『仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏』上堀内監督の挑戦「まったく新しいところに踏み出した作品」


東映Vシネクスト『仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏(トリオ)』(1月28日期間限定上映)の完成披露舞台挨拶が12日、東京・新宿バルト9にて行われた。主演の内藤秀一郎をはじめとする主要キャスト陣、そして本作のメガホンを取った上堀内佳寿也監督が登壇し、本作にかける意気込みを熱く語った。

『仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏』は、2020年9月から2021年8月にかけて放送されたテレビシリーズ『仮面ライダーセイバー』の続編映画である。「最終章」から8年後、かつて世界の均衡を守り、本の魔物=メギドと戦った剣士(仮面ライダー)たちそれぞれの新しい「物語」が描かれる。

心優しき小説家・仮面ライダーセイバー/神山飛羽真を演じる内藤秀一郎は、現在出演中のドラマ『もしも、イケメンだけの高校があったら』の役作りで金髪にしており、最初の挨拶で「今日はどなたに会っても『誰?』と言われますけど、正真正銘、神山飛羽真です!」と、大胆なイメチェンをしつつも中身は変わらないと強調。本作は『仮面ライダーセイバー』の最後の物語であると同時に、他の「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」とのコラボではない初の「単独」映画作品となった。内藤は「こうやって無事完成したことを喜ぶと同時に、不安もありました。これまでずっと、いろいろな影響で(セイバー単独映画が)できなかったので、撮影を始める前にみんなで『最高の映画にしよう』と話していました」と、新型コロナ感染拡大の影響を受け、従来の『仮面ライダー』シリーズでは毎年夏に企画されていた単独映画が実現しなかったため、その分まで本作に力を込めたことを明かした。

テレビシリーズ最終章から8年が過ぎた設定の本作では、出演者の衣装もかなりイメージが変わった。今回の衣装について内藤は「意外とラフなスタイルですよね。テレビシリーズではスーツっぽい衣装が多かったのですが、8年も経っているのだから少しは大人っぽくしたほうがいいかなと思い、こういった大き目の服になりました。上堀内監督といろいろ話し合って決めたのですが、個人的にもブカブカの服が好きなので、とても気に入ってます」と話し、飛羽真の新しいイメージをうまく作り上げることができたと笑顔を見せた。

元ソードオブロゴスの剣士、仮面ライダーエスパーダ/富加宮賢人を演じる青木瞭は、本作では翻訳家になっている設定。青木は「テレビシリーズよりも聡明な雰囲気があり、翻訳家らしいイメージになっているんじゃないでしょうか。ジャケットを着て、大人っぽさを出してみました。僕としては、倫太郎と比べてしまいますね」と、8年前と同じ衣装でいる山口貴也との対比を意識しつつ、賢人の新しい姿について説明した。

ソードオブロゴスの剣士・仮面ライダーブレイズ/新堂倫太郎役の山口貴也は、青木の言葉を受けて「8年後の倫太郎はソードオブロゴスの長(おさ)なので、忙しいんですよ。ファッションなんて気にせずに、ずっとこのユニフォームで世界の均衡を守っているので、これでいいと思います!」と生真面目な倫太郎の気持ちを代弁しつつ、我が道を行く発言を残した。

飛羽真の担当編集者で、ソードオブロゴスの剣士たちとの交流も深い須藤芽依を演じる川津明日香は、8年後の芽依の衣装について「衣装合わせの段階で、上堀内監督から“ノー脚出し”だと言われていまして、長めのスカートとかパンツスタイルで30代の女性に見えるよう意識しました。私服でも脚は出さないので、今回の衣装は普段着ているものに近く、動きやすかったです」と話し、元気いっぱいの芽依から大人っぽさを強調した芽依へと、華麗なイメチェンを図ったことを明かした。

一冊の本がきっかけで賢人と出会い、恋人同士となった女性・立花結菜を演じる飛鳥凛は、『仮面ライダーW』(2009~2010年放送)のクレイ・ドーパント/園咲若菜役でレギュラー出演し、人気を集めた。今回、久々の「仮面ライダー」シリーズ出演について飛鳥は「撮影現場に入った瞬間、ああ帰ってきたなという感じになりました」と心情を打ち明けた。続けて「上堀内監督(当時は助監督)や、プロデューサーの高橋一浩さんとは『W』の撮影でもご一緒していて、懐かしかったです。私は昔、土偶(クレイドール・ドーパント)になっていたんですけど(笑)、スーツアクターをされていた藤田慧さんもいらしていて、懐かしい~! 戦ってる~!って感激しました」と、かつて一緒に撮影の日々を過ごしていた仲間たちとの再会を喜ぶコメントを残した。

恋人役の青木の印象を聞かれた飛鳥は「初めてお会いしたとき、色が白くて背が高くて、スラッとした人だなって思いました」と、青木を絶賛。一方の青木は「飛鳥さんはとても腰が低くて柔らかくて、優しく丁寧な方。現場では僕のほうが緊張していて、ガチガチでした。爆竹の鳴るシーンの撮影で『この後、大きな音がしますから、気をつけてくださいね』なんて、つい飛鳥さんに言ってしまった。そうしたら『あっ、知ってます』って……(笑)」と話し、飛鳥が『W』で何度も爆発シーンを経験していたのを忘れるほど緊張していたことを打ち明け、苦笑した。これを聞いた内藤は「いつも瞭くんは何事にも完璧で、僕たちのリーダー的存在でしたから、そんな“ポンコツ”なところを見せるなんて意外です。僕もその場で見たかった!」と話し、青木に笑いかけた。

