May’nが語る新シングル『オレンジ』と『マクロスF』シェリルとの再会

弱冠15歳でメジャーデビューし、『マクロスF』に登場する歌手、シェリル・ノームの歌パートを担当するなどして一躍知名度を上げた、歌手のMaynさん。様々なアニメ主題歌を担当し、ミュージカル女優としても舞台を踏むなど、活躍の場を広げ続けている彼女が、11月24日にニューシングル『オレンジ』をリリースする。そんな彼女に、新曲についてはもちろんのこと、大きな影響を与えたという『マクロスF』についても伺ったインタビューをお届けする。

――ちょうど現在、『マクロスF』シリーズの約10年振りとなる完全新作、『劇場短編マクロスF ~時の迷宮~』が公開中ですが、こちらはご覧になりましたか?

Mayn ちょうど昨日、(シェリル・ノームの声優を務める)遠藤綾さんと観に行ったところです! これまでの『劇場版マクロスF ~イツワリノウタヒメ~』も『劇場版マクロスF ~サヨナラノツバサ~』も一緒に映画館に観に行っていたので、今回も一緒に行きました。なんか儀式みたいな感じになっていますね。

――ご覧になっていかがでしたか?

Mayn なんかもう、号泣しましたね……。『マクロスF』の短編が終わると、一瞬間が空いてから『マクロスΔ』の映像が始まるのですが、その一瞬で二人、顔を見合わせました。最初から泣いていましたが、他のキャラクター達が出てきただけでも、泣くようなシーンじゃないのに「みんなにまた会えた!」という懐かしさで泣いていました(笑)。その後、シェリルの歌声が聴こえてきたら、「シェリルが歌ったー(泣)」みたいな感じで更に泣いて……。

――ご自身の声ではあるけれどですか?

Mayn 確かにシェリルの歌声は自分が収録した声なんですけど、アニメを観ている時は、全然自分という意識はないんです。これは前から変わらずずっと同じ感覚で。そして、私的に一番泣いたのは最後のエンドロール。更に号泣しました(笑)。長年応援してくださっているシェリルファンの方にしてみれば、今作でシェリルのその先が描かれることに不安があったと思うのですが、それでもきっと喜んでいただける作品になっているのではないかと思います。

――Maynさんにとって、シェリル・ノームというキャラクターはどんな存在なのでしょうか?

Mayn 凄く特別な存在ですね。私自身のキャリアがMaynに変わったのもシェリルと出逢ってからなので、一心同体みたいな気持ちもあります。シェリルの楽曲を歌う時は、自然と自分の体の奥底にずっといるシェリルが目を覚ます感覚というか……。シェリルとして歌っている時は、「シェリルを演じている」という感覚は全くなくて、体の奥の方からシェリルがグググっと起き上がってくるような感覚なんです。今回、久々にシェリルとしてのレコーディングをさせてもらいましたが、「シェリルってどんな感じだったっけ? シェリルの声にしなきゃ」みたいなのは全くなく、自然とシェリルに戻れました。2008年の出逢いからずっと、シェリルの気持ちを失ったことは一度もないですね。一緒に歌わせてもらっています。

――今回のレコーディングは、ランカ・リー役の中島愛さんと一緒にされたりも?

Mayn 一緒ではないですが、同じ日のレコーディングだったので顔は合わせました。その時に菅野よう子さんから、「二人の声が前よりも似てた」と言われたのが印象に残っています。今までは、「合わないのに合っていなくもないというのが凄く不思議だ」と菅野さんに言われていたのですが、今回は、前よりも溶け合うというか似ている部分があったようで……。歌う前にすり合わせていた訳でもないので、愛ちゃんと二人で驚いていましたね。

――年月を重ねてきたからでしょうか……。今回久しぶりにシェリルとして歌うにあたり、新たなディレクションなどはありましたか?

Mayn シェリルは『サヨナラノツバサ』の時点からずっと眠ってしまっていて。ランカちゃんは成長しているんですが、シェリルは眠っているのであまり変化はない。けれどシェリルって、どんな時も歌うことを止めることができないんです。歌うことを選んだシェリルの宿命というか心の強さ、音楽への強い気持ちは表現できたら良いなと思って歌いました。

――今後にもちょっと期待したくなっちゃいました。

Mayn そうですよね! どうなるかは全く分からないのですが、もし続きがあるのなら私も楽しみです。

――ありがとうございます。『マクロスF』をはじめ、これまでもたくさんアニソンを歌ってこられたMaynさんですが、今回リリースされる楽曲もアニメのタイアップ曲なんですね。

Mayn そうですね。今回リリースするシングル『オレンジ』には3曲収録されているのですが、表題曲はTVアニメ『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』、『シキザクラ』はTVアニメ『シキザクラ』のエンディング主題歌になっています。

――『オレンジ』はご自身の作詞作曲になっていますが、制作にあたってのオーダーなどはあったのでしょうか?

