【心温まる映画】映画『過去のない男』今を生きる大切さを教えてくれる

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フィンランドの巨匠アキ・カウリスマキ監督が描く、記憶を失った男の心温まるストーリー。
ひとりの人間の再出発を描いた本作。見終わった後は、じんわりと心が温かくなります。

第55回カンヌ国際映画祭では、審査員特別グランプリと下士官を演じたカティ・オウティネンが女優賞を受賞しています。

映画『過去のない男』のあらすじ

フィンランド・ヘルシンキ行きの列車のなかに、その男の姿はありました。たどり着いた夜の公園で、暴漢に襲われ病院へ運ばれた男。一時は死んだと診断された男でしたが、奇跡的に一命を取り留め病院から脱走します。

その後、港の岸辺で昏倒していたところをコンテナに住む一家に救われます。徐々に回復していった男でしたが、過去の記憶をすべて失っていることに気づき、その地で再出発を決意するのでした。

映画『過去のない男』の見どころ

主人公の“過去のない男”が汽車で食べているのがお寿司だったり、サントラにクレイジーケンバンドの「ハワイの夜」、小野瀬雅生ショウの「MOTTO WASABI」が採用されていたりと日本文化が出てきます。
サントラに採用されたきっかけとなったのは、カウリスマキ監督ファンである小野瀬雅生が自分たちのCDが発売される度にカウリスマキに送っていたからだそう。

まったく人を食べそうにない可愛らしい犬の名前がハンニバルだったり、登場人物のセリフが絶妙にズレていていたり、その“ズレ”が絶妙に面白い本作。
クスっと笑える反面、人の優しさにじ~んとする、カウリスマキ監督の独特の世界観を堪能できますよ。

人生は後ろには進まない

「人生は後ろには進まん。進んだら大変だ」

“過去のない男”を励ますために、コンテナ一家の主人が言った言葉です。
過去に何があったとしても、人間はいつでもやり直せるということを気づかせてくれます。

港の岸辺に住まう人々は、コンテナやホームレスなどいわゆる下流階級と呼ばれる人々。金曜日には救世軍の配給するスープを食べに行き、なけなしの給料でたまにビールを飲む。

自分たちも決して裕福ではないのに、コンテナ一家の妻は「家や夫に仕事があるだけ、自分たちは恵まれている」と言って“過去のない男”を見捨てることはしません。そこで暮らす人々は皆、慈悲深く、助け合う精神に溢れているんです。人間を過去や見た目で判断しないのです。その姿は、心の豊かさに満ちていました。
どのような過去を持っていたとしても、“今を生きること”で人生は前に進んでいくのかもしれません。

どんな状況の人にも優しい眼差しを向けてくれる、ずっと手元に置いて何度も見返したい一作です。

【公開】 2003 年(日本)
【キャスト・スタッフ】
監督・脚本:アキ・カウリスマキ
出   演:マルック・ペルトラ
      カティ・オウティネン
      アンニッキ・タハティ 他

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