
れいわ新選組の山本太郎・代表が11日夜、神奈川県日吉駅前にて街頭演説を行った。
■東京8区の出馬を撤回
冒頭で山本氏は、「皆さまにお伝えしなければならないことがある」と前置きした上で、「私は(出馬予定だった)東京8区から降りることにしました」とまさかの出馬撤回を宣言。その後、20分近くかけて、それまでの経緯を語った。
山本氏によれば、2019年12月に旧・立憲民主党サイドから接触があり、東京8区から出馬をしないかと誘われたという。その話し合いは昨年誕生した新生・立憲民主党になってからも続けられ、10月8日の山本氏の出馬表明となった。
■枝野代表は「困惑している」
枝野幸男氏は8日、東京新聞が「山本氏が東京8区から出馬予定」とを報じたのを受けて、記者から問われると、「話し合いがもたれていることを承知している」とコメント。
ところが、9日に神奈川県内で演説後に記者団のぶら下がりに応じたときは「大変困惑している」と発言した。山本氏はそれを受け「私の方が困惑している」と反発した。
10日に埼玉県東松山駅前にて演説後にぶら下がり取材に応じたとき、私は山本氏の発言を枝野氏にブツけたが「困惑しているとしか言いようがない」と繰り返した。
■水面下で交渉していたのに
筆者は選対委員長の平野博文代表代行と小沢一郎氏のラインが
山本氏と接していることを本サイトで紹介した。くわえて後から得た情報だが立憲民主党都連幹部も山本氏と話し合い、ゴーサインを出していたという情報を得た。
東京8区の吉田晴美予定候補は、来年の参議院選挙東京選挙区から参議院の小川敏夫副議長の後継者として代わりに出すという落としどころまで用意していたとも取材の結果、承知している。
しかしながら、そこまでできていたのに、枝野代表がまさかの「はしご降ろし」をやってしまったのだ。
■大阪で出馬か
山本氏は選挙区を発表する前に「静岡県を軸として、東に一つ、西に一つの出る選挙区を絞れた」と発言していた。
「東の一つ」は東京8区だったわけだが、ご破算となってしまった。とすると、「西の一つ」から出ることも予想されるが、その場合は大阪が想定されているという。全国紙の政治部記者は語る。
「山本氏は昨年の『大阪都構想』住民投票で、連日、大阪に張り付いて、反対の街宣活動を行った。否決後、『日本維新の会』幹部が『山本太郎に5000票はもっていかれた』とこぼしたように、山本氏は維新の支持傾向が強い若い層に影響力があります。大阪ではたいへん人気がある。住民投票の否決の余波で、大阪市内から出るのではないでしょうか。市内であれば基盤がある」
■すべては立憲次第
ただ、今回立憲に譲ったことにより、今後は秘密交渉でなく公に立憲から選挙区が提示される可能性が高い。山本氏が選ぶと言うよりは、立憲側から斡旋してくる。
とはいえ、19日の総選挙公示日まであと一週間。時間はない。山本氏はどこから出るのか。週内には決まるであろう。