秋から冬にかけて ラニーニャ現象が発生する可能性も

日直予報士

気象庁は11日、「エルニーニョ監視速報」を発表しました。 今後、秋から冬にかけてラニーニャ現象が発生する可能性がこれまでより高くなりました。

●9月の実況

エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られますが、ラニーニャ現象時の特徴に近づきつつあります。
9月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は−0.4℃でした。太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、中部から東部で平年より低くなりました。海洋表層の水温は西部で平年より高く、中部から東部で平年より低くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年より強くなりました。このような大気と海洋の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られますが、ラニーニャ現象時の特徴に近づきつつあることを示しています。

●今後の見通し

今後、秋から冬にかけて平常の状態が続く可能性(40%)もありますが、ラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高くなっています(60%)。
太平洋赤道域の中部にみられる海洋表層の冷水が今後東進し、東部の海面水温が冬にかけてさらに低下すると考えられます。エルニーニョ予測モデルは、秋から冬にかけて、太平洋赤道域の西部で海面水温が高く対流活動が活発となりやすいことから、太平洋赤道域の中部を中心に東風偏差が強い状態が持続し、ラニーニャ現象時の特徴を強めて、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差が−0.5℃以下になる可能性が高いと予測しています。一方、9月の実況における基準値からの差がまだ−0.4℃であること、及び冬から春にかけてはエルニーニョ監視海域の海面水温が上昇して基準値に近づくと予測していることを考慮すると、ラニーニャ現象の基準(5か月移動平均が6か月連続で−0.5℃以下となる)を満たす可能性については、11月12月に−0.5℃以下となる確率が70%と高くなっているものの、その前後の月の確率を含めて考える必要があります。以上のことから、今後、冬にかけて平常の状態が続く可能性(40%)もありますが、ラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高くなっています(60%)。

●西太平洋熱帯域 及び インド洋熱帯域の状況

• 西太平洋熱帯域:9月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後、冬
にかけて基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。
• インド洋熱帯域:9月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後、冬に
かけて基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測されます。

●日本の天候の影響は?

過去の統計によりますと、ラニーニャ現象発生時、日本での天候は、秋(9月~11月)は特徴がみられません。冬(12月~2月)は、平均気温や降水量には特徴がみられませんが、日照時間は北日本太平洋側で多い傾向です。
一方、エルニーニョ現象発生時、日本での天候の特徴は、秋(9月~11月)の平均気温は、西日本・沖縄・奄美で平年より低い傾向、北・東日本で平年並みか低い傾向です。秋(9月~11月)の降水量や日照時間は、特徴がみられません。冬(12月~2月)の平均気温は、東日本で平年より高い傾向です。冬(12月~2月)の降水量には特徴がみられませんが、冬(12月~2月)の日照時間は、東日本太平洋側で平年並みか少ない傾向です。

当記事は日直予報士の提供記事です。

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