素顔の立川談志さんに「大好きだな」 満島ひかりが憧れる“一生懸命無邪気でいること”


●周りに“おかしみの精霊”がたくさんいる
女優の満島ひかりが、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、あす21日に放送される『切なくて いじらしくて メチャクチャなパパ ~家族が映した最期の立川談志~』。落語家・立川談志さんが家族の前で知られざる素顔をのぞかせている未公開映像で構成した作品だ。

テープにして約750本、1,000時間。マネージャーを務めた長男・慎太郎さんが12年間にわたって撮影したものに加え、談志さんが部屋で1人“自撮り”する貴重な映像も残されている。その膨大な素材の中から、今回の番組で蔵出しされる談志さんの姿に、満島は何を感じたのか――。

○■談志さんを見つめる人たちの顔に注目

談志さんと実際に会ったことはないものの、「私側からの勝手な接点で言いますと、かつて主演した『川の底からこんにちは』という映画で監督に『もっと談志っぽく!』と演出されていて、どういう感じなんだろう…と思いながら見られる映像を探したり、落語をCDで聴いたりというのはあります。あと、(『トットてれび』で)黒柳徹子さんの役をやらせてもらったときに、NHKの番組『夢であいましょう』の映像をいくつも頂いて、そこで若き談志さんと徹子さんがコントしてらっしゃる、夢のような姿を見たことがあります」という満島。

今回の映像は2011年に亡くなるまでの12年の記録だが、「若いときから“立川談志”そのもので、自分まる出しで、たまらない方ですよね。のちのちお金になるかもしれないから撮影しておくぞ、なんて『まんまとやられました』という感じです。瞬間を奇跡に変える、自らの天賦の才を生かしまくってる方、との印象です」と感想を述べ、「1時間のドキュメンタリーしか見ていないので、全部を知れているわけではないですけど」と強調する。

映像の中には、孫と遊ぶ優しい表情や、妻との日常に加え、ビートたけし、中村勘三郎さん、森繁久彌さん、和田アキ子など、大物芸能人たちとの私的な交流も。「印象的だったのは、談志さんを見つめる方たちの一瞬映った顔たちです。『たけしさん、こんな顔して横にいるんだ!』とか、『勘三郎さん、すごい少年みたいになってる!』とか、『和田アキ子さんがめちゃくちゃかわいい女の子の顔してる!』とか。最愛の奥さんや、ファンキーな娘さんもそうですけど、周りにいる方たちの彼を見つめている顔が、何だかたまらなくて。彼の周りには“おかしみの精霊”たちがいっぱいいたんじゃないかと思うくらい、本当に魅力的だったんだろうなというのが伝わってきて、『うわぁ、会ってみたかったなあ』とうらやましがりながら見ていました」と、惜しんだ。

さらに、「めちゃくちゃやってるのに、愛されてるって最高かよ!って思いました(笑)。大人になるとどうしても頭を使うし、理不尽なこととか、自分の力ではどうにもならないことがあると思うんですけど、一生懸命無邪気でいることを続けた方なんだなと思って、そこにすごく憧れを抱きました」とも語る。

○■言っていることと状況の違いが面白い

番組では、談志さん本人が部屋で一人撮影した“自撮り”映像が多数登場。そこではカメラに向かって、自身に襲いかかる「老い」への不安やいら立ちを語っているが、満島はそこにイメージとのギャップを感じたという。

「『人間なんて老いて当然だよ』みたいな感じかな?と思ったら、『皮膚がたるんだ』とか、白髪のことばかりおっしゃっていて、美意識がすごく高かったんだなと思いました。こっちからすると全然カッコよく見えるんですけどね。老いとか孤独とかを言う場面がいっぱい出てきたんですけど、全然老いてないし、環境は孤独じゃない。でも本人はそこで悩んでいて、孤独については分かる気もしましたが、言っていることと状況の違いが面白いなと思いました」

その不安には、“立川談志”のパワーが大きくてエネルギッシュすぎることが背景にあるのでは、と想像。「人よりもパワーやエネルギーが大きいのを支えてやってきたのに、肉体はどんどん老いてゆくから、『カラダに老いが来たら、俺が俺を背負えないじゃないかよ』と、自分のカラダにクレームを言ってるのかなって、そんなふうにも感じました」。

●特に共感した「ウソをつかない」こと

談志さんと共感できる部分は「いっぱいありました(笑)」とのこと。「人を巻き込んでしまう感じとか、効果音をいっぱいしゃべるところとか似てるかなと思いました。困ったら『ピーピーパッポピー』とか言って、気持ちが言語化できないときに音にするのが『あー分かる分かる!』と思って(笑)。言葉を生業にしているという点で感じる点で、共通のものを感じる部分が他の人より多いだけかもしれないですね」と打ち明ける。

特に共感したのは「ウソをつかない」こと。映像の中で、談志さんは恥も含めて全てをさらけ出しているが、「“満島ひかりの人生にウソをつかない”というのを、私もずっとやってます。演じることをしておきながら何言ってんだという感じですが(笑)。でも、ウソをつかないって本当に大変なんですよ。中身まる出しですからね。まず“本当ってどこ?”というところから始まっちゃうし、たまにウソって魅力的で持っていかれそうになるし」と、苦労をのぞかせた。

○■「体が熱くなるドキュメンタリーです」

今回のナレーション収録は、「自分自身が談志さんと出会っている感情と、いち視聴者の目線と、語りべになって作品に関わる1人でいることと、3つの自分がずっと同時進行していたんです。こんなに生き生きとした談志さんを見て気持ちがワクワクして、私もちょっと枠を外して面白がってやることができました。少し、談志さんに出会えた感じがします」と充実の表情。

談志さんが急にオナラをかます場面なども登場し、「たまにパンチを食らっちゃう(笑)」と油断できなかったが、「もう最高に間が良くて、やっぱりセンスも飛び抜けていますよね。普通の人はそこでそれをしないよということをガンガン不意打ちで突っ込んでくることがたくさんあったので、本当に飽きない方だなとドキドキする感じで、私も大好きだなと思いながら読んでいました」と、虜(とりこ)になったようだ。

そんな今回の番組について、改めて見どころを聞くと、「自撮りで語るのとかYouTubeの走りですし、着眼点がビビットでアイデアマンだし、もしかすると、老いていくというよりは、みんなより進みすぎちゃってて、談志さんが若すぎたのかもしれないなと感じました。めちゃくちゃだけど、温かいエネルギーがあふれているんです。ファンの青年に『仕方がないじゃんか、叫べよ』って色紙で書いて贈った場面なんて、ウ~ッ、ってなっちゃいました」と、満島自身も元気づけられたそう。

その上で、「初めて知る若い方も、飛び散るような談志さんのパワーに圧倒されるだろうし、談志さんの姿を久しぶりに見る方も『忘れてた、エネルギーあふれるこの感じ!!』と心が躍るのではないでしょうか。私もナレーションの途中で思わずグッときちゃったりして、内側から湧き上がる力を感じる、体が熱くなるドキュメンタリーです」と予告した。

●満島ひかり1985年、鹿児島県生まれ、沖縄県育ち。97年に音楽ユニット「Folder」でデビューし、その後は俳優業を中心に、歌い手・執筆・ナレーションなど多岐にわたって活動中。来年は、日本語劇場版『サンダーバード55/GOGO』(1月7日公開)や、映画『川っぺり ムコリッタ』の公開と、Netflix主演ドラマ『First Love 初恋』の配信が予定されている。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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