【ギシギシ】映画『はちどり』こめられた想い

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主人公・ウニ(パク・ジフ)は強い。つらい家庭環境でも、自分の大事なものを守りぬく決意が、ウニの目の奥から消えることはありませんでした。14歳、家族と学校がこの世のすべてだったあのころの、さけび声にもならない苦しみがつまった作品をご紹介します。

タイトル『はちどり』にこめられた想い

はちどりは、小さな体でありながら羽を1秒間に80回はばたかせると言われています。本作のなかでウニは、「小さい体で苦労するわね」と通りすがりのおばちゃんに言われていました。
家族って選べないから、子どもってほんとうに可哀想です。人質にとられているような生活のなかで、ウニはただ小さな体を抱きしめ、かたくなに自分を守り続けていました。

理不尽すぎて言葉がでない

本作は、「むやみに同情しない」というスタンスを崩すことなく、ウニの病んだ一家にカメラを向けて、ただ真実を映し出します。
父・母・兄・姉、ウニ以外の4人はいずれも現実から目を背け、苦しみの根っこを奥へ奥へと押しやりながら毎日をやり過ごす。無視され続けた本音が、はちきれたみたいに涙や暴力になって噴出するころには、家族はギシギシと音を立ててきしんでいるのでした。

あの頃のあなたへ贈られた映画

結局、他人の心はわかりません。例え恋人でも、夫婦でも、家族でも親友でも、もしかしたら自分自身の心さえ、理解し尽くしているとは言えないかもしれません。
自分の力ではどうにもならないことから、どうやって心を守っていくのか。ましてや何もかもが自由な成人ではなく、決定権を握らせてもらえない子どもの時代を、どうしのげば生きながらえるのか。
生きて大人になれた今だからこそ、あの頃の自分を抱きしめてあげるような優しい気持ちになれたと同時に、当時のうっぷんや悲しみ、ふつふつと煮えたぎるような怒りを鮮明に思い出すような、鮮度の良い純粋な作品でした。
映画『はちどり』はベルリン国際映画祭他、世界の映画祭で50冠を獲得。DVD・Blu-ray他U-NEXTなど動画サブスクリプションサービスで観られます。

【公開】
2020年

【スタッフ・キャスト】
監督:キム・ボラ

脚本:キム・ボラ

出演:パク・ジフ 他

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