住宅ローン審査に落ちた場合に備える「ローン特約」。落とし穴と確認すべき点は?

日刊Sumai

マンションの広告チラシ
マイホームを購入するとき、売買契約が成立した証拠として、買主が手付金を支払うことが通例です。
しかし、その後、借りられると思っていた住宅ローンが、審査が通らず下りなかったとしたら、支払った手付金は戻ってくるのでしょうか?
今回は、マンション購入時に取り交わす、契約書の要チェックポイント「ローン特約」についての問題です。

あなたは、マンションの広告を見て、さっそく現地モデルルームを見学。気に入って、売買契約を締結。販売価格(4000万円)の5%、200万円を手付金として支払いました。しかし、ローン審査は通らず、購入を断念せざる得ないことに。この場合、手付金の200万円は戻ってくるでしょうか?

では、さっそく答えを解説していきます。
まずは、契約書に「ローン特約」が盛り込まれているかがポイント
不動産の売買契約書
借りられると思った住宅ローン。転職して間もないケースや、勤めている会社の業績悪化で、審査ではねられてしまった、想定していた金額では借りられなかった、などということは、だれにでも起こりえることです。
そこで通常、住宅ローンを利用してマンションを購入することが前提の売買契約の場合、契約書に「ローン特約」と呼ばれる契約条項が盛り込まれています。
「ローン特約」とは、ローンが通らなかった場合、不動産売買契約そのものを解除して、契約を白紙に戻すことが可能になります。そこに書かれている条件に当てはまれば、手付金は戻り、契約違反にはなりません。
ですから、答えは以下のようになります。

正解…契約書にローン特約が盛り込まれていれば、記述に不備がない限り戻ってくる

「ローン特約」の記述によっては、トラブルになるケースが!
トラブル
ローン特約の存在を知っている人でも、契約書に盛り込まれてさえすれば安心と、思ってしまいがち。しかし、ちゃんと必要なことが記入されていないと、トラブルになることもあります。

1.ローンを申し込む金融機関名が記載されていない

売買契約書のローン特約の項目には、具体的にローンを申し込む記入機関名が記載されている必要があります。
なぜでしょうか。もし記載がないとなると、買主が審査落ちした以外の金融機関で借りればすむ話と解釈することが論理的に可能です。そうなると、解約条件に当てはまりません。
その意味では、「A銀行、B銀行等」という書き方もNG。金融機関名の記入があっても「等(など)」がついていることで具体性がなくなります。やはり記入された以外の銀行で借りればいい、という話になりかねません。
従って、想定している借入先は、あいまいな記述は避け、具体的に書くことが重要です。

2.ローンで借りる金額が具体的に書かれていない

金額を明記していないと、想定していたローンが通らず一部しか借りられなかった場合、ローンは通っているので、手付金は没収されてしまうケースが。
ローン特約の無償解除の条件に、ローンの金額が明記されていれば、希望の金額が借りられず、一部しか通らなかったというケースでも適用されます。

3.ローンは通ったが、見込んでいた頭金が用意できず解除

金融機関名、ローンで借りる金額は明記されている。しかし、住み替えにともない売却や、親からの贈与の特例を期待して、金額自体を低めに設定するというのも要注意です。ローンも無事通過。しかし、思った通りに売却が進まなかった、親からの援助が受けられなかった、という理由で、解約解除した場合、手付金は戻りません。
ローン特約は、ローンの審査が通らなかった場合、自動的に売買契約が白紙解除される「解除条件型」のほかに、「解除権保留型」があります。
この「解除権保留型」は、「契約締結後30日以内に限り…」「2021年○月△日を解除期限とする」というように明記され、期日を過ぎた場合、ローンが通らなくても、解除の条件にあてはまらなくなります。
ローン特約は、結べば安心というものではありません。とにかく具体的に書くことが大切です。そして売買契約を締結する前に、条項をしっかり読んで、十分に理解したうえで結ぶようにしましょう。
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画像(図以外)/PIXTA

当記事は日刊Sumaiの提供記事です。

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