映画『ビリギャル』原作者による新著。子どもの可能性を広げる"効果的な声かけ"とは?

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 2015年に有村架純さん主演で公開された映画『ビリギャル』。ミリオンセラーを記録した原作本『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』は、実話であったことでも当時話題を呼びました。

著者は坪田信貴さん。アメリカの大学で学んだ心理学をもとに、塾講師として1300人以上の子どもたちの学習指導をおこなってきた人物です。そんな坪田さんが7月に新しい著書『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』を出版しました。

これまで多くの子どもたちを見てきた坪田さんは「本当に言葉ひとつで、人は変わる」(本書より)と実感したそうです。とくに、お母さん・お父さんの言葉一つひとつを子どもはしっかり受け止めているといいます。だからこそ、つい口にしたちょっとした言葉が逆効果になってしまうことも......。

では、子どもたちの自己肯定感を高め、自分の意思で行動できるようにするには、どのような声かけをすればよいのでしょうか?

本書には、子どもにかける言葉について、良い事例と悪い事例の両方が28例載っています。代表的なのがタイトルにもなっている「『人に迷惑をかけるな』と言ってはいけない」というもの。もしかしたら、お子さんに一度は言ったことがある言葉かもしれませんが、坪田さんによると「これこそが最初にやめたい声かけ」(本書より)だといいます。

その理由は、「誰にも迷惑をかけず、誰の手も借りずに生きている人なんていない」(本書より)から。「人に迷惑をかけてはいけない」と思い込んでしまうデメリットは、人に助けを求められなくなること、何か困ったことがあっても、助けを求めれば迷惑をかけることになるから自分1人でなんとかしようとしてしまうところにあります。けれど、生きているうえで迷惑をかけるのはお互いさま。それなら「人に迷惑をかけて助けてもらった分、困っている人がいたら助けよう」と考えるほうが健全なのではないかと坪田さんは考えます。

実際、日本以外の国ではあまり「迷惑をかけてはいけない」とは言わないそうです。たとえばインドでは、「人に迷惑をかけてもいい。その代わり、誰かから迷惑をかけられたら助けてあげなさい」と教えるそうです。また、アメリカやカナダでは、災難や急病などで困っている人を善意で助ける場合、その結果が失敗だったとしても責任を問われない「善きサマリア人の法」という法律が施行されています。

もちろん日本ならではの価値観や考え方は大事ですが、これからグローバル化する社会で生きていく子どもたちのために、世界のスタンダードを知っておくのも必要なことかもしれません。日米にわたって活躍の場を持つ坪田さんだけに、本書にはグローバル時代にも通用する声かけ事例が豊富に見られます。

親が子どもにあれこれ言うのは、子どもの幸せを願うからこそ。けれど親だって完璧な人間ではないし、専門的なコーチングを学んでいる人は少ないものです。子どもを良い方向に導く言葉かけとはどのようなものなのか、本書でそのヒントを得てみてはいかがでしょうか。

[文・鷺ノ宮やよい]

当記事はBOOKSTANDの提供記事です。

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