【リアルゥ】映画『パターソン』が描く日常から紡がれる特別な時間

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映画『パターソン』は、いつもと変わらない静かな生活こそ、「たしかなこと」だと教えてくれます。大きな事件は起きないけれど、見ていると安らぎを感じ、何てことない日常こそが尊いことだと実感できる映画です。

映画『パターソン』のあらすじ

主人公・パターソンは、淡々とした毎日を繰り返し、その当たり前の中から「特別」をすくい上げて詩にしていきます。バスの運転手をしているパターソンの一日は、隣で眠る妻・ローラへのキスから始まります。毎朝規則正しく出勤し、時間を見つけてはノートに詩を書き留め、ローラの作るちょっと風変りな食事を食べる。夜には、愛犬の散歩ついでに行きつけのバーに寄り、一杯だけ飲んで帰宅する。そんな一見代わり映えのしない日常を送るパターソン。

一方ローラは、好奇心が旺盛で常に新しいことに挑戦します。対照的な2人の世界は、非常にユニーク。お互いに持ちえない部分を互いの中に見つけ、支え合いながら生活しています。

日常から紡がれる”詩”

パターソンは、バスを運転しながら客の談笑をひそかに聞いてほほ笑み、日々の経験を人生の糧に変えていきます。日常から紡がれる彼の詩は、零れ落ちていく「日常」を「発見」に変えていく所から始まっているのだと思います。ジム・ジャームッシュ監督の希望で、作中の詩はすべて実在の詩人、ロン・パジェットによるものだそう。映画の中で織りなす美しい詩の旋律に耳を傾けながら、愛すべき日常を目にした時に感じる、穏やかな気持ち。この心地良い気持ちこそが、映画『パターソン』をより一層尊いものにしているように感じます。

何も起きないのに面白い

詩作が趣味で、バスの運転手のパターソンの日常を淡々と描く本作。なぜ大きな事件も起きない作品にここまで目を奪われるのでしょうか。それは日常こそリアルな世界だからではないかと思うのです。そして一見単調に見える日常でも、目を凝らしてみると変化を楽しむことができます。ささいなことを無視しないパターソンの姿は、過ぎていく日々に同じ風景はないことを教えてくれます。

観終わった後は、幸福感が高まり、小さな気づきを大切にしようという気持ちにしてくれるのです。

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