宮野真守は洋画吹き替えのたたき上げ! 今夜放送『ファンタビ』で名演を楽しむ

 いよいよ本日から、魔法ワールドシリーズ最新作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』が公開! これにあわせて『金曜ロードショー』(日本テレビ系)では、シリーズ前2作品を連続放送中だ。今夜21時からは、最新作に直接つながる重要な第2作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が放送される。個性豊かな魔法動物学者と仲間たち、そして魅惑的な魔法動物たちが彩る壮大な冒険を描くだけに、その吹き替え版も人気の若手声優からベテランの実力派までが大集結。なかでも、エディ・レッドメイン演じる主人公ニュート・スキャマンダーの吹き替えを担当する宮野真守は、2021年開催の「好きな男性声優ランキング」で堂々の1位を獲得したトップ声優のひとり。彼の名演を楽しめるシリーズでもあるのだ。

■宮野真守はアニメ出身声優?……違います「洋画吹き替えのたたき上げ」です!



吹き替え版上映の拡大や声優ブームも相まって、近年はアニメ作品でメインキャストを演じる人気声優を洋画の吹き替え版にキャスティングすることも増えているが、『DEATH NOTE』の夜神月役で知名度を上げ、『機動戦士ガンダム00』の刹那・F・セイエイ役、『うたの☆プリンスさまっ♪』の一ノ瀬トキヤ役、『文豪ストレイドッグス』の太宰治役と数々の人気アニメで人気を博してきた宮野の活躍を見ると、彼もその内の1人と思われがちだろう。

だが彼の声優キャリアのスタートは、高校3年生、18歳のときにオーディションで合格した海外ドラマ『私はケイトリン』(NHK教育)のレギュラー役。内海賢二や宝亀克寿も参加していた現場でシゴかれて声優のイロハを覚えた“現場たたき上げ”なのだ。

さらに所属事務所は「劇団ひまわり」。尾美としのり、中嶋朋子、仙道敦子、森山未來、加藤清史郎などなど、多くの実力派を輩出してきた老舗劇団に子役として7歳から籍を置き、『3年B組金八先生』シリーズにも出演するなど、実に30年以上も活動する“実写俳優”でもあるのだ。近年では、堺雅人の大ヒット・ドラマ『半沢直樹』にも出演し、従来のイメージを覆すダークな役柄で話題を集めた。

■ラインナップは「少年から大人への道」そのもの! 吹き替え作品を振り返る

声優の人気と実力を示すバロメーターでもある「声優アワード」では、第2回(2007年度)の主演男優賞を筆頭に、第6回(2011年度)の助演男優賞と歌唱賞(ST☆RISH名義)、第8回(2013年度)の歌唱賞、第14回(2019年度)のインフルエンサー賞の5冠に輝く宮野だが、ここでは、実写吹き替えの軌跡を振り返ってみよう。

自身が「駆け出し」と語る声優デビュー直後、2000年代初期には、主人公ハリーの親友ロンの兄パーシー役として、『ハリー・ポッターと賢者の石』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』に参加。2009年の『ウルヴァリン:X‐MEN ZERO』では、若き日のサイクロップス役として、山路和弘(ウルヴァリン役)、平田広明(ガンビット役)、加瀬康之(デッドプール役)らと並んで吹き替えキャストに名を連ねている。劇場公開時には藤原啓治がジョニー・デップの吹き替えを務めたティム・バートン監督作『チャーリーとチョコレート工場』の『金曜ロードショー』放送版で、同役を務めたのもこの頃だ。

そして2010年代に入ると、人気ファンタジーの映画化『パーシー・ジャクソン』シリーズの2作で主人公パーシー役も務めることになる。

■関わった人たちの発言で浮かび上がる「安心する存在」&「スター性」



歴代の吹き替え参加ラインナップを見返すと、それはそのまま、10代の少年が大人の階段を上っていく宮野自身の成長記録のような気がしてならないが、吹き替え作品のみならず、宮野と関わってきた人たちの目には、彼はどう映ってきたのか。共演者、共作者の言葉からは、「安心する存在」「スター性」というキーワードが浮かび上がってくる。

