映画『生きちゃった』“こんなつもりじゃなかった”の連鎖

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映画製作の原点回帰をコンセプトに、アジアの監督が集結したプロジェクト「原点回帰、至上の愛」。その一環として制作された映画『生きちゃった』のご紹介です。

『舟を編む』、『町田くんの世界』で知られる石井裕也監督が、プロデュース・脚本・監督を務めた作品です。

高校時代からの友人である男女3人が、大人になるにつれ複雑な思いを抱えていくようになり、次第にそれぞれの中で生まれていく「本心を伝える怖さ」と「本心を知る怖さ」といった感情に焦点があてられていました。

突然崩壊する日常

山田厚久(仲野太賀)と武田(若葉竜也)、後に厚久の妻になる奈津美(大島優子)は、高校時代、いつも一緒に過ごしていました。

大人になり厚久と奈津美は結婚し、ふたりの間には5歳になる娘がいて平凡ですが穏やかな日々を過ごしていました。
しかしある日、厚久が早退して家に帰ると、妻が見知らぬ男と情事に耽っているのを目撃します…。あまりの衝撃に、厚久は怒ることも悲しむこともできずただ狼狽し、感情に蓋をすることしかできませんでした。

感情に蓋をすること

まったく予想だにしなかった現実を突きつけられると、自分の感情がわからなくなることってありますよね。
厚久も奈津美の裏切りを前にして、自分の気持ちがわからなくなってしまうんです。悲しいはずなのに、その悲しさをどう相手に伝えたらいいのかわからない。だから、相手にも勘違いされてしまう。

「愛」を言葉にできない厚久と、「愛」を言葉にして欲しかった奈津美、そして「愛」を側で見守り続けた武田。

言いたいことを言えず、感情に蓋をすることで自分を守ろうとした厚久と奈津美。少しずつ気持ちのズレは広がっていき、気づいた時には取り返しのつかないところまで来ていました。無邪気に笑い合っていた高校生の頃とは違い、いつしか3人の関係にも亀裂が生じていたんです。

感情に蓋をしても、それは見ないふりをしているだけで、その感情がなくなったわけではありません。だから、ある日それが溢れ出していく。
痛々しい主人公たちの姿が、何度も感情をエグってきました。そしてラスト、「生きちゃった」というタイトルが、もう一度胸に迫ってきます。

【公開】 2020年

【キャスト・スタッフ】
 監督・脚本:石井裕也
 出   演:仲野太賀
       大島優子
       若葉竜也  他

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