キヤノンが2年前に発売したコンデジをファームアップ→これホントに2年前の製品?!

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Photo: 小原啓樹

スナップムービーを撮るならコンデジ、なんてったって小さくて軽くて本格派。

スマートフォンを使っていると、OSのアップデートで「かゆいところに手が届くようになった!」と感動することってありませんか。今のニーズに合った機能がソフトウェア的に追加されることで既存の製品の性能が底上げされ、評価が上がる。ガジェットの世界ではよくあることです。

さて、先日大手デジタルカメラメーカー・キヤノンが2019年より発売している1インチコンデジ「PowerShot G7 X Mark III」向けに動画撮影関連の機能を強化するファームウェアアップデートをリリースしました。もちろん無料のアップデートです。

さっそく実機をお借りして試したのですが、 今年のモデルですよね?と思ってしまいました。的確に機能が向上されていて、すごく撮りやすい!

Vlogやショートムービーがさらに撮りやすくなるアップデート

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Photo: 小原啓樹

PowerShot G7 X Mark IIIについては2019年の発売時にレビューしていて、コンパクトながら高画質な4K動画が撮影でき、当時としてもVlogやショートムービーを撮るのに適したカメラという印象でした。ただ2021年現在の目で見てしまうと、オートフォーカス(AF、自動でピントを合わせる機能)や自動露出補正(AE、写真や動画の明るさを自動調整する機能)の速度がもう少し速くなったほうがテンポよく撮影できるかも、と思ってしまいます。

ファームウェアをアップデートすると以下のように新しい撮影モードや機能が使えるようになります。AFやAEが高速なモードを追加するなどして、これからデジカメで動画を撮ってみたいという人でもさくさく撮れるようにした感じですね。

(1) Video Blog撮影モードが追加

オートフォーカスや自動露出補正が高速・高精度になり、カジュアルな動画撮影がしやすくなっているモードです。

(2) 動画撮影を補助する機能が4つ追加

・動画記録中の強調表示に対応:録画中であることが背面液晶などで一目でわかります。

・アスペクトマーカーを表示可能に:「いつもの横長じゃなくて正方形の動画が撮りたい!」といったときに、画面上で「ここからここまでに撮りたいものを収めればOK」とわかるマーカーを表示してくれます。

・AFモードを[顔+追尾優先AF]に設定しているときにも水準器を表示できるように:自撮りをするときに水平がとれた、自然な動画を撮りやすくするアップデートです。

・ゼブラ表示に対応:明るすぎて何が写っているかよくわからない部分(白飛び)が出ないよう撮りたいときに使える機能です。

それぞれ追って詳しく紹介しますが、まずはどんな風に撮れるか、作例を見てみましょう。

セッティングいらずで即動画が撮れる。Video Blog撮影モードは頼もしい




手ブレ補正(ダイナミックIS)が強力でデコボコ道を登りながらでもスムースな映像が撮れる!というのが個人的にまず感じたこと。

映像もきめ細やかさと、なだらかなボケ味が合わさって上質だと感じます。PowerShot G7 X Mark IIIには大型(1インチ)のイメージングセンサーが搭載されていて、レンズもキヤノンならではの高品質なものだからですね。
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人→モノと被写体を切り替えても、すぐにAFが追従します。GIFのため画質は動画を確認ください。
Photo: 武者良太

細かくアップデートによる進化を見ていきましょう。Video Blog撮影モードにセットしたPowerShot G7 X Mark IIIは、オートフォーカス(AF)のスピードが明らかにアップ。被写体を切り替えるときが顕著で、クロックアップしたの?ってくらいキビキビとフォーカスを移動してくれます。

自動露出補正(AE)もいいじゃない。特に人物撮影時のAEがいいじゃない。
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人→風景としても画面の明るさが自然に調整されます。GIFのため画質は動画を確認ください。
Photo: 武者良太

これは風景から人物に被写体を変えたときも同じ。影が落ちているシチュエーションでも顔を明るく捉えてくれて、そこから風景のほうへレンズの向きを変えると待ち時間を感じさせずに露出を微調整してくれます。顔認識+追尾優先AF時に、AEも追従してくれているのでしょう。

晴れた日の綺麗な空をカメラに収め、それから近くの友だちも写そうとしたら顔が暗くなっちゃった…なんてことないですか? そういう「困った」がないんですよ!
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首を回すと顔が影になってしまうような動きでも、自然と露出を調整して表情を見えやすくサポート。空を見ると調整具合がわかりやすいです。GIFのため画質は動画を確認ください。
Photo: 武者良太

レスポンスが速いだけではなく、安定感もあります。顔の向きが変わって光の加減を調節するときは、急激に露出を変えることなくなだらかに調整してくれます。

カメラを大きく動かしても被写体側が大きく動いても、白飛び・黒つぶれすることが少ないので、血色のいい笑顔が撮り続けられる。もう、頼もしい。判断力が早く、そして落ち着きのある大人になったんだなあ。

Video Blog撮影モードに切り替えると設定画面が簡略化されますが、細かな設定をせずともいろんなシチュエーションでショートムービーを安心して撮っていけます。あとから編集アプリでつなげる際も、明るさの微調整がいりません。これこそ2021年基準のデジカメクオリティといえますね。

動画撮影のうっかりを防ぐ、便利な補助機能たち


小刻みに、いろんなシーンの動画を撮影していくと、手痛いトラブルに見舞われることがあります。それもケアレスミスが多い。デジカメのせいではなく、それを操っている自分の不注意から「あのときもっと確認していれば...」という後悔に襲われます。

