『BLACK LAGOON』浪川大輔に豊口めぐみが伝えた感謝の言葉

今だから観たいゼロ年代に人気を博したアニメ作品をピックアップしていく、U-NEXTによる名作アニメとの「再会」プロジェクト『THE PLAYBACK』。出演キャストと共に懐かしの作品を振り返り、その魅力に改めて迫っていく。
その第2弾は、広江礼威原作のハードボイルド・ガンアクション『BLACK LAGOON』。主人公・ロックを演じた浪川大輔さん、ロックとバディ的関係となる女性ガンマン・レヴィを演じた豊口めぐみさんのスペシャルトークが実現。後編は作品内容に関わる様々な思い出や、『BLACK LAGOON』という作品がお二人にとってどれほど大切なものであるか、熱く語って頂きました。(全2回)
▲楽しいトークを展開したロック役・浪川大輔さんとレヴィ役・豊口めぐみさん(左より)。

>>>浪川大輔さん&豊口めぐみさんの収録風景を見る(写真5点)

──『BLACK LAGOON』は、ゲストもかなりクセの強い面々ばかりですが、特に印象深いキャラは?

浪川 森川智之さんがやってたミスター張! だって、超絶強いじゃないですか!

豊口 張はゲストと言うより、セミレギュラーだと思いますけれど(笑)。

浪川 でもあんなに強いとは思わなくて。

豊口 そう! 背中合わせで戦うところの張、カッコ良かったですよね!

浪川 張は身のこなしが軽い感じはしてましたけど、最初あんなにも強い印象はなかったじゃないですか。

豊口 組織のリーダー格は、なかなか現場に出て戦うっていうことはないから。バラライカも「跪け」って言ってる時に自分で相手の膝を撃ってるわけではないし(笑)。そんな中、張さんは自分で戦ったりするシーンもあって。

浪川 レヴィもそうだけど、ロアナプラの人たちって戦闘センスが見るからに高そうじゃないですか。だけど張さんは割と普通にスーツ姿で決めてる人でしたから、それだけにあの強さは予想外でしたね。

──シリーズを通して、印象深い台詞というのはありますか?

豊口 いやぁ、名台詞アニメ過ぎますからね。選ぶのは難しいなぁ。

浪川 特にレヴィさんはね。ロックは特にはないですよ。

豊口 え、そうかなぁ?

浪川 「オレはロックだ!」それが全てですから(笑)。

豊口 そんなことないよ、「日本のサラリーマン、なめんなよ!」とか。

浪川 でもそれ、普通に新橋あたりで聞こえてきそうな名台詞ですよね(笑)。

豊口 確かに(笑)!

浪川 とはいえ、日本のサラリーマンはすごいですからね。ある意味ではダッチやベニー、バラライカとかに絶対できないことをしているわけですから! だから「なめんなよ!」ってロックは言ってるんですけれど……いや、そういう話じゃないよ(一同笑)! 求められてるのは、印象深い名台詞ですよ。

豊口 レヴィの名台詞ってなんだろう?

浪川 日本編での英語の台詞(笑)!

豊口 いやいやいやいや、そうじゃなくて!

浪川 何か一言いってから銃撃なんかを始めるじゃない。あれがいつもカッコ良い!

豊口 「ジルバだ、踊るぜ!」とか?

浪川 その後ろで、ロックが「お、おい」って及び腰でついていくみたいな(笑)。

豊口 あはは。カッコ良い台詞ということではないんですけど、1期7話でAVのチェックをしているバラライカの横でレヴィが「姐御、ケツか?」って言うと「ケツよ、ケツ」。あの会話がすごくくだらなくて好きなんですよ、なんでだろう(笑)?

浪川 ちょっと共感出来たんじゃない(笑)?

豊口 え、あの台詞に共感? どーいうこと(笑)?

浪川 いや、会話の中身じゃなくて、激しい世界の中で人間味溢れる感じが出てるなって。

豊口 ああ、なるほど。ちょっと肩の力が抜けた感じがするよね。7話は日常の場面が良くて、エダと教会でグダグダと呑むシーンも好きなんです。

──本作は最近のアニメでは珍しく、酒やタバコを呑むシーンが頻繁にあるのも特徴です。

豊口 咥えタバコでの台詞では、実際にペンを咥えてやってましたよね。

浪川 そうそう、やってた! 殴られた時も頬を押さえながら、わざと不明瞭になるように喋ったり。カッコつけでタバコやお酒のシーンを入れてる感じじゃないのが良いですよね。使い方にとてもセンスがあります。

豊口 特別なものではなくて、この作品の世界観の中では普通にお酒もタバコも呑んだり吸ったりしていて、本当にあの量がごく普通みたいな感じで(笑)。

──ペンを咥えて喋るのは、お二人が自発的に考えたものだったんですか?

