結婚式直前に亡くなった女性から臓器提供を受けた花嫁、ドナーの父が結婚式のエスコートで感涙(米)<動画あり>

今から4年前、“命の贈り物(ギフト・オブ・ライフ)”と言われる臓器移植によって第2の人生を歩み始めた女性が今年8月に結婚式を挙げた。女性は命のバトンを託されたことに感謝の意を示し、式場にドナーとなった女性の写真を飾り、ドナーの父にエスコートをお願いした。美しく心打たれるニュースを『Buffalo News』『Inside Edition』などが伝えている。

米イリノイ州在住のダニエル・ドネリーさん(Daniel Donnelly)は2017年10月、26歳だった娘ヘザーさん(Heather)を交通事故で亡くした。ヘザーさんは臓器移植のドナー登録をしており、小腸と大腸の一部がニューヨーク州バッファロー在住のダイアナ・ドンナルンマさん(Diana Donnarumma、28)に移植された。

ダイアナさんは幼い頃から胃腸の疾患で苦しみ、移植前の9か月で3度の手術を経験。点滴でしか栄養を摂ることができずにいたが、この移植で命を救われた。そして手術から1年後、臓器移植センターを通してダニエルさんと連絡を取った。

ダイアナさんの申し出を断ることもできたダニエルさんだが、その後2人はイリノイ州で初めて顔を合わせ、ヘザーさんや臓器移植について語り合った。

「ヘザーさんは私の臓器移植のドナーとして完璧だった」と語るダイアナさん。ダニエルさんと対面して初めて、ヘザーさんが子供たちのカウンセラーとして働くために大学院を卒業したばかりだったこと、亡くなった3日後に結婚式を予定していたこと、臓器移植で8人の命を救ったこと、葬儀にはヘザーさんを慕っていたたくさんの子供たちがやってきたこと、ヘザーさんはダニエルさんが男手ひとつで1歳の時から大切に育ててきたこと、娘がドナー登録をしていることをダニエルさんが知ったのは病院だったことなどを知ったという。そして「ダニエルさんはきっと一生、ヴァージンロードを歩くことはないだろう」と心を痛め、自分の結婚式でのエスコートをお願いしたのだった。

そしてこの申し出を快くひき受けたダニエルさんは8月13日、バッファローの結婚式場で初めてダイアナさんのウェディングドレス姿を目にし、涙した。

ダイアナさんはその後、ダニエルさんと腕を組んで式場の入り口まで共に歩き、そこからは実父グレンさん(Glen)と一緒に新郎コンランさん(Conlan、30)のもとまで歩を進めた。

ダニエルさんはのちに、結婚式の時の心境をこう明かしている。

「式はとても素晴らしかった。みんなに『ヘザーがダイアナさんの命を救った』と言われてね。誇らしかったし、嬉しかった。でも同時につらかった。本当につらかったんだ。」

一方のダイアナさんは、ダニエルさんにエスコートされた時のことを「緊張して落ち着かなかった」と振り返り、このように語っている。

「その日、ドレス姿の私を初めて見たダニエルさんは泣き始めてね。それを見て私も泣いてしまったわ。彼がヘザーさんを失った心の痛みが伝わってきたの。本当に寂しかったのでしょうね。」

「ダニエルさんは私に『あなたのエスコートができることを誇りに思う。もう一人の娘ができてとても嬉しいんだ』と言ってくれたの。」

「それで私は『ヘザーさんの魂は私たちと一緒にここにいる。彼女はきっとこれまで以上に幸せよ』と返したの。」

「そして私たちは式場まで歩く前、ハグをしたのよ。」

ダイアナさんはその日、興奮し不安になり悲しみが込み上げるなど様々な感情が押し寄せてきたものの、愛する人と結婚できたことにこの上ない喜びを感じ、臓器ドナーとなったヘザーさんに心から感謝したという。これからも一生涯にわたり拒絶反応抑制剤とステロイドが必要で、今でも吐き気や嘔吐などで苦しむことがあるというが、ダイアナさんは最後にこんな言葉を残した。

「移植前と後では私の生活は一転したの。ヘザーさんがドナーになっていなかったら、結婚することもなかったし、私は今ここにいないでしょうね。人の死は悲劇だけど、臓器移植によって私は新しい人生を歩むことができたの。不可能だと思っていた人生をね。だから私はヘザーさんの命の贈り物を大切にし、彼女の素晴らしい生き様を引き継いでいきたいの。」

「そして人々に臓器移植の素晴らしさを認識してもらい、多くの人に臓器移植について考えてもらいたい。死を悲しんでいる時に決断するのは難しいことだから、命ある今のうちに語り合って欲しいの。」

ちなみに「米臓器移植基金(American Transplant Foundation)」によるとアメリカでは現在、約107000人がドナー待ちのリストに名を連ねており、一日に17人が臓器移植を待ちながら亡くなるという。

画像は『Buffalo News 2021年9月15日付「He never got to walk his daughter down the aisle - but did for her organ recipient」(Sharon Cantillon)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

当記事はテックインサイトの提供記事です。

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