監督・山田孝之からの主演オファーに、南沙良「タイトルを聞いてびっくりして…」

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山田孝之さんが発起人を務める「MIRRORLIAR FILMS」プロジェクトの第3弾で、山田さん自身が監督として登場。その監督作『沙良ちゃんの休日』の主演が南沙良さん。山田さんと、山田さんが注目する南さんの視線の先にあるものは。
■ 山田孝之が監督として撮る俳優・南沙良。今、ふたりが注目する世界。

――山田孝之さんが監督を務められた短編映画『沙良ちゃんの休日』創作経緯と南沙良さんの起用の理由、そして南さんはオファーを受けて思ったことを伺えますか。

山田:映画冒頭の、歩いている女性と男性が交差していく絵は、何年か前から頭にあってメモしてあったんです。今回はそれを広げて映画にしようと思って、脚本家の小寺(和久)くんと話し合いながら物語を組み立てていった感じです。南さんとは、『ゾッキ』という映画で少しだけご一緒させていただいたご縁があったのと、一方的にですけれど南さんが出演されていた、とあるCMがすごく好きだったのもあって。なんというか、絶妙な表情をされるんですよね。普段何を考えているんだろう、今何を思っているんだろうって探りたくなる。その空気感が今回の作品に欲しかったんです。

南:…嬉しいです。私もご一緒させていただいたときに、また機会があればとは思っていたんですけど、どんな中身か知らない状態で『沙良ちゃんの休日』ってタイトルを聞いたのでびっくりして…。

山田:そりゃ戸惑いますよね。

南:どういうことだろう、と…。

山田:映像の最後にタイトルを出したいと考えていて、なんかかわいいタイトルにしたかったんです。でも一応、オファーのときにタイトルが嫌なら変えます、とはお伝えしていた気がします。

南:戸惑いはしましたけどとても面白そうだったので、ぜひご一緒させていただきたいなと。

――変わったお話ですよね。観た後に考えさせるというか。

山田:僕としては、わりとわかりやすい話ではあると思っているんですけど…。ただ、もっとわかりやすいエンターテインメント作品というものがある一方で、そうじゃないものもあっていいという気持ちはあります。単純に好みとして、観終わった後、あれってどういうことだったんだろうって1回では理解できない作品が好きなんですよね。それについて誰かと話すのも好きなんで、僕は映画がコミュニケーションのツールになってくれたらって思っているんです。

南:…私も脚本を1回読んだだけではわからなかったです。でも、私自身が映画に限らず小説も漫画も、1回じゃ理解できないことを考えるのが好きなんで…。

――南さんは言葉数は多くないですが、ご自身で文章を書かれていますし、インタビューを読んでいても、頭と心でいろんなことを考えている方なのかなと思います。

南:普通ですよ。とくに面白くもないですし…。

山田:さっき手芸をされるって話していましたけど、どういったときにやられるんですか?

南:手芸というか洋服を作ったりするのが好きなんです。縫ったり、ミシンをかけたり、無心になりたいときに刺繍したり。以前、お仕事で自分の想像の中の女の子に着せる洋服を作ったこともあります。

山田:すごい面白いアプローチ。

南:しゃべるのがあまり得意ではないんです。でも、文章で自分の言葉を伝えるとか、何かを作ったりすることとかは好きでした。

山田:書くことも作ることもお芝居も、全部表現なわけで、南さんはきっと表現が好きなんでしょうね。好きというか、表現したくなっちゃうというか。僕も俳優だけじゃなくプロデューサーをやったり監督をやったり、曲作って歌も歌ったりしていますけれど、自分にとっては全部が同じ“表現”なんですよね。俳優なのに…って言う人もいるけれど、そもそもそれを僕は職業として捉えていないんです。やりたい表現をそのときにやっていたり、やらなきゃいけない必然性を感じるものもあるし。

――南さんの中で演じることは、どのような位置にあるものですか。

南:昔から俳優さんになりたいってずっと思っていたんです。それは自分じゃない誰かになりたかったんですね。自分じゃない誰かになったら何か起こるんじゃないかと。それで、別の人になれる俳優という職業ってかっこいいなと思って。ですので同じ表現でも、文章を書いたり服を作ったりするのとは、向き合う意識としては少し違う気がしています。

――今回の「MIRRORLIAR FILMS」プロジェクトは、映画監督だけでなく、いろんな方が監督として参加していますよね。いつか南さんが作り手として参加する可能性もあるわけですか?

山田:なにせ文章を書かれる方ですからね。脚本を書いてみたら、自分で撮ってみたくなったり、自分で演じてあの人に撮ってほしいってなったり、するかもですね。

南:できるかわからないですが…。

山田:一応、我々は“だれでも映画を撮れる時代”を謳ってますからね。映画監督というと難しいイメージがありますけど、今の時代、スマホでも撮ろうと思えば撮れる時代なわけだし、やりたいと思ったらやっちゃえばいいじゃんって思うんです。このプロジェクトに参加してるのも、ベテランの監督だったり、注目されている映像作家だったり漫画家さんとか、いろんな人がいて。そのほうがなんか面白いじゃない?

――南さんは監督に興味は?

南:ぜひ挑戦してみたいです。

山田:おおすごい!

――山田さんのように、映像でアイデアが浮かぶことはありますか。

南:映像はないですね。お仕事でエッセイだったり短い文章を書いたりはしますけれど…。

山田:今はまだそこにピントが合ってないんでしょうね。監督をやってみようってなったらきっと、普段とは違う視点で物事を見るようになると思うんだよね。そうやって気になるものをメモしているうちに勝手にストーリーができてくると思うから。

南:それも面白そうですね。

やまだ・たかゆき 1983年10月20日生まれ、鹿児島県出身。俳優として活躍する傍ら、近年では自身がプロデューサーとして数々の映画やドラマの制作に携わるほか、映画『ゾッキ』シリーズでは共同監督のひとりを務めている。ジャケット¥95,700 ベスト¥146,300 シャツ¥52,800 パンツ 参考商品 シューズ 参考商品(以上Vivienne Westwood/ヴィヴィアン・ウエストウッド インフォメーション contact@viviennewestwood-tokyo.net)

みなみ・さら 2002年6月11日生まれ、東京都出身。モデルを経て、’18年の映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』では数々の映画賞で新人賞を受賞。放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』ほか、主演映画『この子は邪悪』も公開予定。ドレス¥48,000 パンツ¥36,000(共にTOGA PULLA/TOGA原宿店 TEL:03・6419・8136) 靴はスタイリスト私物

MIRRORLIAR FILMS Season3 『沙良ちゃんの休日』 年齢、性別、職業やキャリアなどの垣根を越え、「だれでも映画を撮れる時代」に自由で新しい映画製作の実現を目指し発足された短編映画プロジェクトの第3弾。発起人のひとりでもある山田孝之さんが監督を務めた本作は、南の島を訪れた沙良ちゃん(南沙良)と、見知らぬ男(紀里谷和明)との邂逅を描いた作品。ほかに渡辺大知さんや松居大悟さん、李闘士男さんなどが監督として参加。現在公開中。

※『anan』2022年5月25日号より。写真・宮崎健太郎 スタイリスト・五月桃(山田さん) 道券芳恵(南さん) ヘア&メイク・南辻光宏(山田さん) 藤尾明日香(南さん) 取材、文・望月リサ

(by anan編集部)

当記事はananwebの提供記事です。