柊マグネタイト feat.可不「マーシャル・マキシマイザー」歌詞の意味を考察!デーモン・コアが関係してる?

UtaTen

「マーシャル・マキシマイザー」の難解すぎる歌詞を徹底解釈


新進気鋭の人気ボカロP・柊マグネタイトが、6作目となる楽曲『マーシャル・マキシマイザー』のMVを2021年8月21日に公開しました。

柊マグネタイトが初めて可不を使用したこの楽曲は、疾走感のあるメロディがTikTokで注目されCeVIOの殿堂入りを果たし、YouTubeの再生回数もダブルミリオンを達成しています。

▲柊マグネタイト feat.可不-マーシャル・マキシマイザー【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

思わず聴き入ってリピートしたくなる作品ですが、歌詞が難解でどういう意味があるのか気になっているリスナーは多いのではないでしょうか。

散りばめられた印象的なフレーズを取り上げながら、独特な世界観を持つ「マーシャル・マキシマイザー」の歌詞の意味を徹底考察していきたいと思います。

冒頭の歌詞にある「臨界実験」や「14听」のフレーズから、この楽曲はデーモン・コア実験について描いていると考えられます。

デーモン・コア(悪魔のコア)とは、アメリカの核兵器プロジェクト・マンハッタン計画のために製造された約14ポンド(6.2kg)のプルトニウムの球のこと。

この曲の主人公はそのプルトニウムを臨界状態に近づける「臨界実験に付き合う」関係者の一人のようです。

続く「気が狂うヒトの振りをしているキミを観ている」の歌詞から、その実験者を「観ている」監視員の目線で描かれていると解釈できそうです。

この実験は、多くの研究者が危険性を察知して参加を拒否したと言われています。

それなのにあえて参加する実験者は監視員からは気が狂っているように見えたかもしれません。

また、実験者も「気が狂うヒトの振り」でもしていなければ実験を進められなかったとも考えられます。

次の「4U型」や「ラック」の表現は、19インチラックを示していると解釈できるでしょう。

19インチラックとはネットワーク装置が効率よく複数収納できるよう規格化された横幅19インチのサーバーラックのことです。

そのうち高さ7インチの機器が「4U」というサイズ。

それを「面倒だったから切り捨てた」という言葉がどういう意図なのかは不明ですが、いつでも切り捨てられて替えがあるものの象徴というイメージだと解釈しました。

そして「擦れ違うモノに無為に期待を背負わせている」の一文は、世界を変えようとヒトではなく核のようなモノに期待をかけた当時の人たちの様子を捉えているように感じます。

食べてすぐ寝て丑になる 起きてまた寝て人でなし?




早口言葉のように繰り出されるこの部分で、1文目に出てくる「イド」はラテン語で「自我」という意味があります。

「青の感光」はおそらくコアが臨界状態になった時に見える、放射線の青い光のことを指していると考察できます。

この光は目を閉じていても見えると言われているほど強いため、確かに関係者の「目に焼き付いた」のでしょう。

MVの背景が青色であることもこの光を表しているのではないでしょうか。

「モラトリアム」は延期や猶予などの意味があるので、「モラトリアム的人生」は大人になり切れないぼんやりとした生き方のことと捉えられます。

また「最大公約数」と「緩衝材」は、異なるもの同士が干渉し合うという共通点を持ったものとして考えられそうです。

この4文は関連性がなさそうに思えますが、研究者たちがこの核実験を正当化したり監視者の行動を非難したりしているように聞こえます。

これらの言葉を受けて主人公から返される「食べてすぐ寝て丑になる 起きてまた寝て人でなし?」の歌詞は、これまでの歌詞とは全く印象の異なるフレーズで耳に残りますよね。

昔から行儀の悪さの戒めとして、食べてすぐ寝ると牛になると言われますが、ここではあえて「丑」という漢字が使われているので、深夜2時頃を指す「丑三つ時」を連想させます。

まとめれば、だらしない生活を送っていると人の気持ちを考えない「人でなし」になってしまう、とでも言うのかと尋ねているように思えます。

さらに「丑(牛)になる」から、人でなくなるという意味もかかっていると考えると、より言葉のセンスを感じますね。

サビの歌詞によれば実験は「失敗」に終わります。

歴史を紐解くと、1945年と1946年に行なわれた実験で急性放射線障害により合わせて二人の研究者が命を落とし、まさに「失敗」に終わっています。

ここで出てくる「マキシマイザー」とは「追求者」と言う意味で、おそらく実験者の呼称です。

装置をうっかり壊してこのままでは「死んでしまう!」と分かっていても始まった実験は止められず、がんじがらめになってしまう様子が見えてきます。

ちなみにタイトルに使われている「マーシャル」には様々な意味がありますが、歌詞全体を通してデーモン・コア実験を取り上げていると考えると「軍事の」という意味が適当と思われます。

