相葉雅紀、ハードながら楽しい12年ぶりの舞台に意気込み 『ようこそ、ミナト先生』フォトコール&会見レポート

SPICE



『恋はつづくよどこまでも』(TBS)、『着飾る恋には理由があって』(TBS)などの脚本を手がけ、多くの人気ドラマを生み出してきた脚本家・金子ありさと、青年座公演や翻訳劇、古典、ミュージカルやオペラなどを幅広く手がける演出家の宮田慶子、嵐の活動休止以来テレビを中心に活躍している相葉雅紀。『君と見る千の夢』から実に12年ぶりに3人が集結し、町や人の“再生”をテーマに、心温まる物語を紡ぐ。

キャスト陣は、秋元才加、忍成修吾、濱田龍臣、須藤理彩、青木さやか、中山祐一朗、松平健といった演技派が集まった。初日前に行われた取材会には、主演の相葉雅紀、松平 健と演出の宮田慶子、脚本の金子ありさが登壇した。

ーーいよいよ初日を迎えるにあたって、今の思いを教えてください。

相葉雅紀:ずっとやりたいと思っていた舞台を、こんなに素敵なキャストの皆さんに囲まれてできることを幸せに思います。全て吸収しようと思いながら稽古をしてようやく今日を迎えました。個人的に、お客さまの前に立てるのも嬉しいですね。楽しんで精一杯やりたいと思います。

松平 健:町や人の再生という難しいテーマの作品です。皆さんにどう受け止めていただけるか楽しみですね。

宮田慶子:みんなで1ヶ月楽しく、でも苦しみながら、緻密にコミュニケーションをとりながら稽古してきました。お客様も、コロナ禍で緊張感が続く日々が長かったと思うので、思いきり舞台を楽しんでいただけたらと思います。

金子ありさ:とにかく無事に今日を迎えられたことを嬉しく思います。私の頭の中にあったものが舞台として目の前にあることの感激にただただ浸っています。

ーー相葉さん、舞台は12年ぶりですね。

相葉:初日にこんなことを言うのはあれですが、辛かったです(笑)。12年分のダメ出しをされましたし、そもそも役がハードで、そこに自分を持っていく作業が中々大変で。宮田さんからはいつもダメ出しされているので、金子さんがたまに稽古場にいらっしゃるとすごく褒めてくれて嬉しかったです(笑)。
相葉雅紀
相葉雅紀

ーー宮田さん、金子さんは12年ぶりの相葉さんとのタッグ、いかがでしたか?

宮田:12年分のダメ出しはそりゃあ消化できないよねってちょっと反省しました(笑)。相葉さんはこの12年でたくさんのすごい経験をされて、素敵な大人の男性になられました。金子先生の書いてくださった脚本のハードルが高く、真摯に受け止めないと演じられない役柄なので、大人になって中身が充実した分、苦しかったと思いますね。日々自分の中で答えを探して深めていく。ハードだけど、ぜひそれを楽しんでほしいと思いながらしごいていました。

相葉:楽しかったです!

金子:お二人の師弟関係ができあがっているので、私は信頼してお任せするだけでした。相葉さんは頼もしい男前になられましたし、今回は演劇界のレジェンド・松平さんが参加してくださる。ここまで頑張ってきてよかったと思います。私が持っている相葉さんのイメージは、ファンタジーとリアリティの融合。それに加えてドラマや映画ではできない、舞台ならではの役柄や表現方法を意識しました。

相葉:嬉しいです。僕、結構「商店街にいそうだね」と言われるので(笑)。

宮田:私が最初にタッグを組んだ舞台は、相葉さんは20代でした。まだ舞台経験もほとんどない頃で、逃げるのを追っかけ回してダメ出ししました。それを懐かしく思い出すくらい大人になってらして、歳月って素晴らしいなと思いました。色々なことを感じて考えていらっしゃるのを実感して嬉しくなりましたね。
松平 健
松平 健

ーー相葉さんは辛いとのことでしたが、松平さんはいかがでしょう。

松平:稽古を見ていて、私が若い頃はこんなふうに指導される状況になかったので羨ましいなと思いました(笑)。すごく努力家なので本番はのびのびと演じてほしいですね。

ーーフォトコールでも、相葉さんと松平さんのシーンは緊張感が伝わってきました。

相葉:健さんはオーラがすごくて、稽古場でも萎縮しっぱなしでした。でも、健さんから声をかけてくださるので、なごみながらやらせていただきました。

金子:本当に重い役で。でも、行き詰まった時に松平さんに助けていただきました。例えばフォトコールで観ていただいたシーンでも、ちょっとした目線のきっかけなどでガラッと呼吸がしやすくなる。お父さんのように助けてくださいました。

ーー相葉さんも、松平さんから色々吸収できましたか?

