怒りに満ちた“マスト期”の雄ゾウ、6トンの巨体でサファリカーを襲う(南ア)<動画あり>

南アフリカ、クルーガー国立公園内の野生動物保護区「セラティ・ゲーム・リザーブ(Selati Game Reserve)」で11月28日、サファリカーが怒りに満ちたオスのゾウに襲われた。当時の緊迫した様子はカメラが捉え、『News24』『The Mirror』などが伝えて拡散している。

体重6トンほどの巨大なオスのゾウに襲われたのは11人乗りのサファリカーで、車にはツアーガイド養成学校「エコ・トレーニング(EcoTraining)」のインストラクターや生徒ら数名が乗っていた。

当時の動画では、舗装されていない道路をゆっくりと進む車のボンネットの上に男性が座り、その先に2頭のゾウが歩いているのが見て取れる。

すると突然、牙を持ったオスのゾウが左手から鳴き声をあげて現れ、一度立ち止まると鼻を高く上げた。ゾウが怒りに満ちているのは一目瞭然で、その後前足で土を蹴るとサファリカーに向かって突進、その巨体で車を30秒ほど押し続けた。

この車の後方には2台目のサファリカーが停車しており、ガイドの男性がゾウの攻撃を受けて道を塞ぐように止まった車に近づくと、女生徒3人らが飛び降りるのを補助する様子が映し出されている。

幸いにもオスのゾウは車を滅茶滅茶にして気が済んだのか、その後くるりと後ろを向くとその場を後にした。

「エコ・トレーニング」の最高経営責任者アントン・ラテガン氏(Anton Lategan)は、サファリカーが繁殖期のゾウの群れに近づきすぎたことを認めつつも「あのオスはちょうどマスト期でテストステロン(男性ホルモン)レベルが非常に高かったのでしょう。それが今回の攻撃的な行動につながったと思われます」と分析した。

専門家によると、マスト期とは中年から高齢のオスのゾウが生殖行動に駆り立てられて攻撃性が高まる時期で、数週間から数か月続くという。オスは通常単独で生活するが、マスト期に入ると強烈な臭いの尿をポタポタと出し、こめかみ付近の側頭腺からフェロモンを含んだ濃い液体を分泌させる。そして可能な限り多くのメスと交尾しようとし、テストステロンの値は通常の60倍にもなるそうだ。

この事故を受け、セラティ・ゲーム・リザーブの統括マネージャーであるブライアン・ ハーヴェマン氏(Bryan Havemann)は「車は損傷しましたが、幸いなことに怪我人はいませんでした」と声明を発表し、「エコ・トレーニング」は事故に巻き込まれた人々にカウンセリングを行うことを約束した。

ちなみに野生のアフリカゾウの寿命は60~70年と言われ、オスの肩高は大きい個体で4メートルに達し、短い距離なら時速40キロで走ることができる。2018年には南アフリカの野生動物保護区で、33歳のサファリガイドの男性がマスト期のオスに踏み潰されて死亡する事故も起きており、アフリカゾウに襲われた場合には、ジグザグに走ったり、木や大きな岩の後ろに隠れることが有効ということだ。

画像は『The Daily Star 2021年11月30日付「Sex-crazed elephant attacks safari car and rams it off road as students run in terror」(Image: @ItsGoingViral1/Jamie Pyatt)』『The Mirror 2021年11月30日付「Six-tonne elephant smashes up safari truck as tourists flee for their lives」(Image: Pafuri/WhatsApp)』『News24 2021年11月30日付「WATCH | Bull elephant rams into safari vehicle as students scramble to safety」(Supplied)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

当記事はテックインサイトの提供記事です。

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