つまり「マーシャル・マキシマイザー」とは「軍事の追求者」を意味していて、デーモン・コア実験に関わった研究者を指していると考察できるでしょう。

MVではこの歌詞の後の間奏で、「先生」と呼ばれる実験者と主人公の「私」が会話するシーンのストーリーが文章で繰り広げられています。

主人公は先生から自分の意思で決めて生きていないからヒトではないと言われますが、人間の体をしている自分が「モノ」だという事実を受け入れられないようです。

それで、先生自身は自分の意思で生きていることを証明できるのかと問いかけています。

このストーリーが歌詞にどう関わるのかを、次の部分から考えてみましょう。

可不が歌うからこそ意味がある歌詞




「サンクコスター サンクコステス!」は、「sunk cost(埋没コスト)」に人物を表す接尾辞をつけたものという説が有力です。

実験は失敗に終わったため、かかったコストも時間も取り返しがつかなくなってしまいました。

続く「同位体」は同じ原子番号を持ちながら中性子数が異なる核種のことで、同一の起源から成るという意味でクローンと似たものと言えます。

間奏のストーリーで主人公がヒトのような見た目でもヒトでないとされたことと合わせると、この曲の世界で監視員を務めているのは実はクローンで、クローン自身は自分がオリジナルだと信じている状態のようです。

もしかしたら冒頭の「4U型を攫う烙句」という表現も、使い捨てられる控えのクローンが並ぶ様子を表しているのかもしれません。

「同位体」といえば可不もバーチャルシンガー・花譜の音楽的同位体で、言わば花譜のクローンです。

しかし可不にとって自分は一人で、自分こそがオリジナルという思いがあるでしょう。

「終いには取り戻したい!」というのも、オリジナルさえ取り込んで唯一になりたい可不の心の叫びが隠れているように感じました。

次の「無間地獄」は仏教の八大地獄の最下層にある、絶えることのない極限の苦しみに遭う地獄のことなので、デーモン・コアを使って与えようとした影響を物語っていると考えられます。

「But a 眩みUnbalance 乖離Faraway!」は簡単に訳して繋げると「だが眩みバランスを欠いて遠くへ乖離した!」となります。

意味が難しいですが、実験の失敗によって計画がバランスを崩したことにより、本当にこの計画が正しいのかと疑問に思った研究者たちの気持ちが離れていったことを示していると解釈しました。

MVのストーリーで「先生」が「私」の問いかけに言い淀んだのも、自分で選んで実験に参加したと思っていたのに本当は選ばされていたのではないかと気づいたからなのではないでしょうか。

実際はヒトもクローンも大差なく、常に誰かに影響されて物事を選ばされているのかもしれません。

可不が歌うからこそより重みを感じる歌詞ですね。

悲惨な歴史は繰り返される




前回の実験から生還した主人公は、また次の「実験に繰り出すアラーム」を聞きます。

「旧四」は、旧ソ連ウクライナ共和国の北辺に位置する、チェルノブイリ原発の4号炉で起こった大規模な事故のことを表していると考えられます。

また、音から「94」と捉えると原子番号94のプルトニウムにも繋がります。

「ロンド」が異なる旋律を挟みながら、同じ旋律を何度も繰り返す音楽方式であることを考えると、プルトニウムの用い方が違うとはいえ、歴史が繰り返される様子を伝えているのでしょう。

失敗してしまったものは「如何しようもないから」と、また新しく「気が狂うヒトの真似をしている」実験者が現れて次の実験が始まり、こうして悲劇は繰り返されていくのです。

「エゴ」はイドと同様に「自我」を意味する言葉で、後悔するのも自分の利益だけ考えた行為だという考え方を表しているようです。

「手に焼き付いた青の残像」は、実験で被爆した研究者の手が青白く変色したことを表現していると思われます。

「モラトリアム的人間」は、与えられた猶予に甘えて生きている人のこと。

最後の「最小公倍数断頭台」の意味は定かではありませんが、一番小さく取るに足りないものは切り捨ててしまおうというイメージだと解釈しました。

ここもクローンである主人公に向けられた言葉と判断するなら、聞いた主人公の切ない気持ちが理解できます。

かぎかっこ内はこれまでと違いマキシマイザーを呼びかける発言になっているので、これは主人公の言葉なのかもしれません。

「救世 愛待って焦がしたってFADE凶行」のフレーズは、モノであることを知って自身が救われる未来を望んでも、繰り返される凶行によりその希望が消えていく様子をイメージさせます。

その中で、実験が何度失敗してヒトがいくら死んでいってもクローンの自分は存在し続けるという意味で、「なんてことだ、生きてしまう」と考えているのでしょう。

「GATE」を「追い出される」という意味で捉えるなら、ヒトの恨みに巻き込まれながらも主人公の意思は常に追い出されていることを印象づけられます。

史実をモチーフにしつつ、ヒトのようでありながら決してヒトにはなれない主人公の心情を描く歌詞に引き込まれます。

「マーシャル・マキシマイザー」はMVと一緒にチェックしよう



柊マグネタイトの『マーシャル・マキシマイザー』は、爽快な音楽と可不の人間味のある柔らかい声からは想像できないほどヘビーな内容を取り上げた楽曲だったようです。

MVの映像も含めて考察していくと、これまで制作されたボカロ曲との関連も見えてきてさらに深い意味を感じることができるでしょう。

唯一無二のセンスでリスナーを引き込む柊マグネタイトの世界に入り込んでみませんか?

当記事はUtaTenの提供記事です。

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