Mayn オーダーというのはあまりなくて、この作品のエンディング主題歌を是非お願いしますと言っていただきました。今まで、自分のアルバム収録曲などでは作詞作曲をしてきたんですが、タイアップ作品で作詞作曲に挑戦するのは初めてでした。数年前から、タイアップ作品等でも自分のクリエイティブな面を発揮したいというのは一つの目標として掲げていたので、レーベル移籍後第1弾シングルで大きなチャレンジができるのは、とても有難いことだなと嬉しかったです。

――特にオーダーがなかったとのことですが、曲作りはどんな風に?

Mayn 台本や設定資料を全て読ませていただいたところ、登場人物の一人である、(清瀬)優ちゃんが私的にグッときたんです。ずっと一人でプライドをもってアイスホッケーに打ち込んできた女の子なんですが、仲間の存在によって変化し、成長するんです。その部分に凄く共感したので、そんなところを楽曲に取り入れながら、アイスホッケーのチームプレーの温かさや『プラオレ!』の全体像を描いていけたら良いなと進めていきました。

――制作にあたっての苦労は?

Mayn まずアニメサイズを作ってOKをいただいたら、フルバージョンを作る形で進めたのですが、最初にアニメサイズを作ったことで一度世界観が完成してしまって……。そこからどうやってフルにしようかというところでかなり悩みました。エンディングテーマだからこそ、アニメサイズでも、どこか落ち着くゴールを見せて終わりたいなというのが私の中であったので、アニメサイズだけで一つの楽曲のゴールが出来てしまったんです。ここは、普段の制作と違う、アニメタイアップならではの苦労だなと感じましたね。

――フルサイズに広げていくにあたっては、どんなことをされたのでしょうか?

Mayn 今回は優ちゃんの気持ちを描きたいというのが私の中で強くあって。一人でずっと頑張ってきたけど、一人じゃできないことってあるんだなと気付かされて、仲間がいることの心強さを知れたからこそ、そこから未来が広がっていくというゴールをアニメサイズ(1番)で作ったんです。そこでゴールを見せたからこそ、私としては2番以降後ろ向きにはしたくなくて。なので、あえてサイズをちょっと短めにして、成長した心のまま、どんどん一歩ずつ進んでいくという形にしました。

構成は変わっていると思いますが、あんまり普通の展開にして回り道したくないなと。学生の時って悩むこともたくさんありますけど、心の成長スピードもとても早いんじゃないかなと私の経験からも思うんです。この曲の構成は『プラオレ!』のエンディング主題歌として制作をさせていただいたからこそ思いついた形であり、自分自身も新しい楽曲が作れたなと嬉しく思っています。

――気に入っている部分は?

Mayn この曲はアニメの楽曲でもあるけれど、自分のシングルの表題曲でもあるというところで、自分自身の気持ちとしても100%の曲を作りたいなというのは凄く思っていて。今のMaynが感じている青春も、私自身の中高生時代の青春も入れ込みたいと思ったので、そんな青春を思い出して入れ込んでいく作業は苦労しました。そんな中でも、「重ねてく手のひら伝う」という歌詞が生まれた時に凄く、学生時代と今のMaynの青春がリンクした言葉が生まれたなと思ったんです。作品の中で円陣を組むシーンがあるんですが、そこをイメージして、曲もどんどんコーラスが重なって、仲間が増えていくような編曲にしていただいたので、ここは凄く気に入っている部分です。

――ご自身の経験も踏まえてとのことですが、学生時代Maynさんは何かスポーツをされていたのでしょうか?

Mayn 水泳をしていたのですが、ひたすら一人で頑張っていたので、あんまりチームプレーに触れていないんです(笑)。でも、Maynになってから、チームプレーを感じています。ソロアーティストなので自分がフロントに立つ意識やプライドはもちろんありますけど、チームやファンのみんなとじゃないと掴めないことってあるよね、一人でもできるけど、みんながいるともっとできることが増えるよねって、改めてみんなに教えてもらっているんです。そんな気持ちも曲に込めました。