『仮面ライダーセイバー』でもドラマチックな名編を手がけた上堀内佳寿也監督は、今回のVシネクストを引き受けるにあたって「オファーをいただいたとき、もう一回『Vシネクスト』とはどんなカテゴリなのか、というところから考えてみました。テレビでは表現できないようなことにも挑みたい気持ちもありました。企画段階から参加し、かなり複雑でチャレンジングな作品にしたかった。『セイバー』の過去を振り返るのではなく、まったく新しいところに一歩も二歩も踏み出せるような作品を目指しました」と意気込みを語り、作品の狙いを明かした。

本作では、内藤、山口、青木、川津が主題歌「Bittersweet」を美しいハーモニーで歌唱。観る者の感情を激しく揺さぶる映画本編の幕を閉じるにふさわしいこの曲は、青木が「上堀内監督が、本編よりも気合いが入っていた」と言うほど、歌だけでなく映像にも力が込められているようだ。さらに青木はエンディング映像について「監督の“思い”がすごかった。後から説明を聞いて、だからここまで入れてくれたのか!と気づく仕掛けが入っていますので、ぜひみなさん最後までご注目ください」とアピールした。

主題歌の歌唱について内藤は「あんなに、なめらかな歌い方をしたことがなく、苦労しました。キャラクターソングのときは元気なイメージだったし、今回のように大人っぽいムードで歌うのは大変でした」と、収録時の苦労をしみじみ語った。

川津も「4人で歌うのは難しかった。私は主旋律のパートだったので、比較的スムーズに行きましたが、山口くんは3人とぜんぜん違うメロディで歌わないといけなくて、大変だなって思いました」と山口が難易度の高いパートを担当し、その苦労をねぎらった。

山口は川津の言葉を受け「僕のパートだけ違う音程で、すごく難しかった。収録はひとりずつ別々に行って、僕が順番の最後だったんです。収録を終えたみんながいい顔をして帰ってきたのに、僕だけ苦悩していて、その苦悩の姿を誰も見てくれなかったのがちょっと心残りな部分でした」と振り返った。

青木はエンディング映像と主題歌について「もう内容がとんでもなくいい出来ですから、早くみなさんに観てほしい!」と、映画の大きな注目ポイントであることを再度強調した。すると上堀内監督から「余計なハードルを上げなくていいから(笑)」と、期待を煽りすぎることを心配するようなコメントが飛び出した。また、川津はエンディング映像について「流れている主題歌と自分の口の動きを合わせる(リップシンク)のが難しかったです」と、撮影時の苦労を明かした。

全体の出来栄えについて尋ねられた上堀内監督は「ス・テ・キでしたよ!」と微妙な言い回しで4人の演技と歌唱を称えた。するとすかさず青木から「こういう場にいるときくらい、ちゃんと褒めてくださいよ!」と鋭いツッコミが入る場面が見られた。

本作の設定にちなんだ「8年後の自分は何をしているか」というトークテーマでは、まず内藤が「役者として、芝居は続けていると思います。8年後は33歳ですから、結婚もしているかな……。理想ですけれど、幸せに暮らしたい」と、未来の自身の行く末を想像しつつ目を輝かせた。山口は「セイバーの撮影が始まったのが、ちょうど2年前。そこから8年後だと10周年になりますから、そのタイミングでまたみんなと集まりたい」と、『セイバー』キャスト、スタッフとの同窓会開催に思いを馳せた。川津は「8年後……ラッキーみたいなワンちゃんを飼えるくらいの余裕がほしいです」と憧れを見せた。青木は「都心から離れて、犬を飼って、美しい植物を見ながらコーヒーを飲んでいるような、カッコいい大人になりたい」とスタイリッシュな自身の未来予想を立て、周りのキャストから冷やかされた。

飛鳥は「2年くらい前、『仮面ライダーW』の10周年を祝ってみんなで集まったことがありました。8年後だと20周年になりますから、また集まりたいですね。8年後も、今と変わらずに暮らしていたい」と、『仮面ライダーW』で出会ったかけがえのない仲間との、さらなる再会の日が来ることを願ってコメントした。

キャストそれぞれの熱い思いを聞いた上堀内監督はいたく感激し「8年後もここ(ステージ)に立っていたい。登壇しているみんな、ひとりも欠けることなくこのメンバーで作品を作りたい」と自身の夢を語り、客席から大きな拍手を浴びた。

最後の挨拶で青木は「僕たちの思いが強く込められた、大切な作品になりました。8年後という状況で、ひとつひとつの答えが決まっているのではなく、ご覧になるみなさんの中で答えを見出していく……という作業が何回もできる作品です。一度だけでなく、二度、三度と観てください」と、繰り返し鑑賞することで物語の世界にいっそう深く入り込むことができる作品だと、熱烈にアピールした。

山口は「倫太郎が今回背負うのは『家族』というテーマです。橋本さとしさんが演じられた父親・真二郎と倫太郎との関係も重要ですし、倫太郎と芽依さんとの関係がどうなっているのか……。細かな場面であってもすべてに“倫太郎らしさ”がよく出ていると思いますので、ぜひご注目してください」と、本作における倫太郎の見どころを力強く語った。

内藤は「僕の強い気持ちを作品に乗っけているので、たくさんの方たちに観ていただきたい作品です。内容は少し難しいかもしれないですが、それだけに、観ていくうち『こういうことだったのか!』といった発見がたくさんあるのではと思います。公開されましたら、ぜひ劇場へと足を運んでほしいと思います!」と自身の並々ならぬ情熱が作品に盛り込まれていることを改めて強調し、『仮面ライダーセイバー』を愛するファンたちに応援を呼びかけた。

Vシネクスト『仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏』は2022年1月28日より期間限定上映が開始。5月11日には東映ビデオからBlu-ray&DVDソフトが発売される。

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当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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