『木梨憲武展 Timingー瞬間の光りー』が新作を引っ提げて東京凱旋! 木梨憲武に聞く、想いと見どころ

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『木梨憲武展 Timingー瞬間の光りー』が、東京・上野の森美術館にて、2022年6月4日(土)から6月26日(日)まで開催される。

「とんねるず」としてお茶の間に広く愛される一方で、アーティストとしての活動も高い評価を受けている木梨憲武。この『木梨憲武展 Timingー瞬間の光りー』では、木梨の自由な発想で生み出された絵画、立体、映像作品など、約200点が一斉に展示される。2018年から日本各地やロンドンを巡回してきた本展は、当初は2020年に東京での開催を予定していたものの、残念ながらコロナ禍で延期に……。このたび「おまたせ東京!」のキャッチコピーとともに、2年越し、待望の東京展開催とあいなった。

オープン前日に実施されたプレス内覧会では、アーティスト本人が登場するギャラリートークの時間が設けられた。予定時刻を待つ記者たちの前に、突然にこやかに現れたのは……木梨憲武、ではなく、キャイ~ンの天野ひろゆきだ!
飛び入りMCの、キャイ~ン・天野ひろゆき。予定外の登場にドッと沸く報道陣
飛び入りMCの、キャイ~ン・天野ひろゆき。予定外の登場にドッと沸く報道陣

「本日はお集まりいただき誠にありがとうございます」と司会(?)を始める天野。天野の描いた一枚の作品が本展にゲスト展示されることになったため、急遽、プレス内覧会での木梨の呼び込み係を買って出たのだという。

展覧会開催にあたり、想いを語る


そして和やかな空気のなか、木梨が登場。展覧会開催にあたっての想いを語り、記者たちからの質問に朗らかに応えた。以下にその一部をお伝えする。
木梨憲武
木梨憲武

今回は、延期になった2年間で新たに作った作品がプラスアルファされた展覧会となります。 また新しい作品ができた喜びとともに、無事に会場の展示も仕上がりまして、あとはオープンを待つばかりです。

「タイミングがいい」「いまが楽しい」「いま」「いま」という思考でアートを続けてきて、もう30年ほどになります。僕の作品は悲しいテーマがあんまりないので、ぜひ楽しんで見ていただいて。皆さんと「今」そして「明日」に向かって、助けたり助けてもらったりしながら向かっていきたい、そんな思いを込めた作品が多くなっております。

たくさんの“繋がり”の積み重ね


ーー木梨さんの後ろにあるのが、新作の《REACH OUT TOWER》ですね。

《REACH OUT》シリーズは30年近く描き続けてるんですが、これは自分だけじゃできなかったもので。ここ(上野)からすぐ近くにある「浜野製作所」のチームと知り合えたことで、こんなに大きなオブジェが出来上がりました。ゆくゆくは、これを『太陽の塔』と同じくらいの大きさにしていくのが私の密かな目標です。最終的には、みんながオブジェの中で美味しいお茶を飲める喫茶店にしたいなと……そんな展開を考えておりますので(笑)。このシリーズには他にも、富山のガラスのアーティスト達と仕上げた《REACH OUT-Glass》もあります。

ーーほかにはどのような作品が展示されるのでしょうか?

たくさんの人への感謝の気持ちを込めた《感謝》シリーズの新作が2階に展示されています。あと、コロナ禍の2年で作った、段ボールやコンビニ・薬局のいろんな空箱を使った《フェアリーズ》という作品もあります。じじいの早起きを利用して、ボンドとハサミだけでコツコツと2000体以上に増やしました。これはみんな誰もが出来る事なんで、よかったら是非マネしていただければなと。僕の頭の中ではイメージがどんどん広がっていて、このキャラクターたちがいずれ動き出して、最終的には映画化するんじゃないかと勝手に思っております(笑)。

それから、TV番組の収録で一緒になった天野っちが「僕の絵はこんな感じです」って見せてくれた、彼が15歳の時に描いた《15の夜》という作品にあまりにも感激して。急遽、その作品も展示させてもらうことにしたんです。グッズのポストカードは2000枚刷らせていただきました。僕の作品のものより多いんですよ(笑)。ちなみに、売れなかった場合は天野っちが全部買い取ることになっています(笑)。彼の、強いメッセージ性のある作品もチェックしてみてください。

ーーこの展覧会をぜひ見ていただきたいな、と思っている人はいますか?

