【苦しい】映画『止められるか、俺たちを』誰かに止めて欲しい時もある

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何かを愛し、それだけに、ひたすらに生命を全ベットして突き進む。それはやはり、フィクションであるから美しいのであって。
人生のすべてを一つのことに捧げると、そこが崩れた瞬間に人生も終わってしまうことになりかねない。そんな危機に自分と対象とを瞬時に切り離して考えられる人だったら、そもそもそんな危ない橋を渡ってもいないだろうし、この考え方は極めて危険ですよ。仕方ないんだろうけれど。

映画のことだけ考えて

実在した、とある監督の半生は、多くの若者の闘志に火をつけた。実在した人物たちをもとに再現される『映画』で埋め尽くされた世界は、うらやましくもあれば恐ろしくもありました。
映画界の端っこに居ながら私も実感としてありますが、映画と生活とはイコールで結びつけられないと思っていて。ここでいう『映画』とは制作についてですが、どんなに日常に紐づいた内容だとしても、やはり「映画を撮る」「撮っている」ということと日常というのは、全く違うものだと思うんです。

女を捨てる、とは

主人公の女性、もちろん実在した人物ですが彼女が抱える「女」としての日常や宿命というものが、前述した『映画』で埋め尽くされた日々のなかでは対処の難しいものになっていきます。「女を捨てた」と表現される彼女ですが、完璧に捨ててしまえるほど、その「女」ってのはシンプルなものじゃないじゃないですか。
三日三晩フロにも入らず熱中できたとて、いきなり生理にもなろう。どうしたって体力の限界もあろう。そういう色んなことをたった一人で抱えこむ羽目になった彼女だけれど、それは彼女が望んだことでもあるのが憎い。

生活力は失わないで

映画というものへの情熱と、その周辺で駆けまわる仲間たちの青春、パッケージから得られるそんなイメージももちろん本作をかたち作る要素ではあるんだけれど、そういうなかで生きた一人の女にスポットは当てられています。
詳しくない分野のスポ根モノと決めこんで犬猿せずに、ぜひ彼女の苦しみを受け取ってみてほしいです。

映画『止められるか、俺たちを』はDVD・Blu-ray他、U-NEXTなど動画サブスクリプションサービスで観られます。
【公開】
2018年
【スタッフ・キャスト】
監督:白石和彌

脚本:井上淳一

出演:井浦新
   門脇麦 他

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