豊口 特にディレクションとかがあってのことだったわけじゃなかった気がしますけど。

浪川 あまりにもタバコを咥えてるシーンが多いから、咥えてやった方がリアリティ出ますからね。

豊口 私はそんなにタバコを吸う役をやったことがなかったので、そこも勉強になりました。

(C)2006,2010 広江礼威/小学館・BLACK LAGOON製作委員会

──この作品や演じているキャラは、ご自身のキャリアにとってどういう存在ですか?

浪川 自分を成長させてくれて、声優としての自信ももらえた作品です。自分の中で、「本当に声優の道に進むことが合っているのか?」って一番悩んでいた時期だったんです。2006年はサラリーマンを辞めて声優一本になった年でもあったので、すごく背中を押してくれた作品でした。

──ある意味、浪川さんもロックみたいな状況だったんですね。

浪川 ロックほど苛酷じゃないですけどね、僕はまだサラリーマンに引き返すこともできたので(笑)。でも、人生の覚悟という大きな意味では似ていたかな? そこから一緒に歩んでくれた作品ではあります。

豊口 おかげさまで、レヴィは私の代表作の一つになりました。当時こういう役はほぼほぼやったことがなかったので、「できるのかな?」っていう不安しかなかったんです。でも、やるしかなくて。そこでかなり鍛えられました。

それと、相方になるロック役が浪川さんで良かったなって思うんです。もしロック役の方が私と大きく歳が離れていたとしたら、現場できっと私は本当に独りぼっちだった気がして(笑)。浪川さん、こういうタイプじゃないですか。なので相談と言うほどでもないですけど、いつもさりげなく気を遣ってくれて、気持ちの上でも助けてもらえてたので、良かったなって思ってます。

浪川 珍しく良いこと言うじゃん(笑)!

豊口 たまにはね(笑)。まぁ、15年経って改めて「ありがとう」ってことで。

──当時の役者としてのお二人のキャリア的な立ち位置としては、ロックとレヴィとは真逆だった感じですね。

豊口 ああ、そうだと思います。浪川さんも浪川さんなりに大変だった部分はあったと思いますけど、どちらかというと……。

浪川 本当に当時の豊口さんは、毎回満身創痍状態で演じてましたからね。

豊口 そう。プレッシャーのあまりご飯が全然食べられなくて。だから浪川さんには、色々支えて頂きました。『BLACK LAGOON』で初めてバディ役をやらせてもらったんですけど、当時別作品でも相手役をやってたこともあり、ロックとレヴィの関係性とともに、私達自身の関係性も上手く作り上げて行けたのかもしれないなって思います。

浪川 そうですよね。会ってじっくり話したのも久しぶりでしたけど、かなりリラックスして話せて。

豊口 「よおっ!」って感じでね(笑)。

──この作品に出会えて良かったことは?

浪川 『BLACK LAGOON』の原作の絵の強さ、言葉選びのセンスの良さは圧倒的なんですけれど、アニメ側としても挑戦的で。それをちゃんと踏襲しながら映像として立体的に見せて、音楽で臨場感を出していく。そういう協力プレイが素晴らしいです。
そういう作品に出会えるって、なかなかないことだと思うんです。それは自分にとっても貴重で、すごくキャリアアップになった作品だったと感じています。そういう機会に恵まれたことに、本当に感謝しています。

豊口 「レヴィみたいな感じで(演じて)」と言われることが多い時期がありました。ですから間違いなく私の代表作の一つです。何より、スタッフさんもみんな『BLACK LAGOON』が大好きなんだな! って。自分達が楽しんで作っていることが、視聴者の方たちにも伝わっていた作品なんだと思います。だからこれだけ時間が経っても色褪せている感じはなく、未だに「『BLACK LAGOON』観ました!」と言ってもらえる。そんな素敵な作品に関われたのはすごく嬉しいです。

──『BLACK LAGOON』はいわゆる分割2クールの後、4年ほど間が空いてOVAが作られた、ロングスパンの作品になりました。

豊口 2期が終わった時に原作ではロベルタ編が連載中で、3期の時はロベルタ編の次の話を連載中だったんです。そんな感じで、原作でのエピソードが一つ区切りつくと、また新しくアニメができそうだなって。今ちょうどそのタイミングなんですよね。

浪川 僕らもずっとやり続けたい気持ちがあるんですよ。OVAとかそれこそ配信でとか。

豊口 それだ! じゃあU-NEXTさんオリジナル作品として、一つお願いします(笑)!

浪川 いいですね! それが実現できるかはさておいて、今後も続けたいという夢と希望はずっとあります。

豊口 本当に!

(C)2006,2010 広江礼威/小学館・BLACK LAGOON製作委員会

当記事はアニメージュプラスの提供記事です。