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』で声優に初挑戦し、宮野と共演を果たした菅田将暉は、当時のインタビューで「やっぱり宮野さんの声を聞くと安心しました」と語っている。ちゃんと物語をつないで進める現場の指針的存在であり、「宮野さんの声を聞くとホッとした気持ちになれる」と言わしめている(*1)。

劇団☆新感線の舞台『神州無頼街』で念願の共演を果たし、プライベートでも親交のある福士蒼汰もまた「安心感があります。一緒にいてすごく落ち着く」と語っている。そして、困ったときの相談相手として「滑らかに事が進んでいく感じが頼もしい」とも(*2)。

アニメ版『GODZILLA』シリーズを手掛けた瀬下寛之監督、共演者の櫻井孝宏も同様で、同作品の公開時のインタビューでは、(映像より先に音声を収録する)プレスコ収録で戸惑いが多かった現場で、宮野の演技や振る舞いが“こんな風に演技すればいい”という指針になっていたと明かす言葉が散見された(*3)。

そして「スター性」については、この2人の言葉が象徴的だろう。『劇場版 はいからさんが通る』2部作で共演した早見沙織は、相手役だった宮野について、「いざマイクの前でお芝居をされると“王子様感”が出るというか……」と称し、「華のある方」と印象を語っている(*4)。

初代声優アワード主演男優賞を受賞したほか、トップ声優のひとりである福山潤でさえ、『STAR DRIVER 輝きのタクト』共演時には、「彼の方が年下だし、アニメーションにおけるキャリアとしては自分の方が先輩だが、スター性があってハートのある役者の隣にいる立場だとどんな自分になるんだろう」と期待を寄せていたのだ(*5)。

■シリーズ最新作に直接つながる重要作を“入魂”の吹き替え演技で楽しむ!



ジュード・ロウ扮するダンブルドア先生(声:森川智之)が登場し、『ハリー・ポッター』シリーズとのリンクが濃厚となる第2作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』。1作目のワクワクする雰囲気は抑えられ、徐々に黒い魔法使い=グリンデンバルド(ジョニー・デップ/声:平田広明)とのスリリングな攻防へと物語は展開していく。

「とても思い入れの深い作品」と『ハリー・ポッター』シリーズについて語り、そして「今でも、公開されたときの興奮は、昨日のことのように蘇るんです!」と『ファンタスティック・ビースト』への想いも熱い宮野が、シャイで少しおっちょこちょいで、大切な人に「好き」とは決してストレートには言えないキャラクターとして、どう振る舞っていくのか。

声優として、“役”としての感情を大事にしつつ、アカデミー賞俳優エディ・レッドメインの芝居をしっかり拾い、呼吸を合わせていく宮野真守の入魂の演技を、彼のスター性ともに楽しむ絶好のチャンスだ。(文:村上健一)

映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は、日本テレビ系『金曜ロードショー』にて4月8日21時放送(放送枠45分拡大)。

<引用>
*1 磯部正和.“菅田将暉&宮野真守スペシャル対談! 映画『打ち上げ花火』で「ドンピシャ」だった共演を語る”. ORICON NEWS. 2018‐10‐31.

*2 駿河良美.“【福士蒼汰×宮野真守インタビュー】大の仲良しの2人 待望の舞台共演が実現!”. CLASSY. 2022‐03‐10

*3 川野優希.“『GODZILLA 星を喰う者』宮野真守さん、櫻井孝宏さん、瀬下寛之監督インタビュー|メトフィエスの「あぁ ハルオ」という呼び掛けに注目!”. アニメイトタイムズ. 2018‐11‐09

*4 渡邉千智.“大キライからはじまる恋はアリ? 早見沙織、劇場版『はいからさん』でキュンとした瞬間”. ライブドアニュース. 2017‐11‐10

*5 映画『スタードライバー THE MOVIE』パンフレット,松竹,2013年

当記事はクランクイン!の提供記事です。