松本まりか「コンプレックスと共存できるようになった」自己肯定感の高め方

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これまでに多くの子どもたちを虜にしてきた人気のテレビアニメから、劇場版最新作となる『映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』が待望の公開を迎えます。そこで、ゲスト声優を務めたこちらの方に、お話をうかがってきました。
■ 松本まりかさん

【映画、ときどき私】 vol. 423

今回、プリキュアが初めて訪れる雪の王国シャンティアのプリンセスであるシャロンの声を担当しているのは、話題作への出演が続き、ブレイク中の女優・松本まりかさん。気持ちの上がる瞬間やコンプレックスとの向き合い方、そして現在の心境などについて語っていただきました。

―まずは、本作のオファーがあったときのお気持ちから教えてください。

松本さん
 子どもたちの夢や憧れが詰まった作品に呼んでいただけたことが、とにかくうれしかったです。これまで私が演じてきたのは、子どもたちにはあまり見せられない悪女のような役が多かったですからね(笑)。とはいえ、私が子どもたちに何かを与えるというよりは、私自身が子どもたちとつながりを持てることに喜びを感じました。

―今回は声優のお仕事ですが、以前はご自身の声がコンプレックスだったこともあったとか。そんななかで、ご自身の声を求められるようになってからその意識は変わったのでしょうか。

松本さん
 これまでも声優業界には私の声を認めてくださる方がいたので、自分の存在意義を感じられずにいた時間を過ごすなかでそういった意見に救われることはありました。自分がコンプレックスだと思っている部分を面白いと言っていただけていたのは、ありがたかったですね。実際、「声優に転向したほうがいいんじゃない?」と言っていただいたこともあったくらいです。

―そこで声優という道を選ばず、女優を貫いた理由は?

松本さん
 声優というお仕事のすごさを理解していたので、そこに自分が肩を並べるのは違うのかなと。あとは、私は表情や体を使って全身で演技をしたいという気持ちのほうが純粋に強かったので、「女優でいきたい」という気持ちを貫きました。

それを続けた結果、女優として少しずつ求められていくようになっていくなかで、声優のお仕事もいただけるのは、自分が望んでいた形でもあるので本当にうれしく思っています。

■ 「これが私だ」と開き直れるまでがんばりたい

―周りから認められることで、いまではコンプレックスが武器に変わったような感覚もあるのでしょうか。

松本さん
 正直言って、「完全に武器になりました」とはなりきれていないかもしれませんね。ただ、私の声を求めてくださる方がいることによって、いまは「コンプレックスと共存できている」という感じにはなっているのかなと。コンプレックスがゼロになることはないですが、そんなふうに変わりきれていないところも受け入れることが大切なんだと感じています。

そのなかで「自分の感覚だけがすべてではない」ということも学びました。自分ではダメだと思い込んでいたことが、周りから見たらそうではないこともあるんですよね。コンプレックスは変わらなかったとしても、それを生かした方法で進んで行ったら、その先に面白い世界が広がっていることもありますから。

女優としてはいまだにこの声でなかったらと思うこともありますけど、「これが私なんだ」と開き直れるまでがんばっていけたらと。だから、あくまでもいまはまだ成長の途中であって、「自分には“のびしろ”がある」と考えるようにしています。

―コンプレックスがのびしろにもなりえるという考えには、救われる方も多いと思います。

松本さん
 とはいえ、私もまだコンプレックスを捨てきれていないし、その思いを100%変えることは簡単ではないですが……。でも、共存していくことで、コンプレックスのなかにあるプラスの部分を好きになるチャンスをもらうことができる。そう考えると、がんばろうと思えるんですよね。

■ 大切なのは、自分を甘やかさないこと

―ちなみに、声以外にもコンプレックスはあったりしますか?

松本さん
 私は自分の外見にずっとコンプレックスがありました。声と見た目が甘く見えてしまうのが、理想としている女性像ではなかったので……。ただ、そういった負荷があるからこそ、自分自身を切磋琢磨しようとするので、これはこれで良しとしようかなといまは思っています。そんなふうに、私は自己肯定感がとても低いほうなので、どうやって自分を立て直していくかということを考え、戦う毎日です。

―では、自己肯定感を高めるために、意識的にしていることもあるのでしょうか。

松本さん
 身近で簡単なことで言うなら、毎日掃除をすること。掃除がすごく苦手だとしても、嫌いだからこそ毎日続けることで「自分はできている」という成功体験を増やしていくことができるんです。自分が一番苦手なことをする。こういった小さな習慣を続けることによって、自己肯定感を上げられている気がします。

実際、お風呂の排水溝には髪の毛1本も残さない、お風呂場はバスタオルで拭けるくらいきれい。家のなかも、基本きれいです!

―成功体験を増やすというのは、誰にとっても大事なことですね。ちなみに、美容のために欠かさず続けていることはありますか?

松本さん
 身体にいいものを食べ、運動をして汗をかき、お風呂でデトックスすることですね。いい物を入れるだけでなく、ちゃんと出すことも意識しています。あとは、自分を甘やかさないこと。なるべく自分の力で修復するというのが、大事なんですよね。

最近は肌も甘やかさないようにしています。夏なので、たくさん塗っていた保湿化粧品はやめて、化粧水だけになりました(取材当時は夏)。これは美容以外のことにも言えることであって、そういう意識を持っていると若くいられるような気がしています。

■ ようやく地に足がつけられていると感じる

―なるほど、勉強になります。本作の主人公であるまなつの口癖といえば、幸せな気持ちが湧き上がってキラキラすることを意味する「トロピカってる~!」ですが、最近松本さんがトロピカってると感じた出来事といえば?

