映画『彼らが本気で編むときは、』色々な家族のカタチ

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俳優・生田斗真がトランスジェンダーの女性を演じた映画のご紹介です。登場人物たちの心の機微を繊細に描き出す、荻上直子監督の『彼らが本気で編むときは、』。

難しいテーマを扱った作品なので賛否両論あったようですが、家族のあり方について考えさせられる、切なくも温かい作品でした。

奇妙な共同生活のはじまり

母子家庭のトモは小学5年生。ある日、母親が男を追いかけて出て行ってしまい、トモ(柿原りんか)は一人ぼっちになってしまいます。叔父のマキオ(桐谷健太)の家を訪ねると、そこにはマキオの恋人・リンコ(生田斗真)の姿がありました。リンコがかつて男性だったことを知って戸惑いを隠せないトモでしたが…。

トランスジェンダーのリンコと育児放棄されたトモ、すべてを受け入れる覚悟のあるマキオの共同生活がはじまります。

リンコさんの煩悩と美しさ

リンコさんは悔しいことがあると、グッとそれを飲み込んで編み物をするんです。彼女が編んでいるのは、“あるカタチ”。それを「煩悩」と呼んでいます。その“煩悩の数”が目標の数に達した時、叶えたいことが彼女にはありました。

リンコさんの声は、特に印象に残っています。優しさが滲み出ていて、耳心地の良い声。言葉や仕草、立ち居振る舞いのたおやかさは、見惚れてしまうほど。
言わずもがな、これを演じた生田斗真さんの演技の幅に圧倒されました。もともと端正な顔立ちではありますが、声色や仕草、すべて本来の自分とは違う人物をあそこまで演じきることができるなんて。
生田斗真さんのリンコさんは、涙が出そうになるほど美しかったです。

家族ってなんだろう?

劇中では、対照的な母親の姿が出てきます。

トランスジェンダーを普通じゃないと思っている母親、我が子の性別違和を受け入れて寄り添って生きていく母親、育児を放棄する母親、血のつながりはないけれど母になろうと努める育ての親。

どの母親たちも、子どものことを大切に思っているのに、時々間違えてしまう。そういう視点が映画全体に織り込まれていたからか、どんなカタチの家族であっても、また再出発していけると思わせてくれる作品でした。

【公開】 2017年

【キャスト・スタッフ】
 監督・脚本:荻上直子
 出   演:生田斗真
       桐谷健太
       柿原りんか  他

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