森崎ウィン、ブレイクまでの11年間…「僕以上に悔しがってくれる人がいた」

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ハリウッドの超大作への出演を契機として、映画やドラマ、ミュージカルに音楽活動とその実力をいかんなく発揮し続ける森崎ウィンさん。10月にも主演最新作『僕と彼女とラリーと』の公開が控える今、彼の真摯な姿勢に迫ります。
■ 元々自分自身がやりたいこと。頑張るのは当たり前なんです。

10歳の時に両親とともにミャンマーから日本にやってきた森崎ウィンさん。その後、スカウトを経て芸能界入りし、’18年に公開された世界的巨匠スティーブン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』で主要キャストのひとりに選ばれ、一躍注目を集めるようになった。

「自分のターニングポイントといったら、確実に、両親に日本に連れてこられたことと『レディ・プレイヤー1』に出演したことですね。そうじゃなければ、今こうして取材を受けている僕はいなかったので」

そう言って屈託のない笑顔を向けた。とはいえ、来日当初はまったく話せない日本語に苦戦したりと、ここまで順調だったわけではない。

「たぶん人に恵まれたんだと思います。悔しいなと思うことがなかったわけじゃないけれど、身近には僕以上に悔しがってくれる人がいてくれたりもして、それで救われていたことはすごく多いと思います」

スカウトされたのは14歳。『レディ・プレイヤー1』への出演が決まったのは25歳だ。その間のことを尋ねると、「目立った動きはなかったですね」と。しかし、その言葉に悲壮感も自虐も感じられない。

「ちょいちょい映像作品に出たりしていましたし、ダンスボーカルグループのメンバーとして活動したりもしていました。その頃は、学校行ったりバイトしたりしながら、放課後に仕事するみたいな、部活感覚だったんですよね。この先どうなるんだろうっていう気持ちはあったけれど、それでもやり続けていたのは、同じ立ち位置の仲間とか同じグループのメンバーがいたから。その頃はその頃でがむしゃらでしたけどね」

そんな時に舞い込んできたのが、ハリウッド大作映画『レディ・プレイヤー1』のオーディションの話だ。

「その当時は、海外作品に出ることを目標にしていたわけじゃなかったんです。ただ、僕のおばあちゃんがミャンマーで英語の先生をしていたのもあって、小さい時から英語に耳が慣れていたし、日本に来てからも母親が英語を教えてくれていたので、ラッキーでした。単純に、タイミングと運が良かったんだと思います」

しかしそれが大きく運命を動かす。

「ずっと、自分はこの仕事に向いているんだろうか、この仕事を続けていていいのかなと思いながらやっていたんです。でも、日本でそこまで知られていたわけでもないのにオーディションに受かったわけで、自分にも何かあるのかもしれないと思えたし、頑張ればいけるのかもしれないという自信も生まれました。そこから、頑張るしかないんだって改めて思えたんです。俳優というお仕事を、職業としてちゃんと自覚したのはその時が初めてだったかもしれないです。この映画をきっかけに、いろんな作品から声をかけていただくことも増えました。それを観た方がまた別の作品に呼んでくれたり、その時のスタッフさんが次の作品にまた呼んでくれたり…。やっとこの2~3年で、お仕事がコンスタントにできるようになった感じです」

昨年、『ウエスト・サイド・ストーリー』で初ミュージカルを経験し、今年、日本初上陸のミュージカル『ジェイミー』に主演。また、ソロアーティストデビューを果たすなど、新たな挑戦も始めている。

「ミュージカルをやりたいという思いはずっとあったんですよ。でも、この仕事ってやりたいからできるわけじゃないですよね。だからこそ『ウエスト・サイド~』のお話をいただいた時に、これを絶対に成功させて次に繋げていくんだって気持ちで稽古していました。実際、大きな舞台を経験させていただいたことって体で覚えていたりするものなんですよね。それが次の『ジェイミー』の現場に入った時に、指示を聞いてすぐに演出家のやりたいことをつかめるようになったり、ミュージカルにより興味が湧いていろんな作品を観に行くようになって、舞台に立った時の見せ方や伝え方がわかってきたりと、繋がっています。音楽に関しては、どこか自分の帰る場所という感覚ですね。俳優は脚本家さんや監督が伝えたいメッセージを、僕らがキャラクターを通して伝えていく仕事ですけれど、音楽は…それが他人が作った曲であったとしても、ライブだったりパフォーマンスの形で、自分の想いを発信できる場所という感覚があるんですよね」

チャンスをつかめるかは、もしかしたら運かもしれない。しかしそれを次のチャンスに繋げていけるかは、間違いなく本人の意識と努力次第だ。

それでも森崎さんは、「結局、周りの人のおかげなんです」と語る。

「元々は自分がやりたいことをやらせてもらっているわけで、頑張るのは当たり前なんです。そのモチベーションは、目標さえあれば勝手に生まれてくるもので、それを前提に考えると、やっぱり周りの人の助けがあって、今の自分がいるとすごく感じるんですよね。たとえば役だって、俳優ひとりの力じゃなく、メイクさんや衣装さん、監督さんやいろんなスタッフさんの手助けで出来上がるものだし。信頼できる友達がいて芝居のことを話せたり、仕事のことを相談できるマネージャーさんたちがいたり。僕が発信した言葉に対してリアクションを返してくれたり、新しいお仕事が決まると『ウィンくんが頑張っているから私も頑張れます』って言葉を返してくれるファンの方がたがいて、逆に励まされることもありますし」

そんな森崎さんは、いま新たな目標に向かって歩きだしている。

「もう少し英語のスキルを上げたいと思っています。目標があれば続けられるし、こうして人に言うことがモチベーションになりますから」

WIN MORISAKI 1990年8月20日生まれ、ミャンマー出身。主演映画『僕と彼女とラリーと』は10月1日に全国公開。森崎さんが演じるのは、疎遠だった父親が急死したことをきっかけに、彼が心血を注いできたラリーに挑戦する青年。監督は、ドラマ『時効警察』などを手がけた塚本連平。共演に深川麻衣。

ベスト¥24,200 パンツ¥19,800(共にミスター・ジェントルマン TEL:03・6418・1460) シャツ¥31,900(ラキネス/アルファ PR TEL:03・5413・3546) その他はスタイリスト私物

※『anan』2021年9月22日号より。写真・野呂知功(TRIVAL) スタイリスト・森田晃嘉 ヘア&メイク・KEIKO(Sublimation) 取材、文・望月リサ

(by anan編集部)

当記事はananwebの提供記事です。

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