あ! チームプレーといえば、小学生の時はドッジボールに打ち込んでいて、チームリーダーもしていたので、そこはチームプレーでしたね(笑)。

――私、ドッジボールが弱くて逃げ惑っていたので羨ましいです。

Mayn 端っこに逃げるタイプですか? 私はそこに当てるタイプです(笑)。

――逃げないと(笑)。今回収録されている『シキザクラ』もアニメタイアップ曲。ボカロPのくじらさんが手掛けていらっしゃる曲ですね。

Mayn 私、黎明期の頃からボカロPの方の曲が好きで、ずっと聴いていたんですが、ここ数年の新世代ボカロPの楽曲は、特に素晴らしいのが多いなと思っていて。そんな中、以前から気になっていたボカロPのくじらさんに楽曲をお願いさせていただきました。タイアップさせていただく『シキザクラ』はロボットアニメでもあるんですけど、日常のちょっとしたキュンなど、学生時代ならではの尊い時間も表現されている作品で。これがくじらさんの世界観とリンクする部分があるんじゃないかなと思い、ご一緒させていただきました。

――歌うのは難しかったり?

Mayn 私はどちらかというと、イケイケな楽曲を歌唱する経験の方が多いので、今回のような柔らかい楽曲は自分のボーカル的には大きなチャレンジでした。歌うにあたって、なるべく自分の表現を削ぎ落として、隣で寄り添って喋っているように歌うというのをテーマにして、歌っていきましたね。

――表現を削ぎ落とす、ですか。

Mayn 私は、いわゆる「Maynの癖」的なものがある曲が多くて。ライブの時は、みんなも同じように気合を入れて来てくれているので、私の気合いとか熱みたいなものが合うんですけど、家でリラックスしたい時にそういうガッツで来られると濃ゆいと思うので……(笑)。みんなの聞いてくれるシチュエーションに合わせた歌というのは大事だと常々思っていたので、今回の『シキザクラ』は、Maynの癖(=表現)を削ぎ落として、リラックスした状態で聴けるような曲にできるよう心掛けました。

――いわゆるMayn節が抑えられた新しい楽曲になったんですね。残りのシングル収録曲『B.H.U.』は名古屋を彷彿とさせる曲だと感じたのですが、どんなテーマで作詞をされたのでしょうか?

Mayn 『プラオレ!』が日光、『シキザクラ』が名古屋を舞台にした作品なんです。『オレンジ』を作る際には、私自身の学生時代を振り返ったり、『シキザクラ』も私が名古屋出身なので、上京前の自分のことを思い出しながら制作していて……。そんな中で3曲目をどうしようとなった時に、せっかくだから自分の今まで過ごしてきた場所を活かせる曲を作りたいなと思い、自分の故郷:名古屋をテーマにした曲を作ってみることにしました。

――歌詞が結構ユニークですよね。

Mayn 私、「この言葉面白いかも」という言葉メモをよくしているんです。その中に(今回の歌詞にある)「BUCHO Hands Up!!」」や「テバサキサバキ」、名古屋では凄く有名な「ナナちゃん(人形)」があって。いつか使いたいなと思っていたので、今こそ使い時だ! と、私の大好きな名古屋をテーマにした曲にしていきました。それに、名古屋は(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の)三大武将が有名で、「武将」と「部長」という言葉は近いぞとも思ったので、武将も歌詞に取り入れてみた感じです。

――武将ですか。

Mayn 私は「1番じゃなきゃ嫌だ、もっとみんなで高みを目指していこう!」という気持ちでずっとライブをやっているのですが、この気持ちをファンの皆さんに改めて届けていきたいなと思っていたところで。そんな時に、「武将の天下統一」というテーマで伝えれば、嫌らしくもなく、面白さもありつつ、マインド的には大事な気持ちも伝えられるんじゃないかなって思いついたんです。なので、武将の名言とかを凄く調べて歌詞を書きました。

――特に歌詞で気に入っている部分はありますか?

Mayn 「己と戦え~」という歌詞は、徳川家康の言葉から取りました。「一番必要な強さは、辛抱し続けられる強さだ」みたいなことを徳川家康が言っていて、確かにそうだなと思ったので、オマージュして書いています。あとは「迸れホトトギス」とかは好きですね。ホトトギスって言葉をどっかに入れたいと思って今の場所にハメたところ、最初は「ダサっ」と思ったんですよ。でも、ダサ良いなとも思ったのでそのままにしました。ここはぴったりハマったのでめちゃくちゃ気に入っていますね。

別案として「ホトトギス」をもっと英語風にさりげなく歌うハメ方もあったのですが、それよりはちょっとダサいフックとして、あえてドンとここに持ってきた方が良いなと。もしかすると数年前だったら、かっこ悪いと思って英語っぽく歌う形にしたかもしれないです(笑)。

――作詞はMaynさんですが、作曲はTeddyLoidさんです。今回は曲が先にあっての作詞だったのでしょうか?