でもね、最新ファームウェアのPowerShot G7 X Mark IIIなら大丈夫です。
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Photo: 武者良太

個人的にいちばん便利だと感じたのが動画録画中の強調表示機能ですね。ディスプレイのサイズいっぱいに点滅する赤枠で録画中であることを教えてくれます。録画しっぱなしかどうかをひと目で判断できるだけじゃなく、録画しているつもりだったのに録画していなかったという号泣事件を防げます。
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Photo: 武者良太

SNS用に正方形の動画を作りたい、または16:9より超ワイドな2.35:1のシネマスコープの作品を作りたいときには、撮影情報表示設定のアスペクトマーカーを使いましょう。16:9の映像の上に緑色のガイドラインが重ねて表示されるので、画角を決めやすくなります。
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Photo: 武者良太

顔+追尾優先時も水準器を表示できるようになりました。手持ちで人物撮影しているときって水平とるのを忘れがちだけど、コレがあるからびしーっと安定感バツグンの動画が撮れますよ!
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画面中央の少し右側、太陽の周辺の斜線が入っているあたりがゼブラです。
Photo: 武者良太

マニュアル露出時には、「白飛びしすぎて何が映っているかわからないよね」問題を解決してくれるゼブラ表示機能も使えます。光が当たりすぎて形状が捉えられない部分をモノクロゼブラ表示で教えてくれます。写真撮影に慣れている人ならあとから補正すればいいじゃんと思うかもしれませんが、動画だと補正しても回復できないことが多いんですよね。だからあらかじめ白飛び部分をチェックできるこの機能が頼れるんです。
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Photo: 小原啓樹

動画のクオリティをさらにアップさせるアクセサリーもあります。リモコンつきの「トライポッドグリップ HG-100TBR」はミニ三脚&ハンドグリップとして使える優れもの、自撮り動画が撮りやすくなります。コイツがあればアクセサリーシューを増設できるので、「ステレオマイクロホン DM-E100」でASMRな環境音も記録できるようになりますよ!

「みんなを入れた自撮り動画」もラクに撮れちゃう

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GIFのため画質は動画を確認ください。
Photo: 武者良太

こちらは以前からですが、PowerShot G7 X Mark IIIは自動水平補正なし・ダイナミックIS弱の設定なら4K撮影時でもクロップしません。広い画角をそのまま生かした撮影ができます。

この編集部3人が写っているシーンは、自動水平補正なし・ダイナミックIS標準設定です。ちょっとだけクロップされていますが、トライポッドグリップも併用して画角を広く保っています。コンバージョンレンズなどを使わず、歩きながら手ブレを抑えて、3人+周囲の風景を取り込みつつも歪みの少ない映像が撮影できるんだから、見事なものでしょう。

さすがに自動水平補正あり・ダイナミックIS強設定にすると大幅にクロップされますが、ジンバルなくてもいいんじゃない?と思えるほどのビシッ!とキマった映像が撮れるので、手持ちで撮りたいときにはとても便利です。
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Photo: 小原啓樹

瞬時に前向きにできるチルト液晶ディスプレイも使いやすくていいな、と思えるポイント。レンズの中心と液晶ディスプレイの中心がタテにそろっているから、自撮りしていても大きく目線が動きません。動画を確認するとわかりますが、カメラ(視聴者)の方に目を向けて、自然な雰囲気の動画になりますよ。

興味を引いたものを大きく写せて超連写も可能。写真を撮るのもたのしい


2019年式のPowerShot G7 X Mark IIIですが、ハードウェアそのものは2021年の現在でも使いこなしを楽しめるデジカメでした。

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24mm相当(次の2枚も同じ場所で撮影しています)
Photo: 武者良太


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50mm相当
Photo: 武者良太


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100mm相当
Photo: 武者良太


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50mm相当
Photo: 武者良太


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50mm相当
Photo: 武者良太


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100mm相当
Photo: 武者良太


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100mm相当
Photo: 武者良太


なんてったってレンズがいい。24mm~100mm相当で、F1.8~2.8という明るさをもつレンズです。自撮りをダイナミックに撮るときの広角から、グッと寄っていく中望遠まで画角が選び放題。 1インチという大きなセンサーを活かして、背景をボカした撮影だってコイツならバッチリです。真逆光じゃなければゴーストだってでてこないし。

RAWでも30コマ/秒での撮影ができるので、動きのあるシーンを一通り撮ってその中から決定的な瞬間を選ぶなんてこともできます。
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たくさん撮って…
Photo: 武者良太
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いちばんよく撮れている写真(この場合ならコップにちょうど注ぎ終わる瞬間)を選べます
Photo: 武者良太

明るい場所でもスローシャッターにして流れるような写真表現ができるオートNDフィルター機能や、マクロ域でも被写体全体にピントを合わせられるフォーカスブラケット、連続撮影した写真を重ねて手ブレを抑える手持ち夜景モードなども入っています。自分のイメージするカッコいい写真を撮るための機能がきっちり入っています。

今日発売されたデジカメと言われても納得できる仕上がり

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Photo: 小原啓樹

動画性能を高めるための新ファームウェアの実力は確かなものでした。同時に、PowerShot G7 X Mark IIIがもともと完成度が高いデジカメであったからこそ今現在求められている機能をソフトウェア的に追加しても成立している、とも感じました。

成長できるデジカメ、PowerShot G7 X Mark III。スマートフォンだとなんだかあっさりした動画や写真ばかりになっちゃうと感じている方。このカメラを手にしたらもっと撮影にハマれますし、素敵な作品・記録を残したいという気持ちもさらに高まりますよ。

Source: キヤノン (1, 2, 3, 4)

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。

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