Netflix映画『先に愛した人』自分勝手でも辿りつける場所

Oh!My!ムービー

いいタイトルですね。それが誰なのか、そんなことどうでもいいじゃんかってくらい、各々の愛が咲き乱れておりました。とはいえ、手放しでほっこりできる類のホームドラマではありません。
登場人物の誰もが選択をミスり、そのために窮地に立たされる。「仕方なかった」という言葉を免罪符に自分を守ろうとする様は痛々しくもありました。

美しさと混沌


最近旅立った男が実はゲイであったという、ひとつの問題を起点として、妻と息子、そして男の彼氏が行き交う台湾の荒々しい街。蒸し暑さは彼らが垂れ流す大量の汗を見ればこちらまで伝播してくるようで、ペタペタとサンダルに張りつく素足にこもる熱さえ画面に映っているみたい。
赤を基調とした内装はいかにもアジアン・ラヴを予感させ、残された男が時折見せる哀愁から目が離せない。熱愛冷めやらぬ未亡人は、しかしもうひとりいるからややこしいのです。

みんな悔しくて


先立った男もまた、選択を誤ったのかもしれない。「普通に結婚して家族を作りたい」というド直球の捨て台詞を残して、男は男の元を去ったのだった。そして造られた「家族」。男と女は一男をもうける。
死人をいたぶるのもどうかと思いながらも、理由を語らない男が他人を巻きこんで造りあげた家族というものの重さを、どうお考えでしょうかとやはり死人を問いつめたい。息子めちゃめちゃ悩んでるよ!あんた死んじゃったからもう本音も聞けないしな!

一生懸命なんだもんな


息子の迷走もさることながら、妻の暴走もまた凄まじい。目をつぶれない人としての未熟さをはらみながら、女は息子をなんとか守ろうとしている…んだと思うんですが、「逆!逆!」と思わざるを得ない選択の数々に辟易したのも事実です。一生懸命なのはわかるけど、それをまた免罪符にするのかい?人の話を聞けよ?
映画相手なので、私も偉そうに正論ぶった持論を振りかざしておりますが、彼らが折りあいを付けた現在地点は、とりあえずまとまった感じになっていてちょっと安心しましたね。偉そうにすみません。

【公開】
2018年
【スタッフ・キャスト】
監督:シュー・チーイエン
   シュー・ユーティン

脚本:シュー・ユーティン
   ルー・シーユエン

出演:ロイ・チウ
   シェ・インシュエン 他

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