アニメ映画『千年女優』 今敏監督の世界観に浸る

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今敏(こん さとし)監督は、日本のアニメーション監督。惜しまれながらも、2010年に46歳という若さでこの世を去りました。

今監督作品って、“現実”と“虚構”が入り乱れて色んな世界にテンポよく連れて行ってくれるんですよね。構成がもの凄く面白くて、あっという間に今監督沼にハマっていきました。2020年は没後10年を記念し、早稲田松竹では彼の傑作を特別上映するなど根強いファンが多いです。

『パーフェクトブルー』(1998)では“もう一人の自分”が主人公を追い詰めていく様を生々しく描き、『パプリカ』(06)では狂気に満ちた夢の世界の侵略をポップに描いています。頭の中をかき乱されるような不穏な気持ちにさせられる作品もあるのですが、不思議と癖になってしまうんですよね。

今回ご紹介する作品は、今監督作品の恋愛映画『千年女優』。でもただの恋愛映画ではございません。ラストにも、しっかり“今監督節”が炸裂しております。このラストのセリフで、体を後ろに突き飛ばされるような衝撃と感動が押し寄せてきました。

追いかけたい気持ち

追いかけたいタイプと追われたいタイプがいると思いますが、主人公の藤原千代子は追いかけたいタイプの人間。
千代子の純真無垢な瞳は、初恋の男性をどんな時でも追っています。「千年かけてでもあの初恋の人と再会するために、私は女優になる」その一途な想いが、千代子を映画女優へと導いていくのでした。

映画女優になってもなお、千代子の気持ちは変わるどころか膨れ上がる一方で…。
過去と現在、そして未来へとその想いは突き進み、時代と時間が交錯していきます。

普通と違う時間感覚

この作品の魅力はやはり、時代と時間が交錯していく感覚を映画を観ながら体験できることではないでしょうか。

年老いた千代子がインタビュアーに過去を語る場面。
千代子の話は徐々に現実と妄想の狭間が曖昧になっていき、戦国時代から現在、そして未来の月面までひた走っていきます。その姿に、現実と虚構が混交し何度も翻弄させられました。

昔話的な要素を意図的に盛り込んだという本作は、日本の昔話である「竹取物語」を意識しているそうです。千代子は“月さえも越えて行くかぐや姫”だと語る、今監督。
まさにかぐや姫が故郷の月へ帰るように、千代子もまた異界に生きていた人物として描かれていました。

時代が交錯するシーンはホントに圧巻です。
あなたも千代子と一緒に、時空を超えてみませんか。

【公開】 2002年

【キャスト・スタッフ】
 監  督:今敏
 脚  本:今敏
      村井さだゆき
 声の出演:荘司美代子
      小山茉美
      折笠富美子  他 

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