一人一人が率直に意見を言い合えるチームを作るには? そのアプローチ法を行動分析とともに徹底解説!

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 みなさんはこれまで仕事をしていて以下のような経験はないでしょうか?

・会議で率直に意見を言うと場の空気が悪くなりそうなので、何も言わずに黙っていた
・上司の指示がわかりづらかったけれど、質問しづらくて見当違いな努力をしてしまった

きっと多くの人が「ある」と答えるのではないかと思います。組織やチーム全体の成果に向けて、一人一人が率直に意見を言い合っても安全だと感じられる状況・環境を作るのは難しいのです。では私たちがチームの心理的安全性を作るには、どうすればよいのでしょうか。

それを単なるノウハウの披露ではなく、理論と体系に裏付けられた実践にまで落とし込んで解説しているのが、今回ご紹介する『心理的安全性のつくりかた』です。本書では、心理的安全なチームは「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場のこと」だと説明しています。

ここで間違えないようにしたいのが、「心理的安全性の高い職場」とは、けっして「ヌルい職場」ではないことです。クオリティの低いアウトプットでも許され、すぐに妥協する職場では、いくら和気あいあいとした雰囲気でも仕事の基準そのものは低いままになってしまいます。目指すべきは、心理的安全性・仕事の基準ともに高い「学習して成長する職場」。チーム間で健全な衝突を展開することが、チームの学習を促進し、その結果、中長期でのパフォーマンスを上げるのだそうです。

著者・石井遼介氏の研究チームでは、組織の心理的安全性を計測する組織診断サーベイを開発し、これまでに6000人・500チームの「日本のチームの心理的安全性」を計測してきました。その結果、日本の組織では、次の4つの因子があるときに心理的安全性が感じられることがわかってきたといいます。

1話しやすさ(何を言っても大丈夫)
2助け合い(困った時はお互い様)
3挑戦(とりあえずやってみよう)
4新奇歓迎(異能、どんと来い)

まずはそれぞれの頭文字をとった「話助挑新」がある状態を目指してみるのがよいかもしれません。

また、チームを変革する際には、それが大きなものであればあるほど、反対や抵抗も大きくなります。それぞれ異なる歴史を持つチームにアプローチするには、単に事例やノウハウを実行するだけでは難しいことも多いもの。そこで改革者にとって重要になってくるのが「心理的柔軟なリーダーシップ」だと石井氏は説きます。

心理的柔軟性とは「『状況・立場・文脈』に応じて、とっている行動をより役に立つように切り替えられるしなやかさのこと」(本書より)。その具体的なアプローチを公開しているのが、第3章・4章に出てくる「行動分析」と「言語行動」です。実践で役立つ行動や言葉、アイデアなどについてじっくりと書かれていますので、ぜひ参考にしてみてください。

めまぐるしく変化し、特にコロナ禍以降は正解の不確かな現代において、自分自身、そしてチームがどのように成果を出していけばよいのか悩んでいる方も多いかと思います。その解決に向けてひとつの鍵となるかもしれない「心理的安全性」。日本の人事部「HRアワード2021 書籍部門」で優秀賞も受賞した本書は、チームのリーダーや管理職の「教科書」として役に立つのではないでしょうか。

[文・鷺ノ宮やよい]

当記事はBOOKSTANDの提供記事です。

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