代表取締役社長の山口貴大と申します。YouTubeやSNSでは「ライオン兄さん」名義でお金にまつわる情報を発信しておりますので、すでに私のことをご存知の方は、そちらのほうが馴染みがあるかもしれません。

大企業の今年の夏ボーナスは、約13.8%増ということで、1981年以来の伸びとなりました。しかしながらボーナスが増えたからと言って、それだけで本当に経済的に豊かになれるのでしょうか?

今回は“ボーナスの使い道”について、インターネット上で全国の25歳以上60歳以下の男女3000人に対してアンケート調査を行ってみました(2022年5月26日調査)。

◆ボーナスの使い道は「貯金」が1位だが…

結果は、ボーナスの使途は銀行預金が5割近くで最も多く、資産運用は13.86%にとどまりました。資産運用は、年代別で30代が最も多く17%、少ないのは60代で9%でした。資産の投資先は、投資信託が最も多く45%。米国株は1割強にとどまりました。

ボーナスの使い道は、ぶっちぎりの1位が「貯金(預金)」という結果になりましたが、じつは、そのまま貯金しているだけでは実質的にお金が減っていくリスクもあるのです。 いったい、どういうことなのでしょうか。この理由について考えていきたいと思います。

また、最後にはFIRE達成者に限定したアンケート結果をお伝えしますのでぜひ参考にしてみてください。

◆「貯める」だけならば金融リテラシーは不要

お金を扱うには「稼ぐ力」「使う力」「貯める力」「増やす力」「守る力」の5つの能力が求められます。この5つの能力のうち、最も金融リテラシーが不要なのが「貯める」というアクションです。

お金を「使う」というアクションは、消費・浪費・投資の3つがあります。 消費は致し方ない出費で、浪費は無駄遣いです。そして投資は、お金を使ってお金を増やす行為です。

例えば経営者は広告やPRにお金を使うと一時的にお金は減りますが、中長期では回収できてリターンを得られます。経営者でなくても自己投資をして、お金を増やすことは可能です。

しかし当然、お金を使ってお金を増やすのは難易度が高く、失敗するリスクもあります。そして、人はお金が減ることに異常なほど恐怖を感じます。よって、金融投資は怖そうだし、お金を使って増やすのは難しそうなので、無難に貯金しようという結果になったと考えられます。

次にお金を「増やす力」「守る力」について考えていきます。お金を増やす力は「資産運用」のことを指します。アンケートからもボーナスを資産運用に回すと答えた人は少なかったのですが、これだけ円安で株価も軟調なタイミングで投資するのが良いのか?と不安になる方も少なくはないと思います。

私は円安株安の今のタイミングでも「米国株に投資すべき!」と考えています。理由は今のように円安が進行していては、日本円で貯金しても資産価値が目減りしてしまう状態です。せっかくの貯金が無駄になってしまいます。

そこでお金を「守る力」が必要になってきます。

◆お金を「守る力」とは?

お金を守る力は金融リテラシーです。例えば1億円を貯金したとしても為替が1ドル=200円になっては、その価値は1ドル=100円の時の半分になります。貯金していたら価格変動リスクがないというのは勘違いです。

為替レートは毎分毎秒変動していますので、円だけではなく、ドルや金、暗号資産などリスクが違う金融資産に分散してポートフォリオを組み、お金を守る必要があります。そのためには金融リテラシーと経験が求められます。

さて、今のような円安のときに米国株に投資するメリットはあるのか?という点ですが、 基本的に未来の為替レートは予測できません。よって「為替レートは気にせず、株式に投資する!」が正解だと私は考えています。

例えば10年前にS&P500が1400ポイントの時に、100万円を投資していたとします。 そのときに円安で為替レートが1ドル=130円だったとしましょう。そこから現在、S&P500の株価は3666ポイント(2022年6月16日時点)で、約2.6倍まで上昇しています。

株式を売却して、為替レートが1ドル=100円だったとしましょう。つまり、買うときは円安で売るときは円高で為替レートではロスを出している状態です。1ドル=130円なので、100万円をドルに両替すると7692ドルです。

このドルでS&P500に投資をします。10年後の現在、S&P500は約2.6倍になっています。 つまり資産評価額が約20,000ドルになっています。この株式を売却して1ドル=100円換算で円に戻すと、 約2,000,000円になります(※税金、為替手数料は考慮していません)。

この結果から分かるように、為替でロスをしても株式が数倍になっていれば、問題ないということです。

◆「全額貯金」にはリスクあり!

円建てのS&P500とドル建てのS&P500はパフォーマンスに差がありますが、どちらも米国株の成長の恩恵は受けられます。ただし、今後も過去と同じリターンになるかは分からないので、そこは各自でご判断ください。

よって円安の“今”のタイミングでも米国株に投資するべき! と私は考えます。今のタイミングで短期的な高値を掴んだとしても、今の高値は10年後の安値になっている可能性が高いと考えます。10年後に数倍になっていれば為替リスクは問題ありません。

むしろ円だけで資産を保有している方が大問題。ボーナスの使い道として「全額貯金」は危険であると我々は認識すべきです。円安になっているのは日米の金利差が主な要因ですが、人口減少、GDPの減少による国力の低下でもあります。

長期で経済成長が望めない日本円に全額貯金はせずに、金融資産を分散してポートフォリオを組むリテラシーが求められます。

◆FIRE達成者たちの会社員時代のボーナスの使い道

最後に私の経営するFinancial Free College(FFC)でFIREを達成した生徒に現役(会社員)時代のボーナスの使途について聞いたアンケート結果を紹介したいと思います。

その結果は最も多い回答が資産運用で、83%、そのうち、米国株が6割強となりました。FIREを達成するには資産運用をする必要があるので納得の結果です。

その他の使途もご紹介いたします。書籍や講座を受講するための自己投資、家具など必要なものを買い替える、旅行・レジャーなどの体験に使う、親孝行に使う……などの回答が得られました。FIRE達成者はリタイア後に資産収入だけでなく、ネットビジネスなどからの副業収入を得ることを考えて、稼ぐためのスキルに自己投資する傾向が見られました。また消費するよりも「体験」にお金を使う傾向があると分かりました。

ボーナスを受給するこの機会に、ご自身のお金の使い道やポートフォリオを見直してみてはいかがでしょうか。

<文/山口貴大(ライオン兄さん)>

―[ライオン兄さん連載コラム「米国株FIREの流儀」]―

【山口貴大(ライオン兄さん)】

金融・起業のマネースクール『Financial Free College』代表。SNSでは「ライオン兄さん」名義で活動。ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン勤務をするが独立。金融・起業の書籍をむさぼり読みつつ、サービス業関連会社を興し、2018年に売却、その売却益を米国株を中心に運用し、経済的自由を獲得した。同スクールは、「投資家が推奨するお金のスクール」、「未経験から学べるお金のスクール」、「結果が見込めるお金のスクール」の3冠を取得(日本マーケティングリサーチ機構調べ)。2021年10月4日(証券投資の日)に「資産運用をしよう」という言葉をTik Tokで世界一広めてギネス認定される。YouTubeチャンネル「ライオン兄さんの米国株FIREが最強」を運営。著書に『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(KADOKAWA)がある。

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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