Mayn そうですね。歌詞自体はちょっとダサくても、楽曲はかっこよくしたいとTeddyLoidさんにお伝えした上で、作っていただきました。ずっと憧れていた大好きなアーティストさんで、満を持してご一緒させていただけるという感じだったのですが、そんなTeddyさんにこんなお願いをしてもいいんだろうか、どうせならもっとゴリゴリにかっこいい曲にした方がいいんじゃないのかとも思ったり……。でも、武将をテーマに「ぷぷっ!」と思うような歌詞を書きたいという難しいお願いだったからこそ、数々の人気曲を生み出したクリエイターであるTeddyさんに作っていただけて本当に良かったと思っています。

――最初からテンションが上がるような曲ですが、歌ってみていかがでしたか?

Mayn 私もテンションが上がって、一瞬でレコーディングは終わりました(笑)。レコーディングの場にいらっしゃったスタッフさんの中に、名古屋に行ったことがないという方がいて、「(この曲を聴いて)名古屋に行ってみたくなりました!」と言われたんです。名古屋といえば、「美味しい物なくない? 全部茶色じゃん」とか言われるばかりで、名古屋人としては「行ってみたい」だなんて言われ慣れていないんで、凄く嬉しくなりましたね。この曲を聴いて、全国、世界中の皆さんが興味をもってくれたら、郷土愛が強い名古屋人としては、とても嬉しいです!

――名古屋ファンが増えるのが楽しみですね。今回、『オレンジ』ではMVも撮影されていますが、これはどこで撮影を?

Mayn 『プラオレ!』の舞台に合わせて日光で撮影しました。聖地も出てきたり、出演声優の増田里紅さん(水沢愛佳役)にも登場していただいているので、『プラオレ!』ファンの方にも楽しんでいただけるMVになっていると思います。

――撮影で何か印象的だったことはありますか?

Mayn スタッフさんが抱く、私の現場での天気への信頼度がすごく低いこともあって、これまであんまりロケでの撮影をしてこなかったんです。Maynが来ると嵐が来ると言われるくらいなので、スタジオでばっかり撮影していて(笑)。でも、今回『オレンジ』ということで夕日もテーマにしていたので、ロケをすることになりまして……。結果、無事に晴れて、中禅寺湖でのドローン撮影も綺麗に撮れました!

――晴れて何よりです! 何かご当地の美味しい物を食べたりは?

Mayn 色々食べました! 日光名物の甚五郎煎餅に湯葉饅頭に……。私はたい焼きが好きなので、もちろん地元で有名な移動販売のたい焼き屋さんも調べていて、休憩時間にロケバスで連れていってもらったのですが、その日はその場所に車が来ていなかったんです……。電話番号も分からないので問い合わせも出来ず、スタッフさん達が周囲の人に色々尋ねてくれたりもしたのですが、分からず。私のたい焼きの為に色々な大人が動いてくれたので申し訳なかったです。いつかリベンジしたいです!

――是非! 今後はライブも控えていらっしゃいますね。

Mayn コロナ禍が長く続いていて、これまで通りにはライブを出来ない状況ではありますが、そんな中でもみんなと会いたいという思いでやっています。『オレンジ』という楽曲も、ファンのみんなとのMaynの青春を思い出しながら作った楽曲でもあるので、みんなと一緒にライブで楽しめる時を楽しみにしています!

――最後になりましたが、『オレンジ』のリリースを楽しみにしている方へ向けて、メッセージをお願いします。

Mayn 自分自身で作詞作曲した曲をタイアップとして聴いていただけるのは、私自身すごいチャレンジでした。でも、ファンの皆さんが、「Maynが作る曲が好きだ」と言ってくださることで、私も少しずつ自信をもつことができて、もっとチャレンジを続けていきたいと思うようになれたんです。
今回のようにチャレンジを含めた活動が、キャリアを重ねた今でもまだまだできることがとても有難いことですし、それは応援してくれる皆さんがいてこそのもの。皆さんに是非届けたいシングルになりましたので、たくさん聴いてほしいです。宜しくお願いします!

>>>『オレンジ』ジャケット写真などを見る(写真4点)

<プロフィール>
Mayn(メイン)
10月21日生まれ。ホリプロインターナショナル所属。2005年、弱冠15歳にしてメジャーデビュー。POPSからROCK、DANCE、R&Bと幅広く歌いこなす実力派女性歌手。これまでアニメ、ドラマ、映画、ゲームの主題歌を担当し、数多くの作品がトップチャート入りを果たすなど、圧倒的な歌唱力と伸びのあるハイトーンヴォイスで国内外を問わず人々を魅了し続けている。

当記事はアニメージュプラスの提供記事です。

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