アメリカは日本の1.5倍以上の値段!? ビッグマックの価格から知る、日本の貧しさ

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意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「失われた30年」です。
■ 日本は次第に貧しくなった。その自覚を持って。

日本経済は、バブルが崩壊した1990年代の初めから低迷が続いており、「失われた30年」と呼ばれています。1990年と2020年のGDPを比べると、アメリカは3.5倍、中国は37倍になったのに、日本はわずか1.5倍にとどまります。平均賃金もアメリカは47.7%、イギリス44.2%、ドイツ33.7%増なのに、日本は4.4%増と、ほとんど上がっていません。

日本は新自由主義のスタンスをとり、平成時代は積極的に規制緩和を行い、経済成長を企業の自由競争に任せていました。そうすることにより企業活動は活発になり、欧米諸国同様、個人の所得も次第に上がるはずでしたが、そうはなりませんでした。理由の一つは、日本が産業構造の転換に乗り遅れたことが挙げられます。この30年の間に、世界のメインプレイヤーは様変わりしました。トップはIT関連が占め、かつて勢いのあった日本の家電メーカーは軒並み力を弱めました。

また、若い世代や新しい科学技術への投資が行われず、日本独自の新産業の育成がうまくいきませんでした。政治の責任と言われますが、僕は、企業が投資先を見誤った結果ではないかと思います。海外からは情報や通信産業の市場を解放してほしいという強い要望があり、規制緩和の末に、気づけば通信業界はGoogleやAppleの主戦場となり、テレビ業界はNetflixやAmazonに市場を奪われてきています。

「ビッグマック指数」という、ビッグマックの価格を比較し、その国の物価や貨幣価値を測る指標があるのですが、アメリカでは日本の1.5倍以上の値段でビッグマックが売られています。アメリカは企業が成長し、国のGDPも個人の所得も上がっているので、値段を上げても売れるのです。日本は逆にデフレが続き、値段を下げないと売れず、企業の収益も上がっていません。日本が貧しい国になってきているという事実を、私たちは自覚しなくてはなりません。今年は参議院選挙があります。税金をどう使うのか、私たちの所得を上げるための政策を打ち出しているのはどの政党か。危機感を持って選挙に臨んでほしいと思います。

堀 潤 ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。

※『anan』2022年1月26日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

当記事はananwebの提供記事です。

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