コロナ貧困者の声「安全な場所にいるお前らに、俺らの気持ちがわかるか!」

日刊SPA!

 新型コロナは多くの失業者を出すなど、“貧困パンデミック”とでも言うべき状況が生まれている。生活困窮層は分厚くなり、さらに下流の“底”がヒビ割れ奈落に落ちる人も……。そんなニッポンの貧困のリアルとは?

◆新型コロナの爪痕。深刻な生活困窮者が増え続けている

「明るい日本の未来を目指して努力をする覚悟であります」

9月29日、自民党総裁選で新総裁に決定した岸田文雄氏の挨拶の一文だ。総理が代わると同時に、長い呪縛が解けたように新型コロナは収束に向かっている。緊急事態宣言も明け、ようやく日常が戻る――期待に胸弾ませる国民が多いかもしれないが、貧困層が大きく拡大したことを忘れてはならない。

厚生労働省によれば、新型コロナウイルス感染症に起因する解雇等見込み労働者数は、’21年10月8日時点で11万8317人。うち非正規雇用者は5万4152人。つまり、非正規だけでなく正規雇用(正社員)の人たちもコロナ失業していることになる。一般的な“中流層”にいた人たちが、下流に転落してしまった事実があるのだ。

◆すでに下流にいた人たちは?

では、すでに下流にいた人たちはどうなったのか? 生活保護問題に詳しい行政書士の三木ひとみ氏がこう解説する。

「これまで生活保護の相談は40~50代の非正規労働者からが多かったのですが、コロナ禍で最近は10~20代の割合が高まっています。『アルバイトしていた店がなくなった』や、『親がリストラされて、自分もバイトがない』など、全世代で深刻な生活困窮者が増えています」

そう、コロナは貧困までもパンデミックさせていたのだ。

◆貧困当事者から怒りのメール

数多くの貧困の当事者を取材するジャーナリストの吉川ばんび氏も、困窮者たちは心身共に追い込まれていると語る。

「私が今年、生活保護を勧めるウェブ記事を公開したところ、貧困当事者数人から『安全な場所にいるお前らに、俺らの気持ちがわかるか!』という趣旨の怒りのメールが届くようになりました。

一人の男性に詳しく聞けば、所持金が30円しかないと打ち明けてくれました。彼らはコロナによる貧困で徹底的に疲弊してしまい、国に対して強い不信感を持っています」

誰もが貧困に陥る時代に来ているのだ。

◆【行政書士 三木ひとみ氏】

行政書士法人「ひとみ綜合法務事務所」所属。リクルート勤務を経て’15年に行政書士に。これまで1万人以上の生活保護申請業務を行ってきた専門家だ

◆【ジャーナリスト 吉川ばんび氏】

貧困や機能不全家族の問題について自らの生い立ち、貧困体験をもとに執筆や問題提起を行う。著書に『年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-』

<取材・文/週刊SPA!編集部 漫画/北村永吾>

※厚生労働省の生活支援特設ホームページでは、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少し生活に困窮する方の相談を受付ている

「新型コロナウイルス感染症 生活困窮者自立支援金相談コールセンター」

0120-46-8030(受付時間9:00~17:00 平日のみ)

―[貧困パンデミック]―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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