Ms.OOJA 「もっと自由に音楽を楽しんで、音楽を表現できそう」、デビュー10年周年で臨んだ初の日本武道館ライブで結実した想い

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Ms.OOJA 10th Anniversary Live in 日本武道館 “はじまりの時”
2022.3.27 日本武道館


デビュー10周年。念願の武道館公演は、彼女の音楽キャリアを遡るセットリストに。以前インタビューで「ライブで歌いながら泣かないと自分に課している」と言っていた彼女がオープニングで涙で声を揺らすほどの想いがあふれたライブ。Ms.OOJAと盟友たちとスタッフ、そしておじゃファミ(Ms.OOJAファンの呼称)の10年分の想いが結実した夜となった。


ドレープの寄った大きな白いプリーツの布が幾重にも折り重なったステージセットに、波の音が打ち寄せる。その音は徐々に深海へ……。そして海の底から、ステージ中央のプリーツのカーテンが上がると、白のドレスに身を包んだMs.OOJAが登場。武道館に向けての10周年記念13ヵ月連続リリース企画第1弾、そして本公演のタイトルにもなっている「はじまりの時」がオープニングナンバーに。武道館に響くMs.OOJAのアカペラ。その歌声に引き込まれたオーディエンスは、すぐに異変を感じた。逆光で表情は見えないが、鉄壁を誇る彼女の歌声が揺れていたのだ。それが涙声だとわかると、会場からは温かな拍手が沸き起こる。バンドが合流し、そのサウンドに支ええられた彼女は、客席を見渡して目を閉じる。ファンの手拍子の応援に「ありがとう」と言うと、ストリングスとコーラスが力強く後押しし、《もう迷わない》と歌うMs.OOJAの涙がスクリーンに映し出された。すべての人たちの万感の想いが伝わる美しい涙だった。2曲目以降は本調子。リズムに乗る伸びやかな声で、もう彼女の世界に引き込まれていった。




本公演のラストでカバーアルバム『流しのOOJA 2 ~VINTAGE SONG COVERS~』が今秋にリリースされることが発表されたが、彼女がインディーズ時代からライフワークとしてきたカバー曲は中盤に固められた。紫色のクラシックなドレスに着替えると、美しいハーモニーと共に始まる松原みきの「真夜中のドア」、会場中が一体となった泰葉の「フライディ・チャイナタウン」、そしてちょっと驚きの選曲ともいえる中島みゆきの「空と君のあいだに」から「この曲を初めて聴いた15歳の時は、まさか武道館で歌うとは思わなかった」という宇多田ヒカルの「First Love」までを披露。






そしてスペシャルゲスト4名は、各セクションの要所に登場。最初のゲストはコブクロの小渕健太郎。アコースティックギターを抱えてステージに上がると、「10周年おめでとう!」と言ってMs.OOJAとグータッチ。小渕が2019年に彼女に提供した「WAY YOU ARE」をふたりで歌うと、一気に華やかに、賑やかに。中盤のカバーコーナーの最後には、彼女がフィーチャリング参加したJAY’EDとゴスペラーズの黒沢 薫が登場。JAY’EDとは、2014年にリリースされた『JAY’ED WORKS』に収録された人気デュエットナンバー「また君と」を歌い上げ、続けて黒沢と共に2015年の彼のソロデビュー10周年記念シングルに収録された「愛とは…」を熱唱。黒沢の抜けるような高音とMs.OOJAのハスキーな声が織りなすハーモニーは圧巻だ。そして終盤のオープニングには、地元名古屋で同じライブに出演していたときにレコード会社のスタッフに声をかけられたことが彼女のメジャーデビューのきっかけになったが、実はそのスタッフは彼を観に来ていたという、歌手になるきっかけを与えてくれた盟友、AK-69が登場。“いつか共演したい”というMs.OOJAの願いが10周年記念連続リリース企画の「I Remember You」で叶い、夢の武道館で共に向かい合うと、「やっとだね! 名古屋の誇り」とAK-69が声をかけた。






AK-69とのコラボで始まった終盤は、「ORANGE」そして壮大な「Be...」などMs.OOJAというアーティストを印象付けた名曲たちに彩られた。ラストの「It's OK」では、「2011年2月16日、私はこの「It’s OK」という曲でメジャーデビューをしました。それからずっと夢だった武道館に連れてきてくれて、みんな、ありがとう!」と感謝を伝え、「今日はMs.OOJAの10年を遡る時の旅をみなさんとしてきました。振り返ってみれば私の人生は歌と共にあって、私の夢を優しく見守ってくれた家族、私の歌を声を好きだと言ってくれた親友たち、私をみつけてメジャーデビューさせてくれたレコード会社のみなさん、辛いときも嬉しいときもずっと寄り添ってくれたマネージメント、音楽活動の中で出会った尊敬する素晴らしい仲間たち、そしてMs.OOJAに出会ってMs.OOJAの音楽を聴いてくれて、こうしてライブに来てくれていつも応援してくれるかけがえのないおじゃファミたち。たくさんの支えがずっと夢だった武道館というステージに連れてきてくれました。私の歌を受け止めてくれて、本当にありがとう! Ms.OOJAはこれからもみなさんと共に歌い続けます。これからもよろしく!」と言ってラストの「Open Door」に突入。




ほとんどMCなしの29曲、2時間半以上を歌い続けた彼女が、言葉で伝えたかったのはこの最後のメッセージなのだろう。彼女の生まれてから歌手になるまで、そして武道館までの道のりは、転換での映像で見せてくれた。「人生死ぬまで途中経過」という人生訓がMs.OOJAらしかったが、彼女のこれまでの想いは、彼女の歌が伝えてくれた。そして最後には、「武道館を終えたら羽ばたきそうです、私。羽が生えてもっと自由に音楽を楽しんで、音楽を表現できそう」という未来への希望も――。

取材・文=坂本ゆかり 撮影=manaty


当記事はSPICEの提供記事です。

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