【苦しい】映画『Love Letter(1995)』私以外が美しすぎる

Oh!My!ムービー

画面に映るすべてが美しくて、視力が上がった気すらします。
中山美穂の透明感たるや雪道に消え入りそうなほどで、2役を演じ分ける彼女のありとあらゆる表情を切りとって額に入れて飾りたい。
ちょっとおてんばな方も、しとやかで奥手な方も、どちらもしっかりと中山美穂で、繊細すぎる彼女を護ろうと奮闘しているおじいちゃんに、またはトヨエツになりたいとさえ思いました。守ってあげたい、否、あなたを守らせてはいただけませんでしょうか、中山美穂さま。

あぁ、眼福の映像体験

私が中山美穂だったなら、嫉妬心丸出しのトヨエツに迫られたりしていた人生だったのか。なんで私は中山美穂じゃないんだろう。まぁ、中山美穂への羨望はこれくらいにして。
岩井俊二監督ならではのマジカルな陽光とレースカーテンや、純粋なキャラクターたちが「わぁっ」と華やぐ姿には、あまりの多幸感で泣きそうになります。幸せが、画面を突き破って私を揺さぶっている。
登場人物たちは皆、心に痛みを抱えながら、そんな美しすぎる風景にむしろ傷つけられながら、それでも生きていました。

傷つくことはやめられなくて

寂しいとか悲しいとか、もうこれ以上味わうことなく死んでいきたいと、私なんかは思うのですが人は何故、時に自ら苦しみの渦に飛びこんでいくような真似をしてしまうのでしょう。大体の人間は、私と同じように平穏に暮らしていたいと思っているはずでしょうに。
すべてを呑み込んでしまった深い山も、行き先を曇らせる大雪さえもが美しい完全なる岩井ワールドの中で、「痛い、痛いよ」ともがきながら生きる登場人物たちはやっぱり高潔なのでした。

気持ちいい

ズブズブと別世界へ引きずりこまれるような映画体験が、岩井作品の特徴のように思います。
自分とは全く違う過去を持った人物が、何故だか懐かしいような親近感を持って作品を生きている。
心地良い回想録に、一緒に過去へさかのぼってしまうような不思議な浮遊感を味わいました。

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【公開】
1995年
【スタッフ・キャスト】
監督:岩井俊二

脚本:岩井俊二

出演:中山美穂
   豊川悦司 他