浪川大輔&豊口めぐみが振り返る『BLACK LAGOON』と出会った時

今だから観たいゼロ年代に人気を博したアニメ作品をピックアップしていく、U-NEXTによる名作アニメとの「再会」プロジェクト『THE PLAYBACK』。出演キャストと共に懐かしの作品を振り返り、その魅力に改めて迫っていく。
その第2弾は、広江礼威原作のハードボイルド・ガンアクション『BLACK LAGOON』。主人公・ロックを演じた浪川大輔さん、ロックとバディ的関係となる女性ガンマン・レヴィを演じた豊口めぐみさんのスペシャルトークが実現。インタビュー前編は動画撮影の裏側から役が決まった時の思い出、それぞれが演じたキャラへの思いを語って頂きました。(全2回)

>>>浪川大輔さん&豊口めぐみさんの収録風景を見る(写真3点)

──今回のスペシャルトークは、トークバラエティっぽい感じになっていますね。

豊口 あはは! いや、でもバラエティにしようと思ってたわけでは……(笑)。

浪川 そうそう。ドキュメンタリーですよ!  そのつもりで僕は喋りましたから。

豊口 え、あれが(笑)?

浪川 あれこそザ・ドキュメンタリーです(笑)、『THE PLAYBACK』というタイトルではありますけど。

豊口 いやぁ、もう完全に愉快なトークパーティーみたいになっちゃいましたけど(笑)。なんか、この二人が揃うとそんな風になっちゃうんですよね? 改めて、よくあんなにシリアスな作品をやれてたと思いますよ。
そもそも『BLACK LAGOON』でのキャストトークみたいなことは、多くなかったですよね。イベントで1回か2回あったかどうか……これまで作品を語ること自体があんまりなくて。

浪川 そうだね。

豊口 だから最初はどうしたらいいか、ちょっと分からなかったです。

浪川 収録ではあんなに普通に喋ってたのに(笑)?

豊口 こんな風に(浪川さんが)私が言うことをなんでも拾ってくれるので、安心してできました(笑)。

浪川 こういうご時世ですし、配信でのトークというのも皆さんにお届けする形として良いなと思いました。トーク内容に関しては、豊口さんが『BLACK LAGOON』にすごく詳しいので。

豊口 そんなことないよ?

浪川 台本も結構僕らにお任せみたいな感じになっていたので、本当に我々のトーク主体の映像なんだなと。だからもう豊口さんがほとんど喋るように仕向けました(一同笑)。僕が多少うろ覚えの部分があったとしても豊口さんがフォローしてくれるだろうと思って。そしたら、ちょっと記憶違いの部分を鋭く指摘してくれて、「思うツボ」です(笑)。

豊口 きっと浪川さんはそういう感じだろうなって、私も思ってました(笑)。だから、お互いのことを分かって撮影に臨んでいた気がします。

──見事なバディ感ですね(笑)。

豊口 確かにそうですね(笑)!

──当時、それぞれ役が決まった時の感想は?

浪川 オーディションだったんですけれど、青年であるロックをどの辺りの年齢感で演じたらいいのかな? という部分は悩んだところでした。仕方がないので演技のテクニックでどうこうというより、とにかく全力でぶつかって行こう、そういう気持ちで臨んでいた記憶があります。

──当時の浪川さんは、まだ会社員と二足の草鞋だったとのことですが、サラリーマン出身のロックにかなりシンパシーを感じていらしたのですか?

浪川 はい。だからこそサラリーマンの「普通感」を出さなきゃと思っていたんですけど、ロックの周りは全然普通じゃない状況で。『BLACK LAGOON』のキャラクターやアニメのキャスト陣もみんな力強かったので、僕自身演じるというよりも、彼同様呑み込まれるというか、周囲に身を委ねる感じでした。

豊口 私もオーディションで選んで頂いたんですけど、役が決まったと聞いた時は「これは大変だ!」と思ったんですが、後で他のレギュラーキャストのお名前を知って「ああ、これは本当に大変かもしれない!」って腰が引けました(笑)。
しかもレヴィはロックを巻き込んでいく側で、最初からその世界に完全に馴染んでいなければならないので、もうキャラクター作りとかの初動が大変で! 当時、そこをどう苦労して乗り切ったのか、今は覚えていないくらいで……(苦笑)。

浪川 そりゃ、苦労しますよ。あのレギュラー陣……礒部勉さん、平田広明さん、小山茉美さんといった大先輩がズラリと並ぶ中、同列のセンターに20代の若手の子がいるって、すごいプレッシャーだったんじゃないかなって。しかも(当時の豊口さんとしては)そんなに使っていない低い声でお芝居しなきゃならないし。

豊口 ただ1期の1話はかなり映像が完成状態に近かったので、その点ではやり易かったとは思うんです。ちゃんとアクションも分かるし、その分「この画に負けないように!」っていうのはすごくありました。

(C)2006,2010 広江礼威/小学館・BLACK LAGOON製作委員会

──豊口さんの中で、レヴィを「掴めた」と実感できたのはいつ頃だったんですか?

