2022年の「土用の丑の日」はいつ?どうしてウナギを食べるの?
イエモネ
いずれ、こんな世界が待っているのかと思うと胸が躍ります。
人格化された人工知能型OSが、話し相手になったり生活をサポートしてくれたりする世界。直感的にこちらのことを理解してくれて、最適な言葉をかけてくれる存在がいたら、人は肉体のない彼らとも恋に落ちるのでしょうか。
声だけの存在であるAI(人工知能)と恋に落ちた男性を描いた映画『her/世界でひとつの彼女』のご紹介です。
独特な愛のカタチではあるけれど、どこにでも普通に転がっている恋する気持ち。
決して触れることは叶わない相手でも、お互いを理解できる言葉があれば、心は通じるのかもしれないと思わせてくれる、そんな作品でした。
舞台は近未来のロサンゼルス。他人の代わりに想いを伝える手紙を書く代筆ライターであるセオドアは、幼馴染で妻のキャサリンに別れを告げられるも、受け入れられずにいました。
空虚な生活を送っていたセオドアを見かねた女友達のエイミーは、彼を心配して友人を紹介してくれるのですが、恋に発展するまでには至らず。
そんなある日、人工知能型OSのサマンサと出会います。サマンサはOSなので、肉体はなく“声”でしかないのですが、彼女は驚くほどセオドアの心に寄り添ってくれるんです。そう、声だけで。
まるでそこにいるような錯覚をしてしまうほど、とにかく生きている人間そのものなんです。声だけでこんなにも個性を感じられるものなんだなぁと思うほど。
仕事の相談をしたり、ささいなことで笑い合ったりしているうちに、ふたりは恋に落ちていくのでした。
一秒もかからずに一冊の本を読破してしまう知能を持つサマンサ。OSだから人間には不可能な情報処理能力を持っていて、当たり前と言ったらそれまでなんですが。
日々進化していくサマンサは、セオドアを好きになればなるほど、自分に実体がないことに劣等感を抱くようになります。
でも、「もう自分以外のものになろうと思わない」そう決めてからは、セオドアに触れることができなくても、自分の力でセオドアの抱えている孤独を和らげたいと思うようになるんです。
彼らは声だけのつながりでしかありませんが、一緒に旅行へ行き、同じ景色を見て、写真を撮れない代わりに同じ曲を聞きます。そして、時には喧嘩もする。
それは、人間同士の恋愛と何ら変わりないんです。
「◯◯だから、恋愛はできない」「◯◯だからその関係はうまくいかない」そうやって人は、何かと制限をかけてしまっていることがあると気づかされます。
もしかしたら、この先こんな未来が待っているのかもしれませんね。
【公開】 2014年(日本)
【キャスト・スタッフ】
監督・脚本:スパイク・ジョーンズ
出 演:ホアキン・フェニックス
スカーレット・ヨハンソン
エイミー・アダムス 他