松本さん
 やっぱりまずは芝居をしている瞬間ですね。芝居を通して、人とつながれたり、心と心でわかりあえたりしたときは、本当に幸せな気持ちになります。特にいまは、人とコミュニケーションを取るのが難しい時期ですし。才能があるそれぞれのプロの方々と一緒に何かを作る現場は楽しいですし、自分も高まるのを感じられてうれしいです。

プライベートでは、オシャレをしたり、緑と空が見えるベランダでひなたぼっこをしたり、おいしいものを食べているとき。それから、BTSや『愛の不時着』のヒョンビンにもトロピカりますね(笑)。

―お気持ちわかります。先日、「2021年上半期ブレイク女優ランキング」で1位に輝きました。18年間の下積みを経てブレイクするというのは、どんなお気持ちですか?

松本さん
 ありがたいですね。こうなることは想像していませんでしたが、いまようやく地に足をつけられているように感じています。というのも、昔のほうがフワフワしている感覚で、「自分は何で存在しているんだろう?」と思ったこともあったので……。

なので、もちろんうれしいですが、それ以上にプレッシャーと責任も感じています。「1位を獲ってうれしい。」というよりも、「ちゃんとやらなきゃ!」という思いのほうが強いです。本来なら、10代や20代の子が獲るべきものを36歳の私がいただいたわけですから。でも、そこには意味があるのかなとも感じています。

■ 自分を信じて、夢をつかんでいってほしい

―その意味をご自身ではどのように受け止めているのでしょうか。

松本さん
 女性は30代、40代と年を重ねていくことに悲観的になりがちなところがあるので、若い方ではなくこの年齢の私が賞をいただくことによって、同世代の女性たちにとって何かの希望になれたらいいのかなと。そう考えると、ここから落ちることはできないなと思いますね。とはいえ、もちろん“旬”というのはあるので、ここからどうやって自分を確立して生きていくのか、というのが問われているのかなとは感じています。

―いろいろなことを乗り越えて夢をつかんだ松本さんの生き方から勇気をもらっている人も多いので、ananweb読者にもアドバイスがあればお願いします。

松本さん
 人に依存してしまうと、自立するのに時間がかかるので、「早く自分ひとりの力で何者かになりたい」と思って生きてきました。でも、ようやく自立できるようになってきたと感じた途端、人を頼ることができるようになったんです。この気づきは、すごく重要なことだと思っています。

なぜなら、自立をしていないときに人に頼ろうとするとそれはただの依存になってしまうんですが、自分が自立していると、ちゃんと他人を信頼できるようになるからです。そうすることで、「ひとりで生きていかなきゃ」というよりも、お互いに足りないところを補い合いながら生きていけるようになるので、人との付き合い方も変わりましたし、何より生きている実感があるんですよね。

あと大事なのは、いくつになっても自分の好きなものを守って、突き進んでいくこと。そのために必要なのは、自分を信じることだと私は思っています。ただ、それにはまず自分に自信を持たなければいけないですし、自信を持つためには日々の努力や成功体験の積み重ねから始めないといけないですけどね。

実は、私自身もこの構造は最近ようやくわかったことであって、理解するまでに20年かかってしまいました。でも、みなさんにはそういったことをもっと早くに知って、すぐに夢をつかんでほしいです。その先も長いと感じるかもしれないですが、悲観することなく希望を持ち、「私はできる。幸せになれるんだ」と自分を信じきってもらえたらと願っています。

■ インタビューを終えてみて……。

柔らかい雰囲気でありながら、力強い言葉が印象的な松本さん。コンプレックスとの向き合い方や自立に必要なことなど、見習いたいと思うことばかりで心に響く取材となりました。今後も女優として、女性としてどのように突き進んでいかれるのかが楽しみです。

■ ドキドキとワクワクが止まらない!

子どもも大人も夢中になってしまうキラキラとした映像はもちろん、夢や友情の大切さを教えてくれるストーリーも満喫できる本作。プリキュアと一緒に、雪の世界へとひと足先に飛び込んでみては?
写真・山本嵩(松本まりか) 取材、文・志村昌美 ヘアメイク・ 秋山 瞳 (PEACE MONKEY)スタイリスト・コギソマナ (io)ニット¥57,200(エムエスジーエム/アオイ 03-3239-0341) 肩にかけたニットカーディガン¥20,900(バーニーズ ニューヨーク/バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター 0120-137-007) スカート¥30,800(ダブルスタンダードクロージング/フィルム 03-5413-4141) ダブルイヤリング[左耳上]¥15,400、イヤリング[左耳下]¥13,200(ジュエッテ 0120-10-6616) リング[右手人差し指]¥29,700、リング[右手中指]¥38,500(アガット 0800-300-3314) ブーツ¥28,600(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店 03-3573-4005) リング[右手小指]は劇場来館付録
■ ストーリー

ある日、雪の王国シャンティアから素敵な招待状を受け取った夏海まなつ。新しく女王になるシャロンのお祝いの式に出席するため、みんなで王国へと出発することに。そんななか、人魚の国の女王を目指しているローラは、シャロンと仲良くなり、ある約束をする。

ところが、謎の怪物が突然現れ、みんなを王国に閉じ込めてしまうのだった。大ピンチのまなつたちのもとに、「ハートキャッチプリキュア!」のみんなが駆けつけてくれたが……。

■ トロピカってる予告編はこちら!



■ 作品情報

『映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』10月23日(土)より、 全国ロードショー配給:東映

(C)2021 映画トロピカル~ジュ!プリキュア製作委員会

写真・山本嵩(松本まりか)

当記事はananwebの提供記事です。

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