道端で遭遇した標識、何かがおかしい 目撃者も「ウソかと思った…」と動揺

しらべぇ


バトル漫画の世界に、一人はいると便利なのが情報通なキャラクター。突如繰り広げられた必殺技の恐ろしさや効力などを語り出し、読者に分かりやすく説明するのが主な役割である。

大抵「噂には聞いていたが…」「まさかこの目で拝める日が来るとは…」的なフレーズが決まり文句なのだが、現在ツイッター上では、そうした情報通たちをも震撼させる「標識」が話題となっているのをご存知だろうか。

■実在したのか…!


注目を集めているのは、ツイッターユーザー・gaiさんが投稿した一件のツイート。

投稿本文には「嘘かと思ってたが…まさか噂通りだったなんて…」と、歴戦の智将キャラたちを彷彿とさせるフレーズがつづられているだけでなく、一枚の写真が添えられていた。



こちらは屋外で撮影した、通りと標識の写真なのだが…なんと標識には「噂通り」という衝撃的な名前が記されていたのだ。

【話題のツイート】これは二度見するでしょ…

■設置場所は広島市


インパクトがあまりに強すぎる標識を捉えたツイートは大きな反響を呼んでおり、投稿からわずか数日で1.8万件ものRTを記録する事態に。

他のユーザーからは「えっ、嘘でしょ!?」「こんな名前の通りが、まさか実在するとは…」「地名の由来がめっちゃ気になる」といった驚きの声が上がっており、中にはピンク・レディーの楽曲『渚のシンドバッド』の歌詞を思い出した人も少なくないようだ。



ツイート投稿主のgaiさんに詳しい話を尋ねたところ、仕事でたまたま広島県広島市の可部駅付近を立ち寄った際、偶然こちらの標識を発見し、その面白さに思わず写真を撮ってしまったとのこと。

そこで記者は今回、広島市地域活動支援団体「噂通りの会」の会長を務める「ホテルリッチ」オーナー兼支配人の大戸由加さんに、直撃取材を敢行することに。

すると「噂通り」の名に秘められた、素晴らしい思いの数々が明らかになったのだ。

■誕生までの経緯がエモくて熱い…!




広島市の北部、安佐北区可部は、太田川および根の谷川の両水系から豊かな地下水に恵まれ、かつて江戸時代から続く酒造りの町として名を馳せ、明治後半(明治44年)のJR可部駅の創業とともに交通も発達し、商店街として栄えていった。

しかし時が流れて平成の時代になると、大手ショッピングセンターの進出等を受け、商店街は徐々に「シャッター街」に姿を変えていき、苦境に立たされてしまう。

そうした事態を憂い、150年以上続く酒蔵の蔵元や、呉服屋の若旦那、可部で生まれ育ち、他県の名店で料理人として修行を積んで地元で創業した人物や、新たにクラフトビール醸造所を設立した人物、そして同地で飲食店や、会社を創業した人々が2019年夏ごろから、「自分たちの町は、自分たちで面白くしよう!」という意志のもと、営業時間後の深夜から店舗に集まって朝までワイワイ会合を開いていたのが、「噂通りの会」のルーツになるという。

自身の加入について、大戸さんは「まだ会の名前も、通りの名前も何も決まっていなかった仲間たちに、祖父は酒屋、父の代でコンビニとウィークリーホテルとなった家業を継いで、ホテルとしてリニューアルしたばかりの私が後から加わったのが始まりです」と振り返る。

■なぜ「噂通り」という名前に?


以前「楽天トラベル」講習会の人気講師として招かれたコピーライター・長谷川哲士氏の講習に参加していた大戸さんは、ホームページのリニューアルのため、2019年7月頃、長谷川氏にホテルのキャッチコピーを依頼することに。

長谷川氏はキャッチコピーをつけるに当たり、東京からデザイナーほか企画チームと共にホテルへ視察にやって来て、可部駅前のはしご酒ツアーが「噂通り美味しい!」と、大変気に入った様子。

その後できあがった企画書には「ホテルにキャッチコピーを付けるより、もっと大きな噂を作れるようなご提案をさせてもらいます。噂通りどの店も美味しかった料理や、大戸さんのトークを含めたはしご酒ツアーは、人を来させる魅力があると思います」「『噂通り』は、まだ検索しても日本にはありません。この通りに『噂通り』と名付けて、このまちに人を呼びましょう。地図に残る仕事をしたいと思いました。一緒に噂を作りましょう!」という熱いメッセージがつづられていたという。



この提案をメンバーに報告したところ、全員一致で賛成となり、会の名前を「噂通りの会」、駅からホテルまでの80mの通りを「噂通り」と名付けることが決定したのだ。

なお現在では商業地の名前として承認され、Googleマップにもしっかり「噂通り」の名前が表示されているのだから、聞いているだけで胸が熱くなってこないだろうか。

■「噂通り」は決して屈しない


アイデアと努力、そして人一倍の地元愛で逆境を跳ね除けた「噂通り」だが、時期を悪くして今度は新型コロナウイルスが猛威を振るいだす。

全国の商業地が同様に苦しめられているコロナ禍だが、そんな状況にあっても「噂通りの会」は昨年5月にはメンバーが出資し、「噂通り」の飲食店で250食の弁当をメンバー全員で作り、地域医療最前線で働く広島市立安佐市民病院の医療従事者に届けるといった精力的な活動を実施しているのだ。

他にも11月29日(いいにくの日)に因んだ「噂通りのフェスティバルーいい肉の日ー」や、「噂通りの浴衣フェス」といった数々の催しを実施しており、大戸さんは「今後も年3回『噂通りのフェス』の開催を予定しています!」と元気いっぱいに語ってくれた。

飲食店を営む「噂通りの会」会員はコロナ禍で手痛い苦戦を強いられてるが、今回ツイッターで「噂通り」が再び話題となったことで、再度光明が差し始める。大戸さんも「ツイート投稿者様には、心から感謝しています」と感動を抑えきれない様子だ。



件のツイートを切っ掛けに初めて「噂通りの会」を知った人々に向けてのメッセージを尋ねたところ、「現在は緊急事態宣言期間中のため、噂通りのおでん屋『どうらく』、『SAKE Bar ゆう』、串専門店『まるしげ商店』、「Pizzeria la Vita(ピッツェリア ラ ヴィータ)」では、趣向を凝らした料理のテイクアウトを行なっています」「広島北ビールのクラフトビールや、旭鳳酒造の美味しいお酒とともに、『おうちで噂通り』を楽しんでみてください」と、字面を見ているだけでお腹が空いてきそうなコメントが。

また「新型コロナ感染が収束しましたら『飲んで泊まって、朝帰宅(安佐北区)』ということで、ぜひ可部にお越し頂き、『ホテルリッチに泊まって、思う存分、噂通りのはしご酒ツアーをお楽しみください!」「心を込めて、ご案内致します」と、粋な誘い文句も見せてくれた。

その名が示すように、噂通りのバイタリティとホスピタリティ、そして地元愛を誇る「噂通り」。ぜひ現地でその魅力を堪能してみてほしい。

【エリア詳細】



「噂通り」

広島県広島市安佐北区可部2丁目

当記事はしらべぇの提供記事です。

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