「朝倉未来からすべてを奪い取る」と公言する萩原京平が、番狂わせを起こす可能性は? 10・2『RIZIN LANDMARK』展望─。


コロナ禍に対応した新たな格闘技イベントが10月2日にスタートする。『RIZIN LANDMARK』。基本的に無観客、開催場所も当日までシークレットされ、動画ライブ配信により熱闘がファンに届けられる。

その第1回大会のメインイベントで、朝倉未来の再起戦が行われる。対戦相手は地下格闘技上がりの萩原京平、25歳。格上の朝倉に対して過剰に挑発を続ける彼に秘策はあるのか?
ラジカルファイト必至の一戦、行方を占う─。
○■挑発する萩原、冷静に構える朝倉

「コンディションは最高の状態。明日にでも闘えるくらいに仕上がっている。いまはワクワク感しかない。(試合が終わった後に)自分が見ている景色がガラリと変わると思っている。相手は上から目線で舐めた態度をとっているので、ぶっ飛ばしたい。自信もある。朝倉未来からすべてを奪い取る!」(萩原京平)

「いままで(クレベル・コイケ戦の1カ月前まで)は、1、2時間しか練習をしてなくて、試合の時に本気を出せばいいという感じでやっていた。でもいまは、きつい練習を続けているので自信も深まった。レベルの違う相手なので何を言われても気にならない。先を見据えているので、今回の試合は俺にとっては準備運動」(朝倉未来)

10月2日、東京都内(場所は未発表)で『RIZIN LANDMARK』が開催される。基本的に無観客、ライブ配信(U-NEXT)に特化した新たな格闘技イベントのメインは、朝倉未来(トライフォース赤坂)の再起戦。対戦相手は、かねてから朝倉を挑発してきた新鋭・萩原京平(SMOKER GYM)だ。

試合を目前にして萩原(9月24日)、朝倉(9月27日)がそれぞれの所属ジムで公開練習を行っている。その際、両者のコメントは対照的だった。
挑発する萩原と、乗らぬ朝倉─。

萩原は、かなり意気込んでいる。<巡ってきたチャンスを逃してなるものか、一気に成り上がってやる>との熱い想いがヒシヒシと伝わってくる。

「対戦相手からこんなに舐めた態度をとられたのは初めてですよ。その分、燃えますね。1ラウンドから僕が主導権を握る試合になる。自分から打撃でプレッシャーをかけていきますよ。相手はカウンター狙いだと思うんですが、その対策もバッチリできています。
10月(24日)の横浜大会(『RIZIN.31』/ぴあアリーナMM)でフェザー級のタイトルマッチ(王者・斎藤裕)があると聞きました。ここで朝倉未来に圧勝して、挑戦者に立候補したいと思います。それだけの強さが自分にはある。絶対に勝つ」

何と、一気に王座に駆け上がる野望まで抱いている。
昨年大晦日に平本蓮(元K-1)に勝利して以来の試合、間隔が10カ月空いた萩原だが、それをブランクとは捉えていないようだ。
むしろこの間に、体幹トレーニングにみっちりと取り組みフィジカルを強化、岩崎正寛(柔術家)から寝業の指導を受けテクニックも向上させたという。充実した準備期間を過ごせたと実感しているようだ。
果たして、どれだけ強くなっているのか。

○■番狂わせが起こるなら…

さてこの一戦、勝つのはどっちか?
まずは、両者のプロ戦績を比較してみよう。

朝倉未来/14勝(9KO&一本)3敗1無効試合
萩原京平/5勝(5KO&一本)3敗

朝倉はこの間に、OUTSIDERで2階級(65キロ&70キロ級)を制覇。RIZINのリングでも10試合を強豪相手に闘ってきた。
対して萩原は、勝っても負けても判定決着なしのスリリングなファイトを続けるもキャリアは乏しく、対戦相手も強豪揃いとは言い難い。

「格上の朝倉優位」が妥当な見方だろう。私も「8-2」で朝倉優位と予想している。キャリアだけではなく、スピード、打撃の当て勘、試合の組み立て等の総合力において朝倉が上回ると見る。

それでも、この試合は朝倉にとって決してイージーファイトではない。
理由は2つある。
まず、萩原が一撃で相手に多大なダメージを与えることができるハードパンチの持ち主であること。
打撃の交錯は恐ろしいもので、タイミングひとつで予想以上のダメージを相手に与えることがある。失うものがない萩原は思い切って打ち抜くことだろう。朝倉のカウンターパンチのパターンを見抜き、作戦通りに当て切ればアップセットが生じることもある。それだけの破壊力のあるパンチを彼は有している。

もう一つは、朝倉がグラウンドの攻防を意識した時にどうなるか。
両者ともに打撃を得意とするストライカーだ。それでも朝倉は、こんな発言をしている。
「これまで出す機会がなかったけど、皆さんが思っている以上に俺は寝業ができます。萩原クンは、まあまあ打撃ができるんで、相手の得意なところで闘わず寝業に持ち込んで決めてもいい。盛り上がるかどうかはさておき、俺が寝業で勝ったら面白いんじゃないかな」

考えづらいが、朝倉が寝業に持ち込もうとする可能性もゼロではない。
萩原の寝業の上達度は未知数だが、テイクダウンをさせない練習は、十分に積んでいることだろう。もし朝倉がタックルを仕掛け、それを萩原が切るようなことが続けば、試合のリズムが変調。萩原に流れが向くかもしれない。

朝倉優位は変わらない。それでも、萩原には「もしかすると」の魅力がある。
判定になる可能性は低い。『RIZIN LANDMARK』初陣、ド派手なKO決着の予感が漂う。

文/近藤隆夫

近藤隆夫 こんどうたかお 1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等でコメンテイターとしても活躍中。『プロレスが死んだ日。~ヒクソン・グレイシーvs.高田延彦20年目の真実~』(集英社インターナショナル)『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文藝春秋)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(ともに汐文社)ほか著書多数。
『プロレスが死んだ日 ヒクソン・グレイシーVS髙田延彦 20年目の真実』(集英社インターナショナル) この著者の記事一覧はこちら

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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