西尾維新を呪いたくなった?沢城みゆき・堀江由衣が語る『化物語』

Amazonが提供するオーディオブックAudible(オーディブル)は、いつでもどこでもプロの声優によって読み上げられた本を音声で聴くことができるサービス。そのAudibleにこの度、西尾維新の小説<物語>シリーズ第2弾が登場! アニメ版の同作で、各キャラクターを演じた声優陣が、本の朗読を担当しました。アニメージュプラスでは、『猫物語(白)』を担当した神原駿河役の沢城みゆきさん、『花物語』を担当した羽川翼役の堀江由衣さんにインタビューを実施。西尾維新氏を呪いたくなってしまったという収録の苦労話やアニメシリーズアフレコ時の思い出などを伺いました。

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――今回お二人が朗読を担当された、AmazonオーディオブックAudibleですが、その存在は、元々ご存知でしたか?

堀江 私は最近、別の作品でAudibleさんのお仕事をさせていただくことがあり、その際に知りました。

沢城 私も知っていました。というのも主人が結構、作業しながらラジオなど耳で聴くエンタメを楽しむ人で。それこそ私が家に帰ると『アニスパ!』が流れていて、私より主人の方が浅野(真澄)さんのことを知っているような感じだったんです(笑)。Audibleのことも主人を通して聞いていて、「12時間も朗読してくれる人がいるなんてありがたいねぇ」なんて、どこか対岸の火事のような気持ちでいましたので、まさか今回という感じで(笑)。

――それはまさかですね(笑)。朗読するというのはどんな風に決まったのでしょうか?

沢城 「神谷さんがやるならやる」って言いました(笑)。

堀江 全く一緒です。私もみんながやるならって(笑)。

沢城 神谷さんがやるなら、<物語>に関してはみんなやるんですよ。

堀江 割とそんな感じだよね。

沢城 神谷さんにゆだねられているんです。

――実際に朗読してみていかがでしたか?

沢城 私、皆さんの朗読をお聴きしたいとお願いして音源をいただいたのですが、堀江さんの朗読、素晴らしかったです!

堀江 え? 聴いたの? 私も貰えば良かったー! 他の方のはどうでした?

沢城 まっすぐ歩けと言われた時と同じくらい、文章をただ読むって難しいなと思っているのですが、そんな時こそ、普通にお芝居するよりもずっと、その人の癖というものが見えてくる気がして。どの方のも凄く興味深かったです。やはり、オリジナルのキャストとは違う声で既存のキャラクターを聴くことになるので、最初はどうしても違和感があるのですが、そこを乗り越えると段々愛着が湧いてきて、そういうものとして聴けるようになるんです。それに、皆さんそれぞれ取り組み方から違っていて勉強になりました。

――ただ読む朗読は難しいとのことですが、今回はどんなところが?

沢城 朗読して難しかった点としてはそうですね……。物語が一人称で喋って進むから、どうやったってそのキャラクターに寄っていってしまうところですかね。私も「似せよう!」という志はなかったのに、どうしても(沢城さんが朗読した『猫物語(白)』主人公・羽川翼役の)由衣ちゃんに寄っていってしまいましたし。

堀江 そうなんですよ! 頭の中の再生音と自分から出力された音が違うのが気持ち悪くて、どうしても自然に寄せてしまうんですよね。そもそも私、これまで朗読というものをしてこなかったので、まずどうやってやるんだろうとスタッフの方に尋ねてみたところ、「それぞれです」と言われて……。「それぞれって何だ?」ってなりました(笑)。自分なりにやっていくしかなかったのですが、自分の中でどう落とし込んでいくのかが難しかったです。

――私はてっきり、『花物語』は神原駿河役の沢城さん、『猫物語(白)』は羽川翼役の堀江さんが朗読されるものだと思っていたので、逆だったことに驚きました。

堀江 私も最初は、自分のイメージとは違う音が自分の口から出てくる違和感に戸惑って、これなら『猫物語』の方が良かったとも思ったのですが、神原さんや物語のことを深く知ることが出来たので、今となってはこれで良かったと思っています。

沢城 私は逆に、アニメ版の神原の出力で全部朗読しろといわれても無理なので、(『猫物語』で)良かったです(笑)。それに、私も今回の朗読がなければ、羽川さんがこんなに可哀想な子だというのを知らないまま終わっていた可能性もありますし。

堀江 彼女、結構不遇だったんです。

沢城 ルンバに起こされているシーンや、調理器具が(家族それぞれ)3つずつあるというのが切ないなと思って……。

堀江 そうなんですよね。家庭環境複雑で……。味付けしない話は出てきた?

沢城 出てきた! あの辺りちょっと怪談でした。

堀江 私もあの話は衝撃でした。神原さんと羽川さんって接点というか心の交流があまりないキャラクター同士だったから、神原さんはこんなことを思っていたんだ!  って色々新しい発見がありました。

沢城 私は、ブラック羽川章に入ったアニメのアフレコ時、由衣ちゃんが『にゃにゃめにゃにゃじゅうにゃにゃ~』のセリフを録った後、アフレコブースから「ふ~~~」って言いながら出てきたのを凄く覚えていて。大変そうだなぁと思ってたのですが、まさか同じ刑に処される日が来るとは……(笑)。

堀江 あれ、地味に嫌でしょ?

