わかぎゑふが『12人のおかしな大阪人』2021年版を、[枚方市総合文化芸術センター]開館記念で上演

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三谷幸喜の傑作法廷喜劇『12人の優しい日本人』のパロディとして、1995年に「G2プロデュース」で上演された『12人のおかしな大阪人』。升毅や生瀬勝久など、当時関西を拠点としていたスター俳優たちを集めて、本家の芝居よろしく、12人の陪審員が有罪/無罪をめぐって議論を交わす芝居を展開……するかと思いきや、ダジャレと冗談がこれでもかと飛び交い、マシンガントークで話がどんどん脇道に反れていくという、笑いに強い関西の俳優たちの魅力が詰まったコメディとなった。
『12人のおかしな大阪人~2021』出演者。(上段左から)うえだひろし、内山絢貴、大江雅子(下段左から)大熊隆太郎、木内義一、古場町茉美。
『12人のおかしな大阪人~2021』出演者。(上段左から)うえだひろし、内山絢貴、大江雅子(下段左から)大熊隆太郎、木内義一、古場町茉美。

その後長らく、ソフト化も再演もされてなかったが、2020年にほとんどのオリジナルキャストがそろったリモート朗読が無料配信され、大きな話題に。そして当然のように上がった「ぜひ舞台で見たい」という声に応えるかのように、オリジナルキャストの一人・わかぎゑふの演出で、次世代の関西の俳優たちによって上演されることになった。

『12人のおかしな大阪人~2021』出演者。(上段左から)茂山宗彦、ドヰタイジ、早川丈二(下段左から)古川剛充、ボブ・マーサム、前田晃男。
『12人のおかしな大阪人~2021』出演者。(上段左から)茂山宗彦、ドヰタイジ、早川丈二(下段左から)古川剛充、ボブ・マーサム、前田晃男。

会場は、今年の8月30日にオープンした[枚方市総合文化芸術センター]。約1,500席の大ホールと、約300席の小ホールを備えており、すでに「青年団」のような小劇場劇団から、『ソーホー・シンダーズ』のような商業演劇まで、様々な公演が行われているが、この舞台によって「面白い企画をやってくれる劇場」として、一気に認知度が上がるに違いない。
『12人のおかしな大阪人~2021』日替わりゲスト。(左から)東野ひろあき、桂九雀。
『12人のおかしな大阪人~2021』日替わりゲスト。(左から)東野ひろあき、桂九雀。

仕掛け人のわかぎからは、以下のようなメッセージが届いた。
1995年の初演時、関西の小劇場はイケイケの時代だった。小劇場を見るのが一種のブームで、若者のステイタスのようなものだったのだろう。
そんな中で人気劇団から集められた12人の役者、私も出演者のひとりだった。チケットは即完売したらしい。
ところが本番5日前に阪神・淡路大震災が起き、芝居そのものが出来るかどうかの事態になった。稽古もできずバタバタの中「12人とも生きてたんだから芝居しよう」と結束し本番に臨んだのだ。
その時から私たちの絆は特別なものになったと言ってもいい。「泣いてばかりいたけど、芝居を見て元気になった」というお客様にも後押しされた。寄せ集めのカンパニーだったが、あの時のメンバーは今も別の次元で結束しているように思う。
2020年、コロナ禍で世界が止まった時。その一人が「12人、オンラインで読めへん?」と言い出し、ほぼオリジナルメンバーが集まった。あの時、震災で繋がった私たちが、厄難で再び集結したのだ。自然というか、必然的な感じだったように思う。
今回、新たに「次の12人」を選んで上演する。演劇人の誰もが芝居の出来ない辛酸を舐める時期を過ごした。「芝居がしたい」という気持ちを持って、それぞれの劇団から一人ずつ来てもらった。
あの時の私たちのように、同じ痛みを抱えて結束してくれた今回の12人の俳優。この公演が、彼らが今後乗り越えて行く試練の後押しになれば幸いだ。
いま、関西で最も活きのいい『12人のおかしな大阪人』をお楽しみください。

ちなみに前述の『12人のおかしな大阪人』リモート朗読は、現在もYou Tubeで視聴することが可能。小劇場のみならず、新劇から伝統芸能の役者までそろったユニークなラインアップの中で、誰がどの役をするか? を想像しながら予習をするのも、面白いかもしれない。


『12人のおかしな大阪人』を読み合わせてみたん会

当記事はSPICEの提供記事です。

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