老害化は48歳までに決まる!? 年齢とともに怒りっぽくなる「3つの要因」

日刊SPA!

 高齢者の傍若無人ぶりが注目を集めている。総人口の3割が65歳以上となった現代ニッポンにおいて、老害への対処は必要なスキルだ。6月28日発売の週刊SPA!では「超老害社会サバイバル術」を特集しているが、その中で、われわれが気になることといえば、厄介な存在となる「老害」を生み出すメカニズム。そこには年齢とともに、3つの要因が関係しているという。

◆人はなぜ老害化するのか?

昭和・平成・令和と激動の時代を生き抜き、豊富な人生経験と知恵を持つはずの高齢者。本来なら敬われるべき彼らはなぜ老害化するのか。

「人間の知能を司る『前頭前野』が加齢によって萎縮すると、感情抑制機能や判断力の低下、性格の先鋭化が起きます。そして、厄介なことに加齢によって真っ先に機能が低下するのが前頭前野なんです」

そう語るのは、脳科学者の澤口俊之氏だ。脳科学の世界では前頭前野が司る知能を「結晶性知能」と「流動性知能」に分けて考えるという。

経験や知識の蓄積である「結晶性知能」は年を重ねることで高まるが、状況に応じた柔軟な思考力や“地頭の良さ”を示す「流動性知能」は25歳ごろにピークを迎え、加齢とともに低下し続ける一方。さらに65歳前後から低下が加速するという。

「加齢で進む流動性知能の低下を、結晶性知能で補えている人は、年を取っても老害化しません。裏を返せば、老害化する人は結晶性知能が低いということ。老害化は、結晶性知能を高める時期である中年期の過ごし方に大きな分岐点があるのです」

◆老害化するか否かは47~48歳で決まる!?

“中年の危機”というワードを聞いたことがある人も多いだろう。40~50代で「自分の人生はこれで良いのだろうか」などと考え、人生の幸福度・満足度・やる気に低下が見られる時期を指す言葉だ。

「この時期を漫然と過ごすことで知的好奇心を失ったり、仕事への前向きさを失うと、結晶性知能の上積みができないまま高齢期に突入してしまうわけです。すると前頭前野の萎縮による流動性知能の低下を結晶性知能で補えなくなり、老害化していきます」

脳科学では、47~48歳で幸福度・満足度・やる気の底が来るといわれている。加齢による脳の老化は不可抗力だが、老害化するか否かはこの時期の過ごし方にこそ分岐点があったのだ。

◆高齢者が怒りっぽくなる3つの要因

一方、日本におけるアンガーマネジメントの第一人者である安藤俊介氏は、高齢者が怒りっぽくなる要因を3つのキーワードで分析する。

「1つ目は“執着”。そもそも、怒りとは防衛感情と呼ばれ、自分の身や大切なものを外敵から守るためにアドレナリンを出し、臨戦態勢に入るために存在する感情です。立場、こだわり、プライド、成功体験……過去への執着が強くなりがちな高齢者はいろんなものを守らなければなりませんから、そのぶん怒りっぽくなるというわけです。

そして、2つ目は“孤独感”。定年後に職場での肩書や役割を失い、周囲から受け入れてもらえなくなった孤独感が強い人ほど、構ってほしさゆえに関わらなくていいことにも関わる。見ず知らずの人にも怒る高齢者や、コロナ禍の“自粛警察”は、正義という大義名分の下に孤独感を紛らしている行動の一例と言えるでしょう」

年齢を重ねれば、役職や肩書、若さによって得られていた“自分を認めてもらう”機会が必然的に少なくなる。そんな孤独感が老害化に拍車をかけるのだ。

◆高齢者の怒声は“不要論”への咆哮か

「そして3つ目が“自己顕示欲”。2つ目の孤独感と表裏一体ですが、『まだ自分はやれる』『もっと自分は認められていい』という感情があることで自分の存在が小さく見られることを許せず、怒声で自分を誇示したり、横柄な態度を取ったりしてしまうのです」

自他ともに今の自分を認められていれば、小さなプライドに執着することも、虚勢を張って怒鳴る必要もない。高齢者の怒声は、これまで担ってきた社会的役割を失ったことで戸惑いもがく、悲しき叫びなのかもしれない。

【脳科学者・澤口俊之氏】

人間性脳科学研究所所長。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ)などTV番組にも多数出演。近著に『老いは脳科学的に素晴らしい』

【アンガーマネジメントコンサルタント・安藤俊介氏】

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事。『怒れる老人あなたにもある老害因子』など著書は累計65万部を超える

取材・文/週刊SPA!編集部

※週刊SPA!6月28日発売号の特集「[超老害社会]サバイバル」より

―[[超老害社会]サバイバル]―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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