奥平大兼、『マイスモールランド』は「役作りをしなさすぎて、不安でした (笑) 」

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「この映画を観て何か行動を起こしてくださいとは思わないんです。でも、世の中には理不尽なことがいっぱいあって、この映画もそれを知る一つのきっかけであればいいなと思います」

日本人と変わらない生活を送っていた17歳の在日クルド人の少女サーリャが、難民申請が不認定となったことから、当たり前の生活を奪われてしまう。イギリス人の父と日本人の母を持つ川和田恵真監督が、成長過程で感じたアイデンティティへの想いを元に、“日本の今”を映し出した『マイスモールランド』。奥平大兼さんは、理不尽な状況に置かれたサーリャにまっすぐに向き合う高校生・聡太を演じている。役のために痩せたデビュー作『MOTHER マザー』とは違い、今作では役作りはほとんどしなかったそう。

「しなさすぎて、不安でした(笑)。クルドに関しても、僕は劇中で知ることになる役なので事前に知識を入れないほうがいいと思いましたし。むしろクランクインしてからのほうが、いろいろと感じることがすごく多い役なので、そこがちょっと大変だったかな」

それも演技へのあるこだわりから。

「いいことかわからないんですけど、自分の台詞以外は覚えないですし、自分のいないシーンは台本も見ないんです。だから、お芝居をして初めて相手の台詞を聞いて、なぜ、自分がその台詞を言うのかがわかる。すると、ちゃんと自分の気持ちがこもった言葉が言える。そのぶん、撮影現場では必死に相手の台詞を聞きます。ただ監督に“台本を覚えていかないです”と言う勇気はないので(笑)、最初にお伝えするんです。僕は段取りがめちゃくちゃ下手くそですが、決してお芝居をなめてるわけではないので許してくださいって」

そんな若き注目俳優が、聡太を演じて確信したことがあるそう。

「聡太の一番の武器は、肯定してくれることだと思うんですよ。相手を否定することから入らない。言葉で言うと簡単ですけど、僕には意識していてもなかなかできないことなので。否定から入ると選択肢が狭まるし、相手を傷つけることもある。肯定する側になるだけで広がる世界は全然違うと、聡太を見てめちゃくちゃ確信が持てました」

では、奥平さん自身の武器は?

「いろんなものに興味があることですかね。そうすれば知識も増えて、引き出しも増えてくる。今すぐには役に立たないかもしれないけれど、引き出しを増やしてる最中です」

『マイスモールランド』 在留資格を失ったクルド人の17歳の少女を通して、世界中で起きている問題を浮き彫りに。監督・脚本/川和田恵真 出演/嵐莉菜、奥平大兼、平泉成、藤井隆、池脇千鶴ほか 全国公開中。(C)2022「マイスモールランド」製作委員会

おくだいら・だいけん 2003年9月20日生まれ、東京都出身。映画『MOTHER マザー』(’20)で俳優デビューし、数々の新人賞を受賞。W主演を務めるドラマ『早朝始発の殺風景』(WOWOW)は2022年放送予定。シャツ¥42,900 パンツ¥42,900(共にスレッド マウス アンド ザ ムーン/トゥモローランド TEL:0120・983・522) Tシャツ¥9,900(ザ シード バイ ウィリー チャヴァリア/WISM渋谷店 TEL:03・6418・5034)

※『anan』2022年5月18日号より。写真・野呂知功(TRIVAL) スタイリスト・伊藤省吾(sitor) ヘア&メイク・髙橋幸一(ネステーション) インタビュー、文・杉谷伸子

(by anan編集部)

当記事はananwebの提供記事です。

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