おお、今ここに来てます、ひとり!(と、最前列にいたカメラマンの手を取り)ご紹介しますね。えー、野猿のメンバーだった半田です。お仕事でちょうどここ(プレス内覧会)にいたみたいで。ぜひ野猿のみんなにも見てほしいなと思ってたら、いましたね(笑)!
突然指名され、照れつつコメントする“元・野猿”の半田カメラマン
突然指名され、照れつつコメントする“元・野猿”の半田カメラマン

誰よりも自分自身が楽しむということ


ーー かなり豊富な作品数ですが、創作のインスピレーションはどんなふうに湧いてくるのでしょう? アイデア出しに苦労されることは?

いや全く。苦労したり、うわ~どうしようってテンパったりした場面は一回もありません ね。楽しくてしょうがなくて。新しい画材だったり表現方法だったり、いろんな現場での人との出会いによって刺激されます。例えば丸いキャンバスがあるんだったら、じゃあこれで新しい《REACH OUT》描いてみよう! ってなったり。タイトルが先に生まれることもあるし、タイトルがないまま作品作りに入ることもあるし、そこはいつも臨機応変です。始めた時から何年もこのスタイルでやってますね。

ーー美術はちょっと敷居が高いと感じる方たちへ向けて、美術展の楽しみ方についてのアドバイスをお願いします。

それはですね、よく天野っちも言ってたんですけど「いや自分は絵下手なんで……」とかね、そういうのは要らないと思うんですよ。鉛筆でもボールペンでも絵の具でも、まずは自分で好きなように描いて、自分だけでうわーって喜ぶのが一番です。そこから額装して自分のリビングに飾るか、展覧会やるか、どうなっていくかはわかんないですけど、僕も出だしは本当にそうだったんで。未だに描く手法も定まってませんし。「思ったまま」「感じたまま」でいいと、そういうのがアートだと僕は思ってます。

ーー観る人それぞれが、自分なりの楽しみ方を見つけてOKということでしょうか?

そうですね。展覧会やるのに免許はいらないですし、音楽歌うのにも書類は必要ないじゃないですか。昔から、自分が歌手になるか絵描きになるかっていうのは自分で決めるものだ、って思ってやってきましたから。みんなもその方が楽しいよって、今もそういう風に思っています。
《REACH OUT TOWER》と《REACH OUT-Glass》の間で手を挙げる木梨
《REACH OUT TOWER》と《REACH OUT-Glass》の間で手を挙げる木梨

これからを見据えて


ーー木梨さんは今年60歳になられたそうですね。何か、作風や心境の変化などはありましたか?

表現者としては小学校3年生の気持ちに戻りたいと思っていて。もっともっと「今」感じたものを描けないかなって、ずっと思ってますね。あとはもう少し60歳なりの作品も描いてみようかな? とかね。それってどういう作品だろう、というところも含めてなんですが。

ーーこれからの芸術活動の展望についてはどうお考えですか?

20代のガキの頃から走り続けてるんで、これからも突き進みたいなって思ってます。絵を描くのもそうですし、最近は音楽を作る楽しさを知ったところで。 エンターテイメントも含めて、プレイヤーとして何らかの表現を続けていきたいなって思います。アートについては、また新しい展覧会に向けて新作をどんどん作っていきたいですね。みんなの力を借りてここまでやってきたことのお返しができないかなと思っているので、チャリティー活動も視野に入れてやっていきたいなと。
(写真=オフィシャル提供) (C) NORITAKE KINASHI
(写真=オフィシャル提供) (C) NORITAKE KINASHI

ーーそれでは最後に、お客様へのメッセージをお願いします。

今回、いよいよ東京でツアーのラストを迎えます。きっと見た人も絵を描きたくなるような、自分で何かを表現したくなるような展覧会です。決して難しくなく、僕なりに思ったことを、絵日記のように、学園祭のように仕上げています。皆さんにそこから何かを感じていただいて、自分も新しいことを始めてみたり、仲間と何かを始めるきっかけにしてもらえたらうれしいです。作品ごとに僕のつけたタイトルは一応ありますが、皆さんには自分がそう見えたらそれが自分の中のタイトルだ! と思うくらいの、自由なスタンスで見ていただきたいです。ぜひ、上野の森美術館に足を運んでいただけたらと思います!

​​文・写真=小杉美香 写真(一部)=オフィシャル提供

当記事はSPICEの提供記事です。

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