沢城 うん。凄く大変だった。「なんとかなのにゃ」と「なんとかなのじゃ」がひたすら話してる章と、阿良々木家に泊まる章で「阿良々木」を何度も言わなくちゃいけないシーンは、「西尾維新!!!」って慟哭したよ(笑)。

堀江 私も「なぜ阿良々木君ではなくてアラキ君じゃだめだったのか」と何度も思いました(笑)。アニメのアフレコ時も、阿良々木君を苦じゃなく言えるように練習しようってシーズンが終わる度に思うのに、忘れてしまって。また新シーズンが始まった時に、阿良々木君が上手く言えないのを思い出すというのを繰り返していましたし。

沢城 今回の収録で私、編集点の作り方が上手くなりました(笑)。<物語>シリーズは一文が長いので、最後の方で間違えるとダメージが大きいんです。なので、句点で上手いこと編集点を作って読むように意識していましたね。

――編集点まで意識されるなんて……。以前、第1弾のナレーションを担当した神谷浩史さん・斎藤千和さんにお話を伺った際に、収録は修行のような時間だったとお聞きしたのですが、お二人はどのくらいの時間がかったのでしょうか?

沢城 私は5時間×4回くらいでしたね。

堀江 私は3時間位で帰らせてくださいとお願いしていた分、もう少し回数を重ねました。というのもその時、腰を痛めてしまっていて、椅子に座れずに立ちで収録させてもらっていたんです。ベテランのスタッフさんが多い現場だったから、一番若い私が皆さんに良い病院を尋ねるみたいなことも(笑)。

――それは大変でしたね。ディレクションはどんな感じだったのでしょうか?

沢城 自由でした。制作陣は、単純な読み間違いのチェックを徹底していて、クリエイティブな部分はそちらでどうぞご自由にという感じで。

堀江 本当に一言一句聞き漏らすまいという感じでしたね。

――もう一度朗読してほしいと言われたらどうされますか?

堀江 自分のやり慣れない朗読というお仕事だったのですが、1冊丸々読むことで隅から隅まで作品のことが分かる感じは、好きだなと。物理的にはめちゃくちゃ大変なので、次ができるかは分からないですが、単純に楽しかったです。

沢城 何だか念仏を唱えるにも似た、写経にも似たような感覚でした。西尾維新という奇才の言葉が、自分の中を通って出ていくのが心地良いと言いますか……。人の言葉を一度自分の中に入れて出すという行為が、自分の思考の整理整頓にも繋がって、気持ち良かったです。確かに物理的には、「西尾維新め!」って言いたくなるような瞬間もあるのですが、それは仕方ない。そもそもこの作品は口に出して読むように書かれていないですしね(笑)。

堀江 そうなの。この文章一生読めないかもと思う瞬間もたくさんありました。

沢城 振り返ってみると、大変気持ちの良い時間だったような気がします。読み手としては、語尾を落とさない、ブレスをなるたけ無音で……など、色々と技術的なことにも気を付けたので、長時間聴いていても気持ちの良いものになっていると良いなと願っています。

――今回、久しぶりに<物語>シリーズに触れられたかと思いますが、お二人にとって、<物語>シリーズはどんな存在なのでしょうか?

沢城 当時のアニメ『化物語』がやっていた、一言一句原作のままセリフを起こすことやキャラのコメンタリーをやるというのは、革新的で。もしかしたら、「業界初」みたいなことを背負ってきた面も、この作品にはあるのかなと思っているんです。その分、キャスト陣に対しての「戦友」みたいな気持ちも強くて。

堀江 私も『化物語』から離れている時は、キャストの絆も妙に強いし楽しい作品だよなと思っているのですが、いざ新シリーズが始まりますとなった時に、楽しかった雰囲気が一転、エベレストに登る準備を始めなくてはならないような重い気持ちに変わっていて。でもそれって、常に新しいことに挑む<物語>シリーズだからこそ、そんな気持ちになっていたんだなと今聞いて思いました。

――お二人にとっては、思い出深いチャレンジングな作品なんですね。最後になりますが、今回のAudibleを楽しみにしている方に向けてメッセージをお願いします。

堀江 今回、結構思いがけない人が思いがけない話を読んでいますので、キャスティングの妙も面白がってもらえると嬉しいです。また、アニメ独特の世界観や表現方法の面白さと、西尾先生の描く原作そのままの文章の面白さの両方が混在したものになっていますので、是非、改めて<物語>シリーズという作品を楽しんでいただけたら嬉しいです。

沢城 特にアニメ『化物語』のファンの方達からすると、聴いていて最初は違和感があるかもしれません。ですが、その最初の違和感を乗り越えて、是非各巻楽しんでいただけたら、それ以上のことはありません。聴く方も12時間程聴くことになって大変だと思いますので、乗り越えていただいた暁には、あなたも私達の仲間になれる気がしています(笑)。是非、この機会に戦友になりませんか?と思っております。よろしくお願い致します。

沢城さんと堀江さんが苦しみながらも読み上げた『猫物語(白)』、『花物語』は、AmazonオーディオブックAudible(オーディブル)にて配信される。通学・通勤中はもちろん、家事や育児の合間など隙間時間にながらで楽しむことのできる「聴く読書」。10月11日(月)までの間は、2カ月無料でAudibleを楽しめる新規会員登録キャンペーンも実施中なので、プロのナレーションで新しい世界を楽しんでみては? 

当記事はアニメージュプラスの提供記事です。

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