森崎ウィン“帰れない今”だから「自分の故郷への愛情もより深まる」<映画『僕と彼女とラリーと』公開記念インタビュー>

俳優の森崎ウィンさんが、10月1日より全国公開中の映画『僕と彼女とラリーと』に主人公・北村大河役で出演します。
『僕と彼女とラリーと』はモータースポーツの“ラリー”を通して、過去の確執と向き合い、乗り越えようとする大河の新たなチャレンジと、故郷の仲間たちとの絆を描いたヒューマンドラマです。

11月11日~14に行われる予定だった「FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦フォーラムエイトラリージャパン2021」の開催地、愛知県豊田市・岐阜県恵那市でオールロケが敢行され、移りゆく自然豊かな美しい四季も収められています。

めるもでは、森崎さんにインタビューを実施。自身のご家族のことも思い出したという本作撮影時のエピソードや、今後挑戦してみたい役柄など、様々なことをお話いただきました。

――オリジナルストーリーとなった映画『僕と彼女とラリーと』、森崎さんは最初に脚本を読んだとき、どう感じましたか?

森崎ウィン:タイトルに入っている通り、「ラリー」の話では当然あるんですが、それよりもヒューマンドラマの要素を強く感じました。僕が演じる北村大河は、父親に強い反発心を持っているけれど、父の過去を知ることで家族と向き合っていくようになるんです。脚本を読んでいるときに、「こういう作品のオファーがくるということは、自分の家族とも、もっとちゃんと向き合えということかな」と考えさせられるようにも感じました。

――特に、どういうシーンで自身のご家族のことを思い出したりしましたか?

森崎ウィン:僕はミャンマー出身なので、家族や親戚は全員向こうにいるんです。今、自立して僕はひとりで(日本に)暮らしているので、それこそ家族全員が集まることってなかなかなくて。「元気?」みたいな電話はもちろんしますけど、もっとさかのぼると、自分の生まれる前の「ウィン家」がどういう感じだったのかも、意外と知らないなと思ったりもして。大河くんが、お父さんのかつてのインタビュー映像を見ている場面があったじゃないですか。あのときに、自分の家族の過去についても純粋に知りたくなったりしました。

――本作では主演という立場です。全シーンに出ていたと言ってもいいくらい、出ずっぱりでしたよね。

森崎ウィン:確かに、そうでしたね!香盤表では、ほぼ自分のところに毎日丸がついている状態でした。やっているときは集中しているから「大変だ!」と思いながらも、今思うと楽しかったです。共演者の皆さんも素敵な俳優さんばかりでしたし、スタッフの方々も含め、本当に人に恵まれました。タイトなスケジュールな中やりきれたのは、絶対にこのチームだったからというのがあると思います。

――大河の幼馴染・上地美帆役の深川麻衣さんとも息がぴったりでした。

森崎ウィン:麻衣ちゃんは僕とタメなんです。まず、そこで「おー!タメじゃん!」とすぐ打ち解けられて。実は、僕ら90年生まれだと、あまり同じ年の役者に出会うことがないんです。今回は僕と麻衣ちゃんと、田中俊(介)くんも同じで!3人で、よくしゃべっていました。麻衣ちゃんはトップアイドルだったので、あまり近づいてはいけないかな?と最初思っていたんですけど、すごく気さくな方だから、全然そんなことはなくて。純粋に人間として魅力的な方でした。

――言われてみれば、深川さんだけでなく、森崎さんも田中さんもグループ出身ですよね?

森崎ウィン:確かに、全員そうだ(笑)!「全員グループ出身やね!」みたいなことを言い合っていたこともありました!「そういう経験があったからこそ、今があるんだよね」と話しましたね、懐かしいなあ。


――演じた大河は、役者を目指し悩みながら夢を追っている人物です。森崎さん自身、やりたいことに向かって努力したり、悩んだり、乗り越えたりと、似たような経験はありますか?

森崎ウィン:もちろんです。悩んだりすることは常にあります。特に、役に対する悩みは、どんな役でも正解がないから、演じているうちにわからなくなってくるときもあるんです。だから、監督が導く「こっちだよ、この方向性できてね」というゴールに、全面的に信頼を置くことが、乗り越えることの秘訣なのかなと思っています。信頼できる監督、企画や脚本に巡り合えることが、すごくありがたいことだと思っています。

――森崎さんは、本作のように主演をやることもあれば、『蜜蜂と遠雷』のようなインパクトの強い役、ドラマ『6 from HiGH&LOW THE WORST』のようなダークな役まで、非常に幅広い役をやられている印象です。今後やってみたい役、挑戦してみたい作品など、具体的にありますか?

森崎ウィン:ああ…!どういう役に巡り合うのかな、という楽しみのほうが大きいんですけど、やりたい役といえば、普段できないことを疑似体験できるのが役者の醍醐味のひとつだと思っています。何でもやってみたいんだけど……それこそ、『6』の坂田基晃じゃないですけど、本気の敵役をやってみたいです。『ジョーカー』の(ホアキン・フェニックス)ような役を!

――ザ・ヴィラン!という感じですね。

森崎ウィン:めっちゃヴィラン、1回トライしてみたいなと思います!僕、笑顔がかわいいので(笑)、このかわいい笑顔で人を刺すとか、ギャップを見せられるような役をやりたい希望はありますね。

――いつも出演する作品に関しては、どう選んでいるんですか?

森崎ウィン:いえ、僕なんかがまだ作品を選べる立場じゃないです。今の僕は、まず求められていること自体がすごくありがたいので、来たものはすべてやりたい気持ちは常にあります。ただ、純粋にスケジュールやタイミングもありますし、ときに経験のある事務所のスタッフやマネージャーチームと一緒に決めていくこともあります。
例えば、自分が世界的スターと言わないまでも、そうした役者になれたら、自分が伝えたいものを企画段階から監督と一緒に作りあげて、というのもできるかもしれないですよね。将来的には、自分でも映像作品を撮りたいという思いもあるので、まだまだ精進したいです。

――ありがとうございました。最後に『僕と彼女とラリーと』を楽しみにしている読者に、森崎さんが本作を観て感じたことをメッセージに代えて、お願いします。

森崎ウィン:純粋に、帰る場所があることはすごい素敵だな、と思える作品です。自分の出発地点に戻ることは、それこそ“ラリー”という言葉にもつながってくるんですけど。ロケ地になった愛知県は美しいところがたくさんあって、ミャンマーにもそういう場所はたくさんあるので、その画を見ながら自分の故郷を思い返している自分がいたりもしました。「ああ、いいな、なんか帰りたいな」と思わせてくれる作品だと思います。今のご時世だから帰れない分、この作品を通して、自分の故郷への愛情もより深まるように感じられました。
あとは、本当に人間と人間はこんなに親密につながるものなんだとも思えました。育った環境が違う人間同士がつながれる、人と人とのつながりの大事さを改めて感じる作品でした。自分がもしかしたら欲しているものをこの作品が投影してくれているのかな、と思う瞬間がすごくあったので、ぜひ観ていただきたいです。

取材・文:赤山恭子 写真:iwa スタイリスト:森田晃嘉 ヘアメイク:KEIKO

映画『僕と彼女とラリーと』2021年10月1日より公開中。

キャスト:森崎ウィン、深川麻衣 ほか

監督・脚本:塚本連平

公式サイト:https://bokukano-rally.com/

(C) 2021『僕と彼女とラリーと』製作委員会

 

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