豊口 たぶん5話ですね。沈没した潜水艦の中にロックと二人で潜入する話。そこでロックに自分の事を訥々と語るんですけど、あの話くらいからかなぁ。「モノにできた」というのは何ですけど、近づけてきたかな? って感じたように覚えてます。

──それぞれ演じる上で意識していたことはありますか。例えば、レヴィは荒っぽい口調ですけれど。

豊口 そうなんですよ、その「荒っぽい流暢さ」が最初はなかなか難しくて。そこは1期1話の時に結構注意を受けた気がします。
それからレヴィは「ハッピー♪」っていう気分では演じられない役で(笑)。当時の私が感じていたプレッシャーや大変さは、思えば演じる上ではプラスだったんじゃないかな。

──ロックは、普段は優しさやモラルをあの世界で生きる上での矜持としているところがありますね。

浪川 あの世界でモラルを持って生きているロックは、僕から見ても「なりたい男」です。でも後半は全然持ってないですけど(笑)。

豊口 本当ですよ! 怖いよ、もう(笑)!

──3期での浪川さん曰くの「悪ロック」(冷酷な雰囲気のロック)って、結構豹変するような印象があるんですけれど。

浪川 そこは3期のOVAシリーズからです。やっぱり基本は「ヤバいよ、まずいよ、やめようよ」なんですが、周りのみんなに支えられて生きていく中で残酷で辛い思いをしながら追い込まれて、どうしても変わらなきゃいけないという開き直りの時がついに来た、というか。

──当時は、悪ロックへの変化というのは浪川さんとしてはグラデーションを着けて変わっていく感じで演じてたんですか?

浪川 いや、結構「よいしょっ!」って感じで切り替えた気がします。2期と少し間が開いてからかもしれないですけど。

豊口 4年くらいですかね?

浪川 でしたよね。だから、アフレコ現場で「ここでこんなに突然変わるんですか?」って言った覚えがあります。でも、そこはロック自身背伸びしている感じがあって、自分の中ではそんなに違和感はなかったです。

──お二人から見て、ロックやレヴィの生き様はどう感じられますか?

浪川 ロックほど人に決められた生き様ってあります(一同笑)? 偶然関わった他人に、あそこまで人生を変えられたわけですよ。1期1話の船の上から人生リスタート。

豊口 確かに、なかなか無いよね。

浪川 それで日本に帰ってきたと思ったら、バラライカさんの「ビジネス」のお供で、怖い人たちが常に周りにいっぱいいるし。だからもう、生き様は「皆さん次第」ですよ。

豊口 (笑)。レヴィは彼女なりに生きる上で貫いているものはあると思うんですよ。だから真逆なところのあるロックの言動にカチンときて掴みかかってみたり。でも同時に迷いも絶対にあって……レヴィ自身が正解と信じていた部分が、ロックと出会ったことで揺らいだというか。

浪川 なるほど。

豊口 ずっと「自分はこうだ」と思って生きてこようとして、実際にそうして生きてきた……生き抜くのにギリギリの世界でモラルは役に立たないですから。でも普通のヤツが入って来ちゃったから、ちょっと子供の頃の感情を思い出しちゃった、みたいな。そういうことから、ロックと衝突したんだと思うんですよ。ほら、『BLACK LAGOON』の世界は一般の感覚の人は生きていけないから。

浪川 そうですよね。

豊口 ただ、私自身としてはまた揺さぶられたいっていう感覚はあります。そうなった時にレヴィはどうなるのか? っていうのは、見てみたいですね。

浪川 じゃあ、もう一人くらい日本のサラリーマンを……。

豊口 (レヴィの口調で)揺さぶってくるのは、お前(ロック)じゃねーのかよ? ああ、お前はこっちの世界にすっかり染まっちゃったもんなぁ(笑)!

浪川 そうそう、ロックは染まっちゃってるから(笑)。

(C)2006,2010 広江礼威/小学館・BLACK LAGOON製作委員会

当記事はアニメージュプラスの提供記事です。

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