駆け出し女優・見上愛「渋谷のスクランブル交差点で絶叫した」底抜けの表現力

日刊SPA!

◆女優・見上愛は根っからの表現者

ネクストブレイクのキラメキが詰まっている。今年話題を呼んだNHK連続ドラマ『きれいのくに』での凄まじき演技力が耳目を集めた女優の小野花梨と見上愛が、遡ること1年前に映画『プリテンダーズ』(10月16日公開)で初共演していた。

当時の見上は女優デビューして1年にも満たない駆け出し中の駆け出し。メインキャストとして映画の撮影に加わったのも初めてだ。にもかかわらず見上は、子役出身の小野を相手に堂々とした態度で喜怒哀楽を伸びやかに表現している。それはどこでどう習得した技量なのか? インタビューを通してわかったのは、見上は根っからの表現者だったということだ。

◆「メインキャストを演じるのも初めての経験」

パンキッシュな主人公・花梨(小野)の生き様に憧れ、行動を共にする風子を演じた。「撮影は今から1年半程前。メインキャストを演じるのも初めての経験でした。自主映画の様にみんなで知恵を絞り、試行錯誤しながらの撮影は新鮮で楽しかったです。『きれいのくに』で共演した小野さんとはこの映画が初共演ですが、偶然にもロケ地がドラマと同じ。『きれいのくに』撮影時に二人で“このクラブって…え?ウソでしょ!?”とビックリしました。まさか同じ場所で映画とは違う関係性で再会するとは」と奇縁を感じている。

◆渋谷のスクランブル交差点で大絶叫 一般人の視線が突き刺さる

衆人環視の中、小野とお互いの感情をぶつけ合う場面は渋谷のスクランブル交差点付近を舞台にゲリラ撮影。撮影だとは気付かない一般人の視線が突き刺さる中で大声を張り上げた。

「自分で叫んでおきながら“私ってこんな根性あるんだ!?”とビックリ!」と照れ笑いも「逆に経験値のなさがプラスに働きました。当時は映画の一般的な撮影スタイルも知らなかったので、これが普通だと思っていましたから。今だったらできなかったかもしれません」とビギナーズラックに感謝する。

感情を消費するエモーショナルなシーンであり、ゲリラ撮影ゆえに一発本番が求められる緊迫した状況。それだけに「今でもセリフが言えるくらい、何度も脚本を読み込みました。セリフ量も結構あったので、自分がセリフを忘れてNGを出すなんてありえない。言葉が体に馴染むくらい頭に叩き込み、何度も自分に“大丈夫!”と言い聞かせながら」と緊張しきりだったという。

ならば前日はナーバスになり眠れず、食事も喉を通らなかっただろう。しかし「そんな状況でもしっかり寝られました。朝は普通に目覚ましの音で起きて、朝食もトーストにバター&ハチミツを塗って食べ、お昼ご飯もしっかりといただきました!」と威風堂々。それもそのはず、見上はデビュー前から自己表現をライフスタイルにしてきた人だからだ。

◆寺山修司、別役実の作劇の世界に触れる

中学時代に演劇にハマり、高校では寺山修司や別役実の作劇の世界に触れた。演劇部では脚本執筆や演出も経験。現在は芸術系の大学に通い、クリエイターとしての資質に磨きをかけている。「中学・高校と演劇だけにとどまらず、ハンドボールやバンド活動にも熱中。漫画に描かれるような王道の青春時代でした」と旺盛な好奇心をうかがわせる。

『きれいのくに』『プリテンダーズ』、そして初主演映画『衝動』が公開待機中と、今年2021年が女優としてのスタートダッシュの年になりそうだ。

「大学に入学した時、私の中には“いざとなったら就職でもすれば…”という甘えがありました。しかし大学3年生になり、将来を真剣に考えたときに“何を甘えているんだ?俳優業こそ今一番やりたいことだろう?”と自分と向き合うことができました。2021年はある意味で、かなりの覚悟を決めた年」と実感を込めながら、「そんな気持ちで改めて『プリテンダーズ』を観ると、もしかしたら当時からすでに進むべき道を決めていたのかな? と感じるところもありました」。

初々しさの中にあるキラメキが透けて見えた。その輝きがスクリーンを彩っているのは確かだ。

取材・構成:石井隼人

【石井隼人】

1984年生まれ、映画好きフリーライター!インタビュー、取材、レビュー、オフィシャルカメラマン、オフィシャルライター…なんでもやるのでいつでもどこでもなんでもお仕事の御用命お待ちしております!映画パンフレットも結構書いてます!買ってください!

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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