相葉:そうですね。対峙して改めてすごさを感じました。目の力もそうですし、放たれるパワー、セリフ以上に伝わってくるものがあってとても勉強になりました。


会見では、同じく主演舞台がスタートした風間俊介と連絡を取り合っていること、同じく嵐の松本 潤から「時間を作って観に行く」という言葉があったことなども明かされた。最後に「みんなで全力で作ってきた舞台なので、来てくださる方はぜひ楽しみにしてください!」と言う相葉の言葉で締め括られた。

※以下、フォトコールの写真と多少のネタバレあり。

<あらすじ>
甲信越地方の山あいにある日永町。一年前に観光で訪れた湊孝成(相葉雅紀)は、非常勤の音楽教師としてこの地で働いている。
人当たりがよく誰に対しても親身に接する彼は“ミナト先生”と慕われ、地元組からも移住組からも頼りにされるようになっていた。住民の間ではミナトがずっと町にいてくれるよう、診療所の医師・高梨由佳子(秋元才加)とくっつける計画が持ち上がるほど。
しかし、一人暮らしの偏屈者、植村久志(松平健)だけは心を開こうとしない。
そしてミナトはある秘密を抱えていた。そんなある日、ひょんなことから日永町の動画がネットで拡散。町が世間から注目を集めたことで、事態は大きく動き出す――。

『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真

『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真

フォトコールで披露されたのは、冒頭と町の祭りに向けた準備が進む中で湊の抱える事情が明らかになってくるシーン。

湊に淡い恋心を抱く町の高校生・及川美憂(谷 花音)をはじめ、町の人々が朝から次々と家を訪れる。農業や店の経営に関する相談、趣味や仕事で必要なものについて、学校の授業のことなど、ありとあらゆる悩みに笑顔で対応する湊。過疎化や高齢化が進む中でも助け合いながら明るく生きる町の人々という、“理想的な田舎”の風景だ。

一方、その後のシーンでは、田舎暮らしに憧れて移住してきたものの密な近所付き合いや理想とのギャップに悩む移住組、田舎の慣習に戸惑う移住組の態度に憤る地元の人々といった、田舎に根ざす課題も描かれる。噂好きな地元組・宮森ハツ(田中利花)と難波さつき(青木さやか)、思っていた田舎暮らしとの違いに嘆く兵藤頭(森田甘路)といったキャラクターたちの言動もリアルで、どちらの主張にも頷いてしまう。全国各地の自治体が直面している問題を、それぞれの視点からコミカルに見せているのが魅力的だ。
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真

相葉は、柔らかく穏やかな雰囲気がキャラクターにハマっている。田舎に馴染み、多くの人に好かれて頼られながらもどこか影を感じさせる佇まいが印象的だ。会見で金子が語っていた「身近にいそうだけどいない」というイメージが言い得て妙だと言えるだろう。抱えている事情が明らかになった後に見せる暗い表情にも惹きつけられる。

町の人々との交流を断ち、湊にもそっけない態度をとる植村を演じる松平は、どっしりとした存在感で物語を引き締めている。寡黙で無愛想ながら、作業をする姿、湊と共にかたつむりを見つめる表情など、ちょっとした芝居から彼の人となりや背景についての想像が膨らんだ。
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真

また、湊と高梨の微妙な距離感、高梨に思いを寄せる伊吹(濱田龍臣)の初々しく不器用な態度など、思わずきゅんとするシーンも。湊が抱える秘密、植村の真意、町の行く末などにワクワクし、作品に期待が高まるフォトコールだった。

『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真

『ようこそ、ミナト先生』舞台写真
『ようこそ、ミナト先生』舞台写真

舞台『ようこそ、ミナト先生』は2022年6月4日(土)~19日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場で上演。その後6月29日(水)~7月3日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールで行われる。

取材・文・撮影=吉田沙奈

当記事はSPICEの